67 生霊となって帰ってまいりました
名前変換5
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逃げろ!
なんて言われても。
この世界がそもそもの逃げ場所だし、この世界でこの私ならどこにも逃げる必要なんてない。
全て甘んじて好きになれる自信がある。
―――いや、逃げろなんて生まれてこのかた言われたこと無いのだけれどね。冗談以外で。
つまり所謂至極滑稽な脳内趣味レーションをしているだけ。
脳内シミュレーションと趣味とレーションをかけました。
想像と思考が私の趣味でもあり脳の食物なのだと思って…え?解説しつこい?
「逃げちゃえば」
「あっ…あれっ? エ…エンマ君!?」
木の葉に紛れて二人の少年を見降ろしている。
とりあえずまだ物語は続いているわけだし、並盛にやってきたのだけど。
もーうシモン編真っ只中ですよ。
ヴェルデ?ヴァリアー?もちろん会いに行ったけど、私を認識してくれなかったのであきらめた。
ヴァリアーも私所有関係カウントされてたのが意外でござったな。
ペスカトーレ食いたくなってきたな…?
なんちって。
ペスカファミリーの殺し屋がツナに襲い掛かるも、簡単に返り討ち。
ぶちのめされて伸びている殺し屋は…放置するのか、勿体無い。
勿体無いとか言う化け物思考も板についてきたな私!
それにあれは見せしめのために放置されているのだし。
ふわりと体制を変える。
襲撃者の手により粉砕された祠に少しの苛立ちを覚える。
日本人ならそんなものだろうが。
エンマに懐いたナッツがすり寄っている。
ふむ実に愛らしい。
さーて。
コンタクトとるか否か。どうしたもんか。
「おい」
バキュン、か。
「ンフッww」
反射で笑っちまうわ。
弾丸がドタマを通過するもんだから。
「…!」
「リボーン?!急にどうしたんだよ?」
「誰だ。隠れてねえで姿を現せ」
ゆらりと舞い降りようか。
半透明なこの姿をどうぞ目に入れるがいい。
「火下咲ちゃん!?」
「…火下咲…?」
「!?」
「やあどうも」
予想通り刮目してくれて感激。
「と、君は初めましてだね」
「! ……、」
漏れず刮目していた彼に笑顔を向ければ予想通り目を逸らされた。
フム。
実に綺麗な暖色に、可愛らしい顔立ち。
ボロボロで、怪我だらけ。透き通るような瞳は憂いている。
「私は火下咲久几。ツナの友達だよ。よろしくね」
「……古里、炎真」
小さな声を聞き取るぐらい余裕すぎるわ。
そして、もう私に対する動揺は無いのか。
流石、諦観と存命の確信とを合わせ持つ者は慣れるのが早い。
「素敵な名前だね!仲良くしてね」
「……。よろしく」
慣れを隠すように、瞳は伏せられたまま。
否定を持たせた沈黙と、本意ではない小声の返答が私の鼓膜を揺らした。
「フフッ…」
拒絶に対するストレスへの反射か、喉から笑いが沸いた。
そんな私の笑い声にツナは我を取り戻したらしい、ようやく硬直から持ち直していた。
「ちょっ、ちょっと!ちょっと待って…ほんとに火下咲ちゃん…? どーして透けてんのー!?」
「色々あってね」
「色々お?!」
「来い、火下咲」
「ん?」
「お前等は先に帰ってろ。オレは火下咲と話がある」
「え、おいリボーン?!」
相変わらず急だな。
私はツナ達に手を軽く振って、リボーンの後を追った。