53 媚びる虫女
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「それじゃあ僕は行くよ。いい子にしていてね」
「……やだ、一緒に行きたい」
「ごめんねカルミア。これからの仕事が終わったらすぐに迎えに来るからね」
「いつだって一緒に居たいです。私はあなたのカルミアです」
「ごめんね。すぐ迎えに来るよ」
わざとらしいほどの好意を向ければ、好感触。
中身の薄い茶番だ。
私と魅々子のやり取りに似ている気もするが。
「愛してるよ。カルミア」
「いつ何時であろうとお慕いしております、マイハート」
白蘭の呼んだ私は白蘭の中の私であって私ではない。
カルミアという偶像。
しかし白蘭はこれを戯れではなくリアルにしたいみたいだ。
形から入って、好意を癖にさせて、そこから心を蝕んでいくつもりかしらね。
白色を見送る
その姿が見えなくなると。
さも面白くなさそうな桔梗とブルーベルが敬礼をやめた。
「ニヒッ……どうぞよろしくっ」
「ええ。よろしくお願い致します」
「……むぷん!ーだ!」
身体を斜めに、あざとく振り返れば天使が二人。
桔梗の社交辞令は健気で可愛いしブルーベルなんだお前可愛いわ殺す気か。
「本日は何をなさいますか?カルミア」
誤解したくなるほど丁寧で紳士的な桔梗の外面に惚れた女の数が知りたくなるわ。
「ちょっと桔梗!引き継ぐのは私なんだから面倒増やそうとしないでよ~~。
何もしない。はい決定~!」
正直な子最高に好きや。
心中察すのに必死にならなくていいから。
「……よろしいですか?カルミア」
「はいそれはもう。桔梗様は引き継ぎのお時間なんですね。」
「はい」
「今日も長丁場お疲れさまでした」
「お心遣い丁重に差し戻しいたします」
「フゥ。痺れる憧れる」
失礼な口を叩きよる。
「さて、では私はこれからブルーベル様の傍らにいればよろしいってことですよね」
「そーよ。」
「問題ないようですね。ではくれぐれも、カルミアをよろしくお願いします。ブルーベル」
一礼して退室する桔梗を見送る。
自動扉が閉まったところで、ブルーベルに目を向ければ、視線がかち合った。
彼女の方は最初から私の方を見ていた。
「あなた。桔梗が好きなのね」
「ブルーベル様のことも好きですよ」
「びゃくらんより」
「それは許されてません」
「ならあなたは裏切り者ね~。
言わないわよ。……嫌いって言ってたけど、桔梗もあなたのこと気に入ってたし。
あれは……あなたがいない場所で、困ったときや美しいものを見たとき、あなたのことを考えるわ」
「根拠がありません。それとも桔梗の心、読めるんですか?」
「甘えてたじゃない。私やびゃくらんよりも親(ちかし)く思われてた証拠。
見ればわかるわ。びゃくらんだけじゃない、桔梗に何をしたのよ」
「何も。」
「……気持ち悪いのよ、あなた」
「ええ。そうですが?」
「男も女も感じない。」
「性ホルモン放出してませんから。」
「見られているのに意識を向けられてる感じがしない。
視線はあるのになにもない……絵みたいなのよ。」
「つまり絵画の絵に恋してるってことですか。あの白い人は」
「あなたもでしょ?私たちをそんな風に見てる」
「そうでしょうか」
「……なめないで。ブルーベル、嘘つきは嫌いなの」
「いいじゃないですか嘘つき。夢を見せてくれますよ」
「そんな人、そうそう居ないわ」
「ヤダ!そしたら私はブルーベル様にとってのト☆ク☆ベ☆ツ☆!?
ヒャーッ」
「うっざ」
天使がかわいい