□イーサンルート
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彼女は会話が終わったと認識したのか、共用の食材がまだそれなりに余っていると伝えたりしてきた。
そこで空腹を思い出したイーサンは、素直に空返事を返し、共用冷蔵庫へと向かうことにした。
その折、つい先程まで潜入先から逃げていたイーサンはクリアリング癖が抜けずに、厨房を意味もなく見渡した。
そうして彼は、コンロに置かれているままの小鍋を見つけた。
マグと一緒に片付けるつもりだったのだろうと予測しながらイーサンは大きな共用冷蔵庫を開けた。
アルゴスはそんなイーサンを飽きもせず見つめていた。
くるりと巻かれた太い尾が揺れるさまがどこか愛らしく思えて、アルゴスは口元を緩めた。
やがてイーサンが持ち出したのは、夕食調理の際に出た微量の余り食材だった。
ラップに包まれた一つかみほどの小型きのこと、鶏肉の細切れ。
それからチューブのバターマーガリン。
「この鍋まだ洗ってないよな?使うぜ」
「んっ?構わないが、フライパンじゃないのか」
「洗い物増えるだろ。俺が調理器具に拘るように見えるか?」
食材をコンロ近くに置いてグローブを外し片手にまとめたイーサンが、フンと胸を張って振り返った。
その茶目っ気のある仕草に、アルゴスは息を吹くように小さく笑って首を振った。
「…いいや。目的の調理ができれば、なんだってよさそうだ」
「わかってるじゃねえか」
イーサンはまとめたグローブを安全帯に引っ掛けるように仕舞い込むと、コンロに向き直って不慣れに着火した。
アルゴスは静かに彼の素振りを見つめた。
バターマーガリンのチューブから適当な量を絞り出し、小型きのこと鶏肉をそのままポイポイとぶち込む。
むいたラップを捨てがてら、追加で必要なものを取りに行く。
適当な調味料とフォークを持ってコンロ前に戻ったイーサンは、香辛料を中心とした調味料を目分量に振り入れ、フォークを使って食材を炒め転がし始めた。
菜箸やへらなどといった調理ツールではなく、食器のフォークを使うところが何とも彼らしかった。
育ちの良い、もしくは料理人としての心得あるオペレーターなどが、もし、この様子を目の当たりにしたのなら、間違いなく『まず手を洗え』から始まり、段取り・手順・器具・服装等々余すところなく指摘が入っていることだろう――だからと言ってどうということはないが。
彼の手により火が止められる頃には、香ばしい匂いがアルゴスの元にも届いた。
完成らしい。
皿に移すことも座ることもなく、イーサンはおもむろに小鍋の中のものパクパクと口に入れ始めていた。
そういうところにもまた彼らしさを感じてアルゴスは破顔したまま、手元のマグに口をつけた。
まだ充分に温かった。
「ドクター」
「っん?」
予想外に呼ばれ、アルゴスは顔を上げた。
イーサンは手を止めてアルゴスを手招いていた。
疑問に思うでもなく、彼女は席を立ってイーサンの元まで近付いた。
彼が持ち上げたフォークには、ひとかけらの鶏肉ときのこが刺さっていた。
彼はそれにふうと数秒なますを吹いてから、彼女の方へと突き出した。
「そら」
「え」
「食えよ」
そこで空腹を思い出したイーサンは、素直に空返事を返し、共用冷蔵庫へと向かうことにした。
その折、つい先程まで潜入先から逃げていたイーサンはクリアリング癖が抜けずに、厨房を意味もなく見渡した。
そうして彼は、コンロに置かれているままの小鍋を見つけた。
マグと一緒に片付けるつもりだったのだろうと予測しながらイーサンは大きな共用冷蔵庫を開けた。
アルゴスはそんなイーサンを飽きもせず見つめていた。
くるりと巻かれた太い尾が揺れるさまがどこか愛らしく思えて、アルゴスは口元を緩めた。
やがてイーサンが持ち出したのは、夕食調理の際に出た微量の余り食材だった。
ラップに包まれた一つかみほどの小型きのこと、鶏肉の細切れ。
それからチューブのバターマーガリン。
「この鍋まだ洗ってないよな?使うぜ」
「んっ?構わないが、フライパンじゃないのか」
「洗い物増えるだろ。俺が調理器具に拘るように見えるか?」
食材をコンロ近くに置いてグローブを外し片手にまとめたイーサンが、フンと胸を張って振り返った。
その茶目っ気のある仕草に、アルゴスは息を吹くように小さく笑って首を振った。
「…いいや。目的の調理ができれば、なんだってよさそうだ」
「わかってるじゃねえか」
イーサンはまとめたグローブを安全帯に引っ掛けるように仕舞い込むと、コンロに向き直って不慣れに着火した。
アルゴスは静かに彼の素振りを見つめた。
バターマーガリンのチューブから適当な量を絞り出し、小型きのこと鶏肉をそのままポイポイとぶち込む。
むいたラップを捨てがてら、追加で必要なものを取りに行く。
適当な調味料とフォークを持ってコンロ前に戻ったイーサンは、香辛料を中心とした調味料を目分量に振り入れ、フォークを使って食材を炒め転がし始めた。
菜箸やへらなどといった調理ツールではなく、食器のフォークを使うところが何とも彼らしかった。
育ちの良い、もしくは料理人としての心得あるオペレーターなどが、もし、この様子を目の当たりにしたのなら、間違いなく『まず手を洗え』から始まり、段取り・手順・器具・服装等々余すところなく指摘が入っていることだろう――だからと言ってどうということはないが。
彼の手により火が止められる頃には、香ばしい匂いがアルゴスの元にも届いた。
完成らしい。
皿に移すことも座ることもなく、イーサンはおもむろに小鍋の中のものパクパクと口に入れ始めていた。
そういうところにもまた彼らしさを感じてアルゴスは破顔したまま、手元のマグに口をつけた。
まだ充分に温かった。
「ドクター」
「っん?」
予想外に呼ばれ、アルゴスは顔を上げた。
イーサンは手を止めてアルゴスを手招いていた。
疑問に思うでもなく、彼女は席を立ってイーサンの元まで近付いた。
彼が持ち上げたフォークには、ひとかけらの鶏肉ときのこが刺さっていた。
彼はそれにふうと数秒なますを吹いてから、彼女の方へと突き出した。
「そら」
「え」
「食えよ」