いつか、この手の中に
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『銀さんは、どんな人が好きなの?』
「…は?」
よく行く団子屋で二人並んで団子を食べているとき。
隣にいる彩が唐突にそんなことを聞いてきた。
思わず顔を彼女の方に向けたが、彼女は平然と前を向いて団子を頬張っている。
「なんの話だよ」
『も~わかるでしょ?好きな女性のタイプよ!』
念のため確認すると彩はこちらを向いて屈託のない笑顔を向けてきた。
彼女の背景には咲き始めの梅の花が彼女の笑顔を彩っている。
その姿に見惚れてしまうほどには、俺はお前に懸想しているというのに。
コイツはというとそんな俺の気も知らずに無邪気に首をかしげている。
『銀さん、聞いてる?』
追及してくる彩に動揺を隠すようにぶっきらぼうに返してしまう。
「なんだよ唐突に」
『この間、新八くん言ってたの。「銀さんは爛れた恋愛しかしてなさそう」って』
「はぁー?なんだそれ」
彩は、ふふふとおかしそうに笑う。
『それで、銀さんと出会ってしばらく経つけど、そういえばそういう話したことないなってふと思って』
「あー?そうだっけ?」
『銀さんあんまり自分のことも話してくれないし。ちょっと、聞いてみようかなって』
長いまつ毛を見せつけるように視線を下に落としながら彩はポツポツと話す。少し寂しげに見えたのは気のせいだろうか。
「んだよ、別に俺のこと話したってしゃーねーだろ。おもしれェ話なんざ持ってねェし」
『そんなのは期待してないけど…』
「え?なに?そんなに俺のこと気になる?気になっちゃうタイプ?」
『爛れた恋愛って言われたら気になるなって』
「え、そこ?」
彩は俺の反応にアハハッと笑った。
何がおかしいのかはわからないが、そんな恋愛をした自覚はないので(記憶の限りでは)、「そんなもんしてねえから」と否定をしておいた。
『なーんだ、してないのか』
「なんで残念そうなんだよ」
『女子会のネタに出来るとおもったのに』
「オイとんでもないよこの娘。人のプライバシーを本人の居ないところで吹聴するつもりだよ」
俺がわざとらしく怯える仕草をすると、彩はまた笑って『冗談よ』とこの濡れ衣劇場に幕を下ろした。
はーよかった。
『…でもちょっと意外。結野アナって即答するかなっておもったけど』
密かに胸を撫で下ろしたのも束の間、また無自覚に首をかしげて俺を覗き込む彩。
どうやら当初の話題に戻したみたいだった。
俺がそこに反応をするより前に彩はキラリと目を光らせた。
『もしかして、好い人…いたりする?』
心臓が、ドクンと鳴った。
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