□1話・褥は虎穴に移り九死を得る
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寒さの厳しい冬。
しかしながら、立派な家と、文明の利器に囲まれた現代日本において、それは全く脅威とはなり得ないものだ。
「いやこの世に舞い降りた唯一無二のプリンセスなのでは?私はこの人を目撃するために生まれたのだ間違いない」
[「そう……(無関心」]
「あのあのちょとちょと聞き流すとかひどくない?YOUが鬼滅を私に勧めたんだのに。しかも今日。超フレッシュ」
[「フレッシュなその言葉をすでに10回は聞いたんだよ。通話なんだから声しか情報ないのに馬鹿の一つ覚えみたいに同じことしか言わないじゃん痴呆か」]
「私の語彙力の無さをなめるなよ?」
[「言葉勉強しろ」]
「プリンセスのことで頭がいっぱいで無理」
[「……好きだねー今日知ったばかりで…まだ結末も知らないのに」]
「なんで最終巻だけ抜いて貸したし」
[「実は明日発売なんだ許せ」]
「許した」
彼女は唯人だった。
時は夜中。
友人と通話している彼女の手に広げられているのは、とある漫画の単行本だった。
鬼滅の刃。
その漫画にハマった友人に猛プッシュされるも渋っていた彼女。
それについに耐えかねた友人のバイタリティは爆発し、たった今朝、唐突に単行本22冊を携えてやってきたのだ。
借りてしまったからには読まねばなるまい。
休日でもあったため彼女は、それを読んでいった。
そうして彼女の目は、とあるキャラを捉えた瞬間、友人へコールし、通話がつながった瞬間叫び声を上げたのだった。
「うわあああああ▂▅▇█▓▒░('ω')░▒▓█▇▅▂ ああああああ!!!!」
[「う゛る゛せえ!!!!何!?」]
「なんだこのキャラ!?なんっ……はあ????まってなんで??!!好きなんだが!!?!え????なんで???!!!」
[「はあ!?!!??!」]
そして当然ながら友人はキレたのだが、彼女もそれどころではなかった。
一目惚れだったのだ。
ひとしきりその旨を語り一度目の通話を終え、借りたコミックを読み進めた。
そうして数時間後、合計約9時間ほどで22巻分読破完了した彼女は、友人に二度目のコールしたのだった。
「うわあああああ▂▅▇█▓▒░('ω')░▒▓█▇▅▂ ああああああ!!!!」
[「切っていい?」]
「ごめんなさい切らないで」
そして彼女はコミックを読み返しながら、狂ったビデオレコーダーの様にとあるキャラを称え、褒めちぎり、語った。
夜は更け、通話を終えた彼女は―――何を血迷ったか筋トレ器具を尼でポチり、その日は就寝したのだった。
しかしながら、立派な家と、文明の利器に囲まれた現代日本において、それは全く脅威とはなり得ないものだ。
「いやこの世に舞い降りた唯一無二のプリンセスなのでは?私はこの人を目撃するために生まれたのだ間違いない」
[「そう……(無関心」]
「あのあのちょとちょと聞き流すとかひどくない?YOUが鬼滅を私に勧めたんだのに。しかも今日。超フレッシュ」
[「フレッシュなその言葉をすでに10回は聞いたんだよ。通話なんだから声しか情報ないのに馬鹿の一つ覚えみたいに同じことしか言わないじゃん痴呆か」]
「私の語彙力の無さをなめるなよ?」
[「言葉勉強しろ」]
「プリンセスのことで頭がいっぱいで無理」
[「……好きだねー今日知ったばかりで…まだ結末も知らないのに」]
「なんで最終巻だけ抜いて貸したし」
[「実は明日発売なんだ許せ」]
「許した」
彼女は唯人だった。
時は夜中。
友人と通話している彼女の手に広げられているのは、とある漫画の単行本だった。
鬼滅の刃。
その漫画にハマった友人に猛プッシュされるも渋っていた彼女。
それについに耐えかねた友人のバイタリティは爆発し、たった今朝、唐突に単行本22冊を携えてやってきたのだ。
借りてしまったからには読まねばなるまい。
休日でもあったため彼女は、それを読んでいった。
そうして彼女の目は、とあるキャラを捉えた瞬間、友人へコールし、通話がつながった瞬間叫び声を上げたのだった。
「うわあああああ▂▅▇█▓▒░('ω')░▒▓█▇▅▂ ああああああ!!!!」
[「う゛る゛せえ!!!!何!?」]
「なんだこのキャラ!?なんっ……はあ????まってなんで??!!好きなんだが!!?!え????なんで???!!!」
[「はあ!?!!??!」]
そして当然ながら友人はキレたのだが、彼女もそれどころではなかった。
一目惚れだったのだ。
ひとしきりその旨を語り一度目の通話を終え、借りたコミックを読み進めた。
そうして数時間後、合計約9時間ほどで22巻分読破完了した彼女は、友人に二度目のコールしたのだった。
「うわあああああ▂▅▇█▓▒░('ω')░▒▓█▇▅▂ ああああああ!!!!」
[「切っていい?」]
「ごめんなさい切らないで」
そして彼女はコミックを読み返しながら、狂ったビデオレコーダーの様にとあるキャラを称え、褒めちぎり、語った。
夜は更け、通話を終えた彼女は―――何を血迷ったか筋トレ器具を尼でポチり、その日は就寝したのだった。