12 味方以外は敵。中立は双方の敵
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帽子を深く被り、上の階を目指す。
高く跳んで、壊された階段の手すりを掴み、そこから登る。
むこうの通路からは爆発音が聞こえる。
ああ、やってるなあ。
しかし構わず目的地をまっすぐ目指す。
壊れた階段に飛び乗ってショートカットすれば、並盛組より先に着いてしまった。
「おや、どうかしたのですか」
「いいや、別に」
「そうですか」
骸の座るソファを通り過ぎ、その後ろに隠れるようにして、舞台の上に寝転ぶ。
理由なんてない。
ただ、この私に、私のものではない過去と感情があるように、私自身にもそういうのがある。
寝転んで触れて、改めて自覚する。
ああ、やっぱり私、今でもちゃんと舞台の上が好きだ。
演劇部をやっていた。
私自身の過去と感情。
私は、舞台が好きだ。
それは変わっていなかった。
私は私で、何も変わってなんかいない。
舞台の上では、すべてが定められた道筋通りに進む。
何が起こるか全てを知っている。
作られた世界のなにもかもを知っている安心感、定められていた道筋通りことが進む心地よさ、あえて翻弄されているかのように動く優越感。
まるでこの世界そのものが舞台の上だ。
いつまでも続けばいいのに、と、公演の度に毎回思っていた。
なんて感傷に浸っていれば、骸の三叉槍が飛んできたからそれをキャッチして投げ返す。
「本当に、よい反応をしますね。これでもスキをついてるつもりなんですが」
「どうも」
私のものではないこの身体は本当に健康で便利だけれども。
そんなことを考えていると、扉の向こうからやってくる無数の気配。
「…来ましたね。
それでは見ててください、僕らの幸運」
「どうぞ頑張って」
ツナの手によって、ゆっくりと、扉が開けられた。
骸が、すうっと息を吸った。
「また会えて嬉しいですよ」