□温厚無情
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◇
PM21:00
街外れの荒野。
ガキンッ! 剣と盾がぶつかり合い、火花が散る。
ギュイインッガガガガッ!とチェーンソーがうなりを上げながら、地面を削り取る。
その度に土埃が舞い、視界を奪う。
間髪入れず、カタパルトの弾丸がポプカルの頭上を通り抜けて、着弾し、眼前の敵は後方へ大きく飛ばされた。
だがしかし、間を置かずに次がやってくる。
「下がって、ポプカル!前に出過ぎよ!ミッドナイト、スポットの方を引き受けて!スポットは前に出て牽制!カタパルトは交代のフォロー!」
オーキッドの鋭い指示が飛び、それを受けてそれぞれが動き出す。
しかし、もはやジリ貧なのは誰の目にも明らかであった。
戦線崩壊寸前で、ジリジリと後退しながら辛うじて戦闘を継続させている状態だ。
「くそっ……!姉さんもうダメ……ッ弾切れだよ……ッ!」
「……ッ!!」
「隊長。カタパルトの支援なしじゃ抑え切れない」
スポットはそう言いながら目の前の敵を盾で薙ぎ払い吹き飛ばす。しかしその隙を突かれて小柄な敵がスポットの脇をすり抜ける。
「抜けられた!」
「分かってるっ!!」
だがその相手はオーキッドの遠距離攻撃と、弾切れになったカタパルトの破れかぶれな蹴りによって辛うじて仕留める。
ドシャアッと音を立てて崩れ落ちる敵の骸。しかしそれも束の間、すぐに別の敵に群がられ始める。
「ああぁもうッ!!キリがない!!」
「全く、ただの回収任務のはずだったのに……話が違うじゃないか……!」
次々と押し寄せる黒い影達を何とか捌きながらカタパルトとミッドナイトは悪態をつく。
その時、横殴りの一陣の風が吹き荒れて、黒い群れの一部が一瞬にして切り刻まれて、消えた。
「!?」
「え?」
突然の出来事に、一同は困惑する。
一体何が?
誰が?と辺りを見回すが、それらしき人物は見当たらない。
しかし、その正体はすぐに分かった。
退路側を塞いでいた敵の悲鳴が聞こえてそちらを見れば、敵にも動揺が走り、その向こうから激しく空を切る鞭の音と悲鳴が響いていた。
そうこうしているうちにも、その音の源は近づいてくる。
前方の敵を押し留めながら、ミッドナイトが叫ぶ。
「誰かは分からないが、味方なら加勢してくれ!」
すると、その答えが返ってきたようだったが、戦闘音にかき消されて聞き取れない。
だがその言葉を代弁するように、上空から大きな輪のようなものがものすごい勢いで飛んできて、ミッドナイトの前方を遮っていた敵の首に突き刺さった。
かと思うと、凄まじい力でその首をはね飛ばして戻っていった。
◇※アガウが初期投入されているステージでの戦闘・アガウはS3+ジードのアーツにより1秒ごとHP1.5%回復
PM21:45
「はぁ……はぁ…………ふぅ」
「なんとか……退けたわね……」
戦闘は終わり、A6の面々は一息つくと武器を納める。
撤退していく敵影を見届けるのは、戦闘中にA6と合流したアガウである。
「ひとまず礼を言わせてちょうだい。おかげで死なずに済んだわ。ありがとう」
「礼なら、私ではなく、私の雇用主に。私はあくまで、仕事でここにいるだけよ」
「雇用主?」
オーキッドは、彼女の背後に控える人物に目をやる。
そこには、一人のフィディアが立っていた。
ジードだ。
「はじめまして、ロドスの皆さん」
ジードはそう言って一歩踏み出した。
「私の名前はジード。こちらはアガウ、私の護衛です」
そう自己紹介をすると、彼は丁寧にお辞儀をした。
「今回は、我々の作戦に協力していただきたいと思い、お声をかけさせて頂きました」
「協力?どういうことかしら」
オーキッドは怪しむように眉をひそめる。
ジードはその反応を予想していたようで、特に気を悪くした様子もなく、続けた。
「ああ、いえ。ロドスの皆さんの邪魔はいたしませんし、もちろん理不尽に何か要求したりなどいたしません。ただ我々は、あなた方の仕事が円滑に進むようにお手伝いしたいだけなのです」
「なるほど。つまりロドスを囮として使いたいというわけかしら」
「そう受け取っていただいても構いませんが、利害は一致しているのではないでしょうか?」
