■ヒビキ
□ドリーム設定
主人公□情報
名「オニゴエ ヒビキ」
体「黒髪黒目。血色の悪い真っ白な肌。かなりの細身。身体虚弱」
装「伏し目癖が付いている。ハーフリムタイプの四角眼鏡。背中に届く髪を七三分けにして後ろで束ねている」
□設定
転生トリップ者。前世は三次元
□名前変換
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ヒビキは顔を渋くして、低い息で続けた。
「ジンクスって言うんでしょうか……本で読んだんですけど……。最初の勝ちは当てにならない……。むしろ負ける目……!」
「向こうさんもそう思ってると思いますよ。すみません……もしもの覚悟と、助言…万端にお願いします」
「(……)……ケッ!何弱気になってやがる!行け!強気に……!」
「……あはは!は~い…」
だがこのヒビキの予感……!
的中する……!
「(ゲ……ッ!)」
「んん……(さっき池田さんの指示で諦めたイーピン……!くーっ!)」
全く乗らない…!勢い…!
「リーチ」
「っ!(表きてるから…裏ドラ捨てるか…)チー!」
「おっと一発封じられちまったな」
「しかしいいのかい?さっきから索子と筒子ばっか捨ててるのに萬子晒すなんて…!」
「萬子染めてたら怖いし気を付けないとなーっと」
「その白、ポンします(……)」
「はいよ。ケケ…なんだ違ったか」
「初心者あるあるの安鳴き早上がり狙いかい?」
「どうだろ……そうかも」
「となれば」
「よっと」
「……えーと……これ」
「はい!ヒビキちゃんのローソウでロン!!」
「あー……。あはは。あれ……すいませんそれ何の役ですか?」
「はあ?……プハハッ!本当に初心者なのかよヒビキちゃん!!」
「(……)ただの立直だっ!でっ!ドラが2つ乗って3翻40符!5200点の放銃だ馬鹿野郎!とっとと渡しちまえ!」
「あっあっあっえっと、はい!すいやせんアニキぃ!」
東二局、三局ともに振り込む…!
一度だけ親に噛みついて和了りはしたものの安い手……!いいとこなし……!!
「ふぅ…ーッ!きついっすね」
「おいっ!このままじゃ追いつかれちまうぞ……!すでに半分もいかれちまってっ…!!」
「ちゃんと頑張ってますよアニキィー……勘弁してくださいって……そもそも麻雀のルールだってさっき初めて聞いたんですよお……?役のいっぱい乗ってるめっちゃわかりやすいルール本見せてくれたおかげでなんとかやれてますけど」
「~~……聞きたかねえそんな言い訳!おい……わかってねえなんてこたないよな……!開局時点であんたすでにオレの負け込み分を背負ってんだぞッ!ここで4位だとか……払いきれなくなっちまったら……!そん時ゃお前……!」
「無事じゃすまない、最悪破滅。ですよね。わかってますって……わかってますけどぉ……!」
汗をぬぐい、さらに四局、
「おい!待て、なんでそっち……」
「ぅえっ?」
「ロン!」
「こっちもだヒビキちゃん。残念だったな」
親にしてダブロンに振り込み、点数は一気に削れる……!!
せっかくの親も流された!!
「……ヒビキ……お前……ふざけんなよっ……!」
「あははー…すいませんアニキ。まあ、親は子の養分って言いますし…っと、それで もいっちょすいません、見たところこのペースだと門限超えそうなんで家に電話してもいいですか?」
「チッ……おいっ!休憩だ……っ!」
そして小休憩を挟む……!
「あ、お母さん?ごめん、今日遅くなる。友達と遊んでてさ……えー…何時ごろって……ちょっとわかんないかも。……あ、うんわかった、じゃあ九時回るようならそれまでに連絡するね。……あ、うんじゃあ冷蔵庫入れといて。帰ったら食べるから。……ごめんありがとー。…はーい」
その間、ヒビキは席を立たずにそのまま家へ電話……!
「そんな感じになりましたアニキ……あれ、アニキ?」
「池田なら外でどっかに電話してるぜ、嬢ちゃん」
「え!?ちょっ一人にしないでよアニキぃ……」
「それより嬢ちゃん、未成年なんだって?今年で何歳……?」
「んえっと、15です」
「ほー!なら受験生じゃねえか」
「15か……ククク……可哀想にな……ヒビキちゃん。その白くてみずみずしい身体、いただいちゃうぜ……!」
「あはは……!冗談きついですよ……見ての通り可愛くない顔のペチャパイ棒切れですよ!楽しくないですって……!」
「いやいやいや……全然!いけるいける……!」
「あははっ…!好きものですねぇ」
「嬢ちゃん全然動じねえなあ」
「あははー」
「あの池田とはどんな関係なんだ?愛人か?姪か?」
「いや今日初めて会いました」
「は?」
「出会ったのも仲良くなったのも偶然で」
「じゃあ何か?あいつにナンパされてホイホイついてきちまったってことか?」
「あっそれだ」
「はあー!怪しいおじさんには気を付けろって教わらなかったのかよ嬢ちゃん!」
「次から気を付けますー!もう懲りましたぁ!」
そして再開までヒビキは話しかけられ続け、
「あ――――そういえば、何か覚えといたほうがいい役とかってあります?」
「ん?そうだなぁ…」
「例えばさっき本で読んだ緑一色とか、えーと、例えばこの状態だと何待ちでリーチすればいいんですかね」
「いや、それじゃだめだ。それならこれをチーこっちはポンして…これでリャンソウとウーソウ待ち。もしくは……」
「待て待て、それより面白い役と言えば天衣無縫……九蓮宝燈だろ!」
「天衣無縫九蓮宝燈?」
「いやいや、天衣無縫ってのは九蓮宝燈の別名でな。で、九蓮宝燈ってのがこう……」
「はっ!出もしねえ役ばっか教えたってしょうがねえだろ」
「けど実用性の高い役を教えたらお前ら口出しするじゃねえか」
「へっ……まあな」
……愛想を武器に、中立ギャラリーのヤーさん達に尋ね、麻雀の役について造詣を深めた。
幸いか不穏か、池田の電話はだいぶ長かった。