■ヒビキ
□ドリーム設定
主人公□情報
名「オニゴエ ヒビキ」
体「黒髪黒目。血色の悪い真っ白な肌。かなりの細身。身体虚弱」
装「伏し目癖が付いている。ハーフリムタイプの四角眼鏡。背中に届く髪を七三分けにして後ろで束ねている」
□設定
転生トリップ者。前世は三次元
□名前変換
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十数分後、池田の長電話もようやく終わり、再開……!
「あ?なんだその動き」
「いや、聞いたんですけど、イカサマで即罰金50って聞いたんで……ないと思いますけど濡れ衣とかおっ被せられないようにこうやって……牌を取りに行くときは袖まくって掌は上に向けとこうかなって」
「はあ……まあ好きにしろ」
南一局1本場、2本場ともに当たらず振り込まずの地味な手……!
が、その3本場から……!
また流れが来る……!
「えー……またカン、よいしょ。あっえっ、もいっちょカンします、……あれ、これ……アニキこれあがっていいやつです?」
「うっ……あ、ああ、行け!」
「あっはい、じゃあツモです!」
「なにッ!?」
「カンカンツモ!?嶺上開花じゃねえか!」
「うわっトイトイの三槓子…!?」
「お、オレの親に何の恨みがあるんだよ……ッ!この連荘でやっと取り戻してきたってのに……帳消しじゃねえか…!」
「待て!ドラ……!ドラが乗ってる……全部!!見ろ!どんな強運だ……これ!!」
「ど……ドラ5っ…ドラ5ぉ…!?ドラ5ってなに……!?」
「まて、その場合これって……門前清自獏和、嶺上開花、対々和、三暗刻、三槓子に、ドラ5で…13翻…つまり数え役満…!数え役満だぞ!!」
「夢か…これ……っ!?」
「ひぃぃっ!!」
「ふざけんなッ!どう考えてもイカサマだろうが!」
「っ!?」
「!」
「……あ、アニキぃ!」
「てめえっ!オレの代打ちに何しやがる!」
「そうだ…!大人げねえぞっ!!」
「嬢ちゃんの指の開いた手つきじゃサマのしようがないだろ……!」
「再開してからは袖もまくって手の中も改めてから自模ってるし……!」
「ぐ……そ、そうだ!表にしてくれ!すべての牌っ……!」
「ジャケットも脱げ!ポケット見せろ!」
「あ、はーいどうぞ」
「あるはずだっ…ここに…な、なにも、ない!!」
「そうだ、暗槓!見せろ!別の牌とすり替え……っ…て、ない……!」
「牌の数も…種類も色も……合ってる……!!」
「じゃあ……ホンモノだったってことかよ……?」
「そう言ってるだろ!往生際が悪いぞっ…!!」
またも大勝する!
東一局に並ぶ……圧倒的和了!!
がっ……!
またも…再び、その運は下降する……!
直後の南二局1本場、振り込むことはなかったが……しかし終始ノーテン……!
「おっと、それでロンだな。タンピン三色」
「ちっ…せっかく続いてたのに……親!」
「すいません、私もロンです」
「あ!?……なんだヒビキちゃんは平和のみか。ほらよ1000点」
南二局2本場にしてようやく、親の牌を取って和了れたが、それもとんだ安上がり……ドラも乗らない激安のロン!
だが……そこでふと気付く……その場のギャラリー!
名もなきヤクザ達…!
「ヒビキちゃんの不思議な所ってさ……」
「ん?」
「ツモる以外は必ず親の牌で和了ってんだよ」
「!……言われてみれば。前半の時も……でもサマはしてないはずだぜ?何しろ牌の持ち方からして……」
「だから不思議なんだよ」
「(……)」
「半荘なんだから南四局…ヒビキちゃんの親で終了。てことは……この南三局で……もしかしたら来るかもな。引いて引いて大津波……!ピンポイントでの親殺しが……!」
そんなヤクザの呟きを無視して南三局1本場、ヒビキは動かず!
南三局2本場に入る……!
その時、対局相手らはその異様さに気付く……!!
「(うっ……!?)」
雀荘に居る客の九割が、ヒビキの後ろに立っていることに……!!
ヒビキの手牌への期待と好奇心に満ちた……この妙な空気……!
皆奇跡が見たく!
あやかりたいのだ!!
まるで後ろ盾のように……否!この場において最も強力な、大衆という後ろ盾をヒビキは得ていた!!
例えその後ろ盾がこの場限りの刹那的なものだとしても!まさに今!これほどやっかいなものはない!
なぜならもし勝たれたら、勝ち逃げを許さなければならないから!!
いうなれば池田はこの高レート雀荘にたむろするゴロたちにとって、小遣い稼ぎのザコ…!取るに足らない小物…!複数のグループで協力して取りにいくほどの財産もない…!哀れなカモの一匹にすぎない…!
この場において、池田を食い物にしていたのは今卓を囲んでいる3人1組のグループのみ…!
他のグループは他のカモが居て、つまり、仲間意識どころか、完全に畑違い…!管轄違い…!何の関係もないのだ……!
無い!池田およびその代打ちヒビキに敵対するメリットも、デメリットも!
ならば、面白い方、可愛い方に味方するのは当然……!
そして稀にも見ない、イカサマも知らない運しか頼れるものがないようなおぼこが、その運によって半荘中に2回も役満和了!しかも両方ただの役満ではない、ダブル役満とドラ5からの数え役満!
こんな面白い奇跡はない!奇跡の半荘!見届けない理由はない!!
狩り中のヤクザ達も負け込んでいるカモ達でさえも、局の境目に一時中断して見に来ていた!
ヒビキの背中を!
一割は、対戦相手目線で奇跡を期待する、これもヒビキ目当ての野次馬……!
響く…!
空間に…!
ヒビキへの期待…!!
目を見張るような方法で、対局相手を叩きのめす期待が……!
「(ぐっ……!)」
北場のヒビキに対して、西場の水本。
このグループのリーダー格はただ歯噛みするしかできず……!
「(なんだ…この空気は…!聞いてねえっ…聞いてねえよこんなガキが出てくるなんて…っ!!)」
南場、ヒビキの向かいに座る長木も内心焦り出し…。
「(やばい…やばい気がする…オレはすでに再起不能のマイナス…!長木もリーダーに託してほぼ瀕死点……!現状トップのリーダーがこのまま小娘をオレ以下の赤字4位…最低でもマイナス3位に落として勝たなきゃ…くいっぱぐれだっ…オレ達でコツコツ育てた…108万!!)」
東場の現状4位……小心者の丹波!もう冷や汗が止まらない……!!