52 蝿
名前変換3
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不信かつ心配げな表情が視界の端に写る。
彼の顔が視界に入ったのは一瞬だったが。
二の腕だか横腹だかを掴み、咄嗟に前へ出された腕を喰らう。
「ぼばッ!?あっ!痛い、」
千切るさいに力を込めればデイジーはいとも簡単につき飛ばされた。
袖ごと食いちぎった彼の腕の肉を噛み締めるべく、邪魔な布を引っ張り捨てる。
すると舌を刺すようにしみる、なおも活性しうねる肌と血。
吐き出したいのに身体はこの肉片を飲み込めというから従った。
しかしあまりの不味さに我にかえった。
いいや、違う。
味を認識できるほどに謎の求心が落ち着いたのだ。
うるさい音が遠い。息の音のほうが大きい、
脳髄をかき回していた欲求が消えた、満たされたのか。この身体がどう納得したのかはわからないが。
自分のやってしまったことに鳥肌がたった。
私がデイジーを傷付けるなんて、考えたこともなかった。
身体が納得しようが、心がついていかないぞ。
仮説を立てるとしたら、不死者に敏感になっているのだろうかとかしか。
これが正解ならもしスカルと会ったときどうなるのだろうとか。
あとで考えよう。
呼吸を整え。
視界を開いてデイジーを探した。
灯した炎は動揺により消えて、真っ暗な部屋から逆光の立ち姿。
すぐ目の前で立ち上がっている。
食いちぎったはずの腕は、全く無傷で、袖だけが食い破られたままだった。
静かに私の様子をうかがっている。
気弱そうな立ち姿と目つきとは裏腹に、獲物を睨みつける爬虫類めいた眼光。
静かで、肌に杭を打つような、鈍く、細く、深い、威圧感がじっとりと突き立てられた心地。
ピクリとでも動けばその瞬間既に絶命していたなんてヴィジョンが明確に浮かび上がってしまうほどに。
いや、動かずとも、今にも鋭く素早い一撃がやってきそうだが。
「ごめんなさい」
しかし、言い訳しないわけには進みそうにない。
第一印象最悪だけど何とか立て直したいんじゃい。デイジーにまで嫌われるとかやだわ。
ザクロが私と仲良くしてくれるはずないしトリカブトには絶対怠惰な者よとか言われそうだし。
こんなところで好感度マイナスコンプしたくない。
いや別にいいけどさ