□イーサンルート
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【】
その日も彼女はイーサンの裾を引いていた。
「――わかっている。恵まれていることくらい。我が儘であることくらい。
飢えも知らないし、一切れのパンのために身を売ったこともない。存在を蔑まれ、踏みつけられたり、死んだほうがましだと思うような痛みも知らない。」
「比較してたらキリねえよドクター」
吐露する言葉はいつもの如く後ろ向きで、よくもまあそんなに自分を痛めつけるもんだと感心すらする。
逆切れして投げ出したり、権限を振りかざし勝手するようにならないだけ立派なもんだと思うが。
イーサンは縋り付く様に俯いて震える彼女の背中を叩いた。
夜も更け、そろそろ眠る時間だとアルゴスに言い聞かせた。
◇
また、ある日の休日は。
案じて自室を訪ねたイーサンをすぐに引き入れ、戸締まりと共にすがり付く。
「イーサン、助けてくれ…!!ッ後ろに!居るんだ!!Aceが、Scoutが、Guardが…ッ■■■■が、■■が、■■■が…」
イーサンは、己より大きな、しかし脆弱な身体を抱き止めてその背を包む。
羅列される死者のコードネームの数はことのほか多く、イーサンの知る名も知らない名も雑多に詰め込まれていて、彼女の世界の広さを実感する。
軍事方面の頂点に立っているのだから、死傷者リストなどの管理もしているのだろう。
決して、彼女は遥か上官なのだとイーサンは思い知る。
羅列される言葉を止めることなく最後まで聞き届け、やがて嗚咽となった声を労るようにその丸まった背を撫でた。
「俺だけじゃ無理だ、ドクター」
その日も彼女はイーサンの裾を引いていた。
「――わかっている。恵まれていることくらい。我が儘であることくらい。
飢えも知らないし、一切れのパンのために身を売ったこともない。存在を蔑まれ、踏みつけられたり、死んだほうがましだと思うような痛みも知らない。」
「比較してたらキリねえよドクター」
吐露する言葉はいつもの如く後ろ向きで、よくもまあそんなに自分を痛めつけるもんだと感心すらする。
逆切れして投げ出したり、権限を振りかざし勝手するようにならないだけ立派なもんだと思うが。
イーサンは縋り付く様に俯いて震える彼女の背中を叩いた。
夜も更け、そろそろ眠る時間だとアルゴスに言い聞かせた。
◇
また、ある日の休日は。
案じて自室を訪ねたイーサンをすぐに引き入れ、戸締まりと共にすがり付く。
「イーサン、助けてくれ…!!ッ後ろに!居るんだ!!Aceが、Scoutが、Guardが…ッ■■■■が、■■が、■■■が…」
イーサンは、己より大きな、しかし脆弱な身体を抱き止めてその背を包む。
羅列される死者のコードネームの数はことのほか多く、イーサンの知る名も知らない名も雑多に詰め込まれていて、彼女の世界の広さを実感する。
軍事方面の頂点に立っているのだから、死傷者リストなどの管理もしているのだろう。
決して、彼女は遥か上官なのだとイーサンは思い知る。
羅列される言葉を止めることなく最後まで聞き届け、やがて嗚咽となった声を労るようにその丸まった背を撫でた。
「俺だけじゃ無理だ、ドクター」