65 凱旋の時間。3pから三人称視点
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「待ってってば、ヴァニタくん!」
「こっちか!?」
ガサッと。
息を切らせてきたのはボロい並盛組だった。
「おや」
と手を降れば目があった。
「あ…火下咲ちゃん…!
って何その格好ーー!?!」
「て、てめー!なんか着ろ!!」
「着てるけど」
「うるせー!下も着ろ!!」
「着てるけど」
「ちったあ恥じらえブス!!」
ツナと獄寺さっきの山本と同じくらい赤くなるやん。
「いやすげえすげえ、いちいち反応してくれるやん」
「いや黄昏ちゃん当たり前だからね?」
「そう?」
肩にかけられたスーツを落とさないようにすしざんまいしてみる。
ぼろ布のように汚れた服。
チーズのように穴ぼこだらけな袖がヒラリと揺れた。
胴体もなかなか貫かれたから大きな穴が繋がった大穴あいてたりズボンは片足ちぎれ落ちて片脚丸々出てたり。
二次元補正か、見えるべきでないとこは鉄壁であるから。
そんなことをしていれば非戦闘員も来た。
「ツナくん!あ、久几ちゃん!」
「やっと追い付きました…はひ?!なにがあったんですか久几ちゃん!?」
「まあ、ボロボロじゃない」
「ぬおっ!?き、極限に破廉恥だッ!!」
「今度は痴女になったのか火下咲」
京子にハルにビアンキに了平にリボーンと
「あーー!!久几だもんね!!だっこ!」
いやだ。
嫌だと言っても態度で示すのもなんだかなぁ、と思い、向かってくるランボに向けて手を広げた。
が。
「はーい駄目だよー。俺が抱っこしてあげる」
「むぐ!…はーなーせー!」
「だーめ。黄昏ちゃんボロボロなんだよ?すけべさん」
ヴァニタが間に入ってランボを抱き上げてくれた。
「そ、そうだぞランボ!
火下咲ちゃんから教わっただろ!傷ついた人は労わるものだって!」
いや別に私傷付いてないんですけど。
ツナまで助け船入れてきた。
それに続いて非戦闘員組からも続々と助け船の艦隊がやってきた。
色々あってランボはヴァニタからハルの腕へと収まったのだった。
そう、まるで日常。
リング戦直後といい、あまりにも普通に接してくるのだ。
彼らは。
全く以て、頭がおかしい。
私は声を殺して笑った。
頭がおかしいと言えば
背後の木に寄りかかる、この雲雀恭弥と言う人間だ。
振り返れば、変わらず熱い視線を寄越してくれる。
元々笑っていたのを仕切り直して、彼に向けて微笑んでみた。
そうすると彼は、耳を赤くして目を逸らす。
ああ、おかしい。
はやくその頭の異常を治して差し上げたい。