□ わかれる
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主人公
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「見ての通り、戈は引っ掛けたり切りつけるのに特化している。
遠心力のかからない突きはどちらかと言えば苦手だ。ゆえに……もし俺がショヴスリを渡されても、見よう見まねにしか扱えんだろうな」
「へー」
「随分と仲良さげじゃないか」
「仲良くなったんだな、随分と」
雑談してたら双子が帰ってきた。
一言二言交わして出迎えた。
「暖炉と長椅子や寝台がいくつか配置されていた部屋があったぞ」
「どうする?」
「おー、どうもこうも。
休憩室かな仮眠室かな。暖炉有難いよ、使いたい」
「古い薪ならあったが火が無いぞ」
「えー、……壊れたライターとか落ちてないですか?発火石のやつ。それとおがくずか綿埃でなんとか…」
「発火石…?ライターはライターじゃないのか?壊れたものを治せるのか?」
「おが…くず?」
「わたぼこり?」
ち、知識の偏りィッ!!
この子らみんな早い段階で退場したからなおのことだろうな!
カルマン早く返ってきて!
…いや、カルマンもどうだろうな…人の道具なんて興味持たなさそう。
とりあえずそのまま該当の部屋まで運んでもらうことに。
真っ暗で何も見えねぇ中、ヤーンの背に揺られた。
着いたはいいがどうやって降ろしたらいいんだと聞かれたりした。
震えと立ち眩みは大分ましになったが、引き続きヤーンに腕を借りつつ立ち上がった。
腕の血はすでに固まっている。
あー……袖の内側 大変なことになっているだろうなと思いつつ。
道中、ゲスタスが壊れたライターを見つけた。
幸運なことに、回せば火花が出た。
「おがくずを作ったぞ」
「薪を組んで埃と一緒に乗せればいいんだな?」
「そうそう」
「そこに火花を落とすのか?」
「仰る通り」
真っ暗でなにも見えないので双子に全部やってもらってる。
申し訳ねえ。
無知の思い付きなので全く確証の無い火起こし方法だし。
チッチと火花の光が暗闇にチカチカ光る。
しかしなかなか引火しない。
「点かない」
「点かないな」
「あー……やっぱり燃料吸わせないとだめかな」
「何にだ?」
「おがくずにオイルや薬品吸わせたものが着火剤としてよく売ってるんだよ」
「そうなのか」
「油を探してくるか?」
「うーん……じゃあ、お願いします」
ディスマスの申し出を受けたところで、
「その必要はない」
背後からカルマンの声が唐突に沸いた。
びびるから。
「どういうことだ?」
「ライターと蝋燭が手に入った。」
「本当かギー。助かったぞ」
ギーの声も増えて、
三人は当然のように対応してるし。
気付いてたなら言って欲しい。
あれよあれよと交わされる会話を聞いているうちに、
暖炉にはすっかり大きな火が灯った。
「これでいいはすだ。……どうだ?」
ギーが、真っ白な髪を輝かせながら覗き込んで来た。
紙袋を抱え、閉じたジッポライターを片手に。
「暖も光も、助かりました。
ありがとうございます。ギー、カルマン」
「なら、よかった」
「勘違いするなよ。お前を生かさなきゃ俺達が困るんだ」
「存じてますとも」
「ふん……」
カルマンつんでれだよ、好き。
これのソーンでて窓開けられて光を怖がってたときのあの様子は……あーだめだ、無い股間に来る。
真っ暗な闇が少しだけ晴れて、周りが見えるようになったのが非常にありがたい。
まだ寒いが、薪を絶やさなければ室温も上がるだろう。
見渡せば、暖炉前の机や椅子と、沢山の二段ベッド。
仮眠室だここ。朽ちていて汚いが。
とりあえずヤーンの腕を解放して暖炉前にしゃがんだ。
あったか。
「火に負けたね、ヤーン」
「……黙れ」
後ろでなんか聞こえてきたけど。