70 やってきた騎士を送り出す
名前変換5
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兎にも角。
十中八九私を求めて現れたイレギュラーくん。
「どうしてまたまたこちらに?」
と聞けば
「あなたにお会いするために…!」
とお言いなさる。
ふーんとベンチをすり抜けて隣に座るような体制になってみる。
幻騎士は立ち上がった。
繋がったままの私の手を両手で握ろうとしてきて、しかしすり抜けた。
感嘆と共に、彼から触ることはできないようになっていることに気が付けば、素振りだけで私の手を恭しく包んだ。
精悍な顔つきでゆっくりと跪き、やがて幻騎士はこうべを垂れた。
「私には、カルミア様だけだったのです」
幻騎士にも未来の記憶は配分されているようで、自分が死に絶えたことも理解していたようだ。
「それは、君の死に基づいて?」
「はい」
拠っていた信仰の先に救いはなかったことも。
「桔梗の独断とは考えなかったの?それに私だって君を救えなかった」
「記憶が入ってすぐに、私は白蘭様を探しました。そして、辿り着くことが出来ました」
「凄いね。そんなに日は経っていないのに」
「聞きつけたというCEDEFの方から接触してきたのです。そして……」
幻騎士は目を逸らし俯くような視線運びをした。
つまり、
「会って話して絶望を得たと」
幻騎士は悲しい肯定の意を持った無言を返してきた。
「なるほど」
白蘭も完全に飽きたということだ。
うまいこと言ってまたこの男を利用することもできるだろうに、そうしなかったということは。
意味もなく視線を泳がせていれば幻騎士は再び口を開いた。
「それから……私はあなたの一部となったことも」
「おっと???」
おっとっと???
白蘭ばらしやがったの?
そしてそれを知りながらも私を信仰するというのかこいつは
「――そう、カルミア様の中に、私は還ったのだと……カルミア様は愚かな私を哀れみ、とりこんで、一体となってくださった……!」
なんか言ってるけども。それでええんかお前は。
「とりあえず今のあなたは白蘭への信仰を断ち切ったという認識で構わないです?」
「その通りです。彼は……私を救い、消費し、打ち捨てた。どうして気付けなかったのか、彼は私の命を弄んで嘲笑っていただけだった。
私にはカルミア様だけだったのです」
「ならカルミアと呼ぶのはおしまいにしようか。それは白蘭に貰った名だからね」
「では、何とお呼びすれば……?」
「私の名前は久几。どう呼ぶかは任せるけれど」
「その名は……悪魔の……。薄紅のベルゼブブのものです」
「なんて?」
「未来のあなたがまとっていた通り名です。食らい尽くすもの……ピンクスピリット……隠語としてはそのように呼ばれてもいます」
「ええ…なにちょっと思った以上に仰々しいんだけど…ファイアーグールみたいなクソダサザコ通り名だと思ってたのに……」
「そういう名の殺し屋は別に居ました」
「まさかの名前被り」
「……被っておりませんが」
「ははは。まあいい、それなら私の事は、そうだね、わかった。これからは旦那様とお呼びよ」
「……だ……旦那様、ですか?……その、失礼ですが……?」
なんで?って上目遣いにお伺いたててきたんだけど、まあ私女だしなんで?ともなるか。
しかしだ。
「モンハンで培った名誉の性癖だよ悪いか」
「はい?せ、性癖?」
「そんな風に呼ばれると嬉しいんだけど、ダメかい?」
「い、いえ、そういうわけでは……」
「ありがとう。よろしくね」
「その……はい」
困惑混じりに幻騎士は頷いた。
散々持ち上げて見せた目上の人がお礼を言った返事が『とんでもない』ではなく『はい』なのか。
多分君のそういうところだぞ。