ジードの言葉に、オーキッドは腕を組んだ。
◇
PM21:00
街外れの荒野。
ガキンッ! 剣と盾がぶつかり合い、火花が散る。
ギュイインッガガガガッ!とチェーンソーがうなりを上げながら、地面を削り取る。
その度に土埃が舞い、視界を奪う。
間髪入れず、カタパルトの弾丸がポプカルの頭上を通り抜けて、着弾し、眼前の敵は後方へ大きく飛ばされた。
だがしかし、間を置かずに次がやってくる。
「下がって、ポプカル!前に出過ぎよ!ミッドナイト、スポットの方を引き受けて!スポットは前に出て牽制!カタパルトは交代のフォロー!」
オーキッドの鋭い指示が飛び、それを受けてそれぞれが動き出す。
しかし、もはやジリ貧なのは誰の目にも明らかであった。
戦線崩壊寸前で、ジリジリと後退しながら辛うじて戦闘を継続させている状態だ。
「くそっ……!姉さんもうダメ……ッ弾切れだよ……ッ!」
「……ッ!!」
「隊長。カタパルトの支援なしじゃ抑え切れない」
スポットはそう言いながら目の前の敵を盾で薙ぎ払い吹き飛ばす。しかしその隙を突かれて小柄な敵がスポットの脇をすり抜ける。
「抜けられた!」
「分かってるっ!!」
だがその相手はオーキッドの遠距離攻撃と、弾切れになったカタパルトの破れかぶれな蹴りによって辛うじて仕留める。
ドシャアッと音を立てて崩れ落ちる敵の骸。しかしそれも束の間、すぐに別の敵に群がられ始める。
「ああぁもうッ!!キリがない!!」
「全く、ただの回収任務のはずだったのに……話が違うじゃないか……!」
次々と押し寄せる黒い影達を何とか捌きながらカタパルトとミッドナイトは悪態をつく。
その時、横殴りの一陣の風が吹き荒れて、黒い群れの一部が一瞬にして切り刻まれて、消えた。
「!?」
「え?」
突然の出来事に、一同は困惑する。
一体何が?
誰が?と辺りを見回すが、それらしき人物は見当たらない。
しかし、その正体はすぐに分かった。
退路側を塞いでいた敵の悲鳴が聞こえてそちらを見れば、敵にも動揺が走り、その向こうから激しく空を切る鞭の音と悲鳴が響いていた。
そうこうしているうちにも、その音の源は近づいてくる。
前方の敵を押し留めながら、ミッドナイトが叫ぶ。
「誰かは分からないが、味方なら加勢してくれ!」
すると、その答えが返ってきたようだったが、戦闘音にかき消されて聞き取れない。
だがその言葉を代弁するように、上空から大きな輪のようなものがものすごい勢いで飛んできて、ミッドナイトの前方を遮っていた敵の首に突き刺さった。
かと思うと、凄まじい力でその首をはね飛ばして戻っていった。
◇※アガウが初期投入されているステージでの戦闘・アガウはS3+ジードのアーツにより1秒ごとHP1.5%回復
PM21:45
「はぁ……はぁ…………ふぅ」
「なんとか……退けたわね……」
戦闘は終わり、A6の面々は一息つくと武器を納める。
撤退していく敵影を見届けるのは、戦闘中にA6と合流したアガウである。
「ひとまず礼を言わせてちょうだい。おかげで死なずに済んだわ。ありがとう」
「礼なら、私ではなく、私の雇用主に。私はあくまで、仕事でここにいるだけよ」
「雇用主?」
オーキッドは、彼女の背後に控える人物に目をやる。
そこには、一人のフィディアが立っていた。
ジードだ。
「はじめまして、ロドスの皆さん」
ジードはそう言って一歩踏み出した。
「私の名前はジード。こちらはアガウ、私の護衛です」
そう自己紹介をすると、彼は丁寧にお辞儀をした。
「今回は、我々の作戦に協力していただきたいと思い、お声をかけさせて頂きました」
「協力?どういうことかしら」
オーキッドは怪しむように眉をひそめる。
ジードはその反応を予想していたようで、特に気を悪くした様子もなく、続けた。
「ああ、いえ。ロドスの皆さんの邪魔はいたしませんし、もちろん理不尽に何か要求したりなどいたしません。ただ我々は、あなた方の仕事が円滑に進むようにお手伝いしたいだけなのです」
「なるほど。つまりロドスを囮として使いたいというわけかしら」
「そう受け取っていただいても構いませんが、利害は一致しているのではないでしょうか?」
ジードの言葉に、オーキッドは腕を組んだ。
◇