□カポネさんルート
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アルゴスは大回りした一周目と違い、まっすぐと停泊区へと足を向けて進んだ。
人通りの無い道を選びながら、最低限の小回りで、気付けば彼女はロドスのすぐ目の前へと帰ってきた。
一周目より早く停泊区へとやってきた道中、カポネの姿は見当たらなかった。
時刻にはまだ余裕がある。
この疲労困憊な身体で動き回るよりは、待ち伏せしたほうが良いと判断した。
そして彼女は再び無数の視界を開き、駆使し、人知れずロドスへと侵入した。
人目を避けて、執務室に繋がる倉庫へと直行した。
そこに保管してある薬剤の封を切り、摂取した。
あらゆる耐性のある身体は、毒も薬も等しく効きが悪いというわけではない。
成分によっては強く長く作用する物も少なくはない。
これはその一つ。
疲労と痛みを薄める薬。後で頭痛などやってくるが、それも追加投薬で抑えられる。
まあ、最後には受け止めて中止しないと、適正睡眠時間倍ほど昏倒してしまうが。
容器を処理し、管理簿を更新してアルゴスは執務室に戻り、端末よりデータベースへと潜った。
ログを探ったところ。
ラップランドは、すでに出かけていた。
アルゴスはブルゾンに手を伸ばし、ロドスの上着に袖を通した。
◇
変声機は省略し、ゴージットをガチリと首元に固定する。
深くフードを被り、瞳を遮るようにバイザーを思い切り下ろす。
時間帯に関係なく明るいロドスの廊下を歩きながら、外出の用意を済ませた。
そしてあらかじめ見つけていた人物の元へとやってきた。
「今日明日と君に仕事の予定はなかったと記憶しているが、こんな時間に、廊下の隅で何をしていたんだ?」
「あっ……」
「マンティコア」
「えっと…夜…働いてる人と、朝早く働き始める人、ここ…たくさん、通るから。見てた」
「そうか。……マンティコア、今から時間はあるか?」
「うん。いくらでも」
「頼みたいことがある。何も聞かず、やって欲しいことかあるんだ。」
「緊急の、お仕事?」
「いや、私の個人的な所用だ。拒否権はある。だが…今、頼れるのはマンティコアだけなんだ」
「ドクター、」
「なんだ」
「私ね…、なんでも、するよ」
「……助かるよ、本当に」
承諾は確信していた。
マンティコアは、これ以上なく従順なオペレーターだ。
そこに付け入り、私情かつ無償に、時間外のオペレーターを動かしてしまった。
巻き込んでしまった。
他でもないマンティコアを、ケルシーに断りもせず連れ出した。
アルゴスは、自分が明らかな凶行に走っているということを自覚していた。
だからと言って、ここで思いとどまることはもはやできない。
じわじわと重みを主張する後ろめたさに、出来ることといえば、小さな謝罪の言葉を口にするだけだった。
◇
護衛を得たアルゴスは、今度こそ堂々とロドス移動都市から龍門の停泊区へと降り立った。
時刻も程よく、アルゴスはすぐに目的地へと歩き出した。
人通りの無い道を選びながら、最低限の小回りで、気付けば彼女はロドスのすぐ目の前へと帰ってきた。
一周目より早く停泊区へとやってきた道中、カポネの姿は見当たらなかった。
時刻にはまだ余裕がある。
この疲労困憊な身体で動き回るよりは、待ち伏せしたほうが良いと判断した。
そして彼女は再び無数の視界を開き、駆使し、人知れずロドスへと侵入した。
人目を避けて、執務室に繋がる倉庫へと直行した。
そこに保管してある薬剤の封を切り、摂取した。
あらゆる耐性のある身体は、毒も薬も等しく効きが悪いというわけではない。
成分によっては強く長く作用する物も少なくはない。
これはその一つ。
疲労と痛みを薄める薬。後で頭痛などやってくるが、それも追加投薬で抑えられる。
まあ、最後には受け止めて中止しないと、適正睡眠時間倍ほど昏倒してしまうが。
容器を処理し、管理簿を更新してアルゴスは執務室に戻り、端末よりデータベースへと潜った。
ログを探ったところ。
ラップランドは、すでに出かけていた。
アルゴスはブルゾンに手を伸ばし、ロドスの上着に袖を通した。
◇
変声機は省略し、ゴージットをガチリと首元に固定する。
深くフードを被り、瞳を遮るようにバイザーを思い切り下ろす。
時間帯に関係なく明るいロドスの廊下を歩きながら、外出の用意を済ませた。
そしてあらかじめ見つけていた人物の元へとやってきた。
「今日明日と君に仕事の予定はなかったと記憶しているが、こんな時間に、廊下の隅で何をしていたんだ?」
「あっ……」
「マンティコア」
「えっと…夜…働いてる人と、朝早く働き始める人、ここ…たくさん、通るから。見てた」
「そうか。……マンティコア、今から時間はあるか?」
「うん。いくらでも」
「頼みたいことがある。何も聞かず、やって欲しいことかあるんだ。」
「緊急の、お仕事?」
「いや、私の個人的な所用だ。拒否権はある。だが…今、頼れるのはマンティコアだけなんだ」
「ドクター、」
「なんだ」
「私ね…、なんでも、するよ」
「……助かるよ、本当に」
承諾は確信していた。
マンティコアは、これ以上なく従順なオペレーターだ。
そこに付け入り、私情かつ無償に、時間外のオペレーターを動かしてしまった。
巻き込んでしまった。
他でもないマンティコアを、ケルシーに断りもせず連れ出した。
アルゴスは、自分が明らかな凶行に走っているということを自覚していた。
だからと言って、ここで思いとどまることはもはやできない。
じわじわと重みを主張する後ろめたさに、出来ることといえば、小さな謝罪の言葉を口にするだけだった。
◇
護衛を得たアルゴスは、今度こそ堂々とロドス移動都市から龍門の停泊区へと降り立った。
時刻も程よく、アルゴスはすぐに目的地へと歩き出した。