一緒にいる理由
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さらに一週間後。
帰宅して部屋の扉をガラリと開けると青葉の姿。
『おかえりなさい、銀さん』
「…おう、来てたのか」
あの日以来会っていなかったので、少し気まずくなり軽く目をそらす。
そんな銀時の心中を知ってか知らずか青葉は『うん』とにこりと微笑んだ。
なんだか久し振りに見た気がする青葉の笑顔を見て、先程の気まずさは飛んでいき一気に肩の力が抜ける銀時。
(あー、会いたかったな)
だがそんな台詞は今の自分には言えそうになくて静かに飲み込んだ。
『今日仕事って聞いたから、ご飯作っておいたの』
「マジで?サンキュ」
『いま温めるから、手洗いうがいしてきて』
2人が交際を始めてまだ半年も経っていないが、まるで長年連れ添ったパートナーのごとく当たり前のようにそこにいる彼女。
それだけ彼女の存在が自分の心を占めていることに今さら気付いた。
心地好い幸せを噛み締めながら洗面所に向かう。
手を洗って戻るとキチンと並べられた食事。
ジーンと胸のあたりがあたたかくなるのを感じた。
(仕事終わりに彼女がご飯作って待ってくれてるって…なんだこれ…普通の家庭じゃん…やべ、泣きそ)
『はい、お疲れ様』
そして座った銀時の肩を優しく揉み始めた青葉。
「え…何これ何このご褒美。銀さんチョー幸せかも」
『ふふ、それはなにより』
さらにマッサージまでしてくれる彼女に銀時は心がほどけていくのを感じる。
ちょっと手でも握ってみようかな。
そんな風に考えたとき、ふと青葉が銀時の肩から手を離した。
『はい終わり。じゃ、私、帰るから』
「あり?泊まってかねェのか?」
『うん、私も明日仕事だから。帰るわね』
なんだか良い感じになったところを唐突に現実に引き戻され戸惑う。
青葉はというと平然と帰る支度をしているので銀時は反射的に椅子から立ち上がる。
「送ってく」
『せっかくあたためたんだからごはん食べてよ』
「でもお前、外、もう暗ェぞ」
『大丈夫よ。大人なんだから。…それより』
上着を着た青葉が近づいてきて銀時を椅子に座らせ直す。
そしてそのまま後ろから銀時を抱き締めた。
『大好き』
「!?!」
『あは、照れてる。じゃーね』
パタパタと家を出る青葉。その後ろ姿はどこか楽しげで「ルンルン♪」とでも聞こえてきそうであった。
「…、なんだあいついきなり」
不意打ちの愛情表現を食らい、彼女の出ていった扉をボケーっと見つめる。
全身の熱が顔に集まっているのを自分でも感じて思わず頬をかいた。
(明日からもバイト、気張ってみっか)
「やっぱりもったいないアルナー」
「うお!?!」
殊勝な決意をした次の瞬間、唐突に声がして飛び上がる。
振り返ると居候の少女が眠そうに立っていた。
「なんだよ、神楽か。起きてたのかよ」
神楽「厠に起きただけアル」
寝ぼけ眼を擦って水をコップにつぎながら神楽は言葉を続ける。
どこまで見られていたのかと少し焦るが、大した問題ではなかった。
銀時は貴重なご飯に箸をつけ始めた。
神楽「青葉は銀ちゃんにはもったいないくらいの良い女アルナ」
「あー?んなもんわーってるよ」
神楽「青葉のために働け働け」
水をゴクリと飲み干した神楽は、なぜかふんぞり返りながら銀時にそう言い放った。
その顔がニヤついていたので銀時はピクリと眉を動かす。
「……オメーなんか知ってんだろ」
神楽「さーね」
「お願い酢昆布あげるから」
仕事帰りにお土産に買ってきていた酢昆布を懐からちらつかせると、神楽はひどく葛藤した。
神楽「うーん。これ言ったら銀ちゃんが働かなくなるしなぁー」
「明日も酢昆布買ってくっから。しかも1ダース」
神楽「……ほんと?」
「おう」
神楽「………明日からも働くってことアルな?」
「あたぼーよ」
今度は銀時がふんぞり返り、先程したばかりの決意を神楽に宣言する。
神楽はまだ少し不審がりながらも話し始めた。
「この間女子会したときに青葉言ってたアル」
あの日、銀時が家を出てからの会話の続きを神楽は語る。
ーーー『安定した生活のためなら、土方さんね。でもね、わたし、残念ながら…銀さんと、苦労したいみたい。
生活の安定とかじゃなくて、ただ、一緒にいたいだけなの。甘いかもしれないけれど。
銀さんとなら、苦労してもいいかなって。
苦労してでもこの人の隣に居たいっておもうのは、銀さんなの。
一緒に同じものに笑って、泣いて、ときには怒ったりして…ずっと隣にいたいっておもうのは、銀さんだけなの』
神楽「だとヨ」
「…………」
神楽「もったいないアルナーほんと」
「青葉ちゅわあぁあんーー!!」
感極まった銀時は家を飛び出し彼女を追いかけていた。
愛の雄叫びが、夜のかぶき町に響き渡った。
そのあと、帰ったはずの青葉が銀時に抱き抱えられて戻ってきたお話は、また今度。
ーーそれからしばらくの間、銀時が少しでもサボると、神楽たちの手により万事屋に青葉が召喚されたという。
そのたびに『土方さんとデートしてこようかな』などの痛烈呪文を浴びせられる銀時は馬車馬のように働く日々が続いたそうな。
おしまい。
帰宅して部屋の扉をガラリと開けると青葉の姿。
『おかえりなさい、銀さん』
「…おう、来てたのか」
あの