51 カルミア
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ただ白蘭の傍らに立つだけで生きれる簡単なお仕事。
荷物持ちくらいしかすることもなく。
しかし美味をいくつも勧められるのは堪えるからやめてほしい。
人前でガスマスク取れないの知ってるくせに。
「んね。カルミア」
「……おっしゃる通りでございます」
それから、名前を賜った。
カルミア・ラティフォリア。ツツジ科。
キキョウ科、ザクロ科、ユリ科、キク科、キンポウゲ科、ラン科の誰とも被ってないんだよって白蘭ははしゃいでつけてくれた。
それから蘭の花言葉とよく似ているよとも。
知らんがな。
とは言わなかったが。
さて、ボンゴレとのオマツリはもう始まっている。
日本支部での戦い。ヴァニタが居る。
でも、しかし、bad、まったく何やってるんだろうね。
黎明の炎を纏って、姿と気配消してファミリーと一定の距離…遠方からこっそりついていくだけ。カメラにもセンサーにも写らないしよく隠れているが、彼の影だけは、各所でちょいちょい隠しきれず視認できてしまっているよ。
はー。ヴァニタ君たらまーだ決着ついてないのかしら。
まさに入り組んだ基地での先駆け…偵察役にぴったりな炎を持つ君なのに。ここで活躍できなきゃ君の出番…チョイスで選ばれない限りもうないんじゃないの。
あとイタリアの主力戦も。端末カメラを通して見えている。
ラジエルの形見がほしいと白蘭に言ったが、私の手に渡ることをラジエルが拒否した。拒否すると分かってて確認とるとか、拒否の却下もできるのにしないとか。
独占欲というより嫉妬深いのか、白蘭。
好きな人のことを好きなのは自分だけで良いというタイプなのだろうかね。のめり込むほど好きというわけでもない癖に。
ラジエルとあのあと対面はしたが、マネキンな私であるので私と気が付くことはなかった。
もっと交流がしたいし、言葉を交わして、触って、私だけに向ける反応をもっともっともっと味わいたい。
が、それにしてはあまりにも時間が足りない。諦める。
悔やんでも結局笑って諦められる程度の好意しか持ったことない気がするな。
でも、まあ、そんなものなんだろう。執着は見苦しい。顔すら美しくないのならばなおのこと。
なんて、ああ、腹が減った。
慣れているからか心地よさすら感じる。
はーあ。ラジエルが砕けて死んだ。
なんかベルにもXANXUSにも私のこと自慢してたけど、フーンみたいな感じで見事に空まわってて面白すぎた。けど絶対怒ってるだろうなー次会ったらシメられるのかなー何だ可愛いなうける。
ってあ、泣いて叫ぶタイミング逃しちゃった。
うおおん愛してたよラジエルー!石化からの死だから痛みはなかったのだろうねー!
それから何度か会っていたあのうやうやしい白い人ーー!アーロに喰い殺されたから君も痛みはなかったのだろうねー!
それにしても白蘭は私の存在を好きというが、見た目がピンとこないなら長続きには向かない好意だ。
それにあの鼓動の高鳴り方は気持ち悪い。雲雀にも言ったが、そういう恋はいらない。
たとえば、もし、愛されるならば、愛を向けるならば。
飼い猫を慈しむような穏やかな感情がいい。
こんな願望、顔が美しいわけでもないのに贅沢なのは自分がよく分かっている。
妥協にならない存在。
視界に届く範囲で、それが私しか居なかっただけ。
どうせ、私と同じ力を持つ可愛い少女が居たならそちらを選ぶに決まっているのだから。
すねてないですよ。心からそう思っているだけ。
考える時間は留まることを知らない。
立ちっぱなしの足腰はちっとも疲れない。
ただ佇んでいるだけの時間が長い、たまに話を振られても適当に相槌すれば白蘭は満足げに視線を逸らして業務を再開する。
役職はいらない。ただ誰にでもできる同じことを繰り返す仕事をふられて、こなして。
そんなふうに生きたくて、そんなふうに生きれなかった三次元。
今は。
この世界での私は、仕事なんてしなくても生きていけるから素晴らしいね。
だから。
この世界に居られる確固たる保証があるから、白蘭の傍に立つ。
少なくとも今は。
これから先、白蘭を殺す予定のツナ。
もし、魅々子を守るミッションがその時になっても継続し続けるのならば、私は殺そう。
確実に、迷いなく殺すだろう。
ツナを。その邪魔をする何人たりともを。
「カルミア」
お腹が空いたな。
ヴァリアーで摂った食事がぼちぼち腸を通過している頃合いだろうから、近々トイレにも行きたくなるだろう。
そしたら、私の性能が人間レベルまで落ちる。
ラストバトル前に人を食っておかなければ。
「カルミア」
ああさっきからカルミアって何のことだっ…あ。
えっあっ、白蘭席を立ったの気付かなかったごめんごめん振り返って声かけてくれてありがとうねカルミア今行くよ。