50 ミルフィオーレ
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骸との戯れを終え。
目が覚めても全く寝た気がしなかったんでもいっぺん寝ましたところでおはようござんますでござんす。
あたりは真っ暗
何一つ状況は変わっていません。
と思って炎を再び灯したところで。
突然室内放送。
「ご起床でよろしいですね、久几様
今すぐ向かいます。お待ちを。」
「は…。い。」
びっくらこいた。
スピーカーから流れてきた声は。
これは、聞き覚えがあるが、どうして彼なのか。驚きで微睡む時間が吹っ飛んだわ。
というかなに。見張ってたの?起きるまで待ってた系なの?
身を起こし、部屋に炎を灯し、服を正してガスマスクを装着。
耳を澄まして待っていれば足音が一つ。
移動スピードの緩急から歩幅を特定、音の重さから歩く姿勢に大まかな骨格。
背筋の伸びた成人男性の音。
部屋の前で端末を操作している音がする。
そして軽快な開錠音。
金属が重く擦れる音を立てて、扉が開いた。
壁に阻まれて上手く聞こえなかった男性の音がクリアに聞こえてきた。
人じゃない。
魅々子によく似た音。
彼は私を視認すると、その場で片膝をついてこうべを垂れた。
「おはようございます。
…お加減はいかがですか?セントマジェスティ」
「ブゴォッフ!ゲホッ」
「マジェスティ!」
なんてこと言うんだこの人。そんなんむせるわ
壁に灯した炎も揺らぐわ。
「…マじぇっ……、はい!?」
心配げにこちらを見上げる美丈夫お前のが心配になるわ逆に。
「いかがなさいましたか?セントマジェスティ」
「何ですかそれ」
「なに…とは。
…?申し訳ございません」
「……その、『聖女陛下』。」
「?」
「何の冗談ですか」
「久几様に相応しい称号かと存じますが」
「どうしてそうなった」
勘弁してくれ
「あなたは白蘭様の悲願をかなえる可能性のある者であると同時に、白蘭様より特別な寵愛を受けている。
白蘭様が神となったあかつきには久几様こそが、神の花嫁という名目のもとその世の王に任命されるため、でございます。」
「神の花嫁とかドラゴンエイジかよ。それどこ情報?」
「白蘭様がそうおっしゃいました」
「………。
他の名でお願いします」
「他の…」
「アイテムと呼んでください」
「それは、白蘭様と直接交渉ください」
「……ならばせめてセイントもマジェスティもやめてください。」
「しかしあなたにはその気になっていただかねばいけません」
「ならば段階を踏ませてください。わたしはつい昨日まで、靴跡まみれの床に座る低能なジェスターだった
担ぎ上げたいのならまずは人扱いを。
字も読めぬ猿にいきなり聖書の教えを説くようなものですよ」
「そうでしょうか」
「ええ。それに聖女は、成した後に祀り上げられるものでは。成す前から称えられる聖者ははたして聖なるものと言えるであろうか。
私の考えではNOだ。成す前の聖女はただの酔狂な小娘と扱われるべきでは?
というかマジでやめてください棘付きバラの花束でひっぱたきますよ」
「そこまでおっしゃるのなら。」
「ありがとうございます」
「改めまして、久几様。」
「はい」
「知っている…とお聞きしましたが、私のこともご存じでいらっしゃるのでしょうか?」
「桔梗。…真六弔花のリーダー、雲のマーレホルダー。」
「ご名答。
私は桔梗。おっしゃる通り、真六弔花をまとめております」
「そして我がウェヌス」
「はい?」
「お美しい…お会いしたかった…」
「…はい?」
「まさかあなたが来てくれるなんて…まってさっきから動悸がすごい…」
「誰かとお間違えでは?」
「悪運尽きるのがもっとも遅れたために最も悲劇的な…だからこそ美しい…あぁ…待って苦しい」
「はい?」
耳を疑う桔梗可愛すぎか。
「冗談です」
「……初対面で戯れが過ぎます」
「ごめんなさい」
「はい。
さて、身支度はお済みのようですね。
それでは久几様、お食事の時間です」
「どっちの」
「どっち……ああ、人間ではない方です」
「ふ、普通の食事……」
「ハハンッ
成る程、人の食物を食べなれていないのですね」
「ペットでしたので」
「それではついてきてください」
立ち上がる桔梗への返答代わりに、私も寝台から腰を上げた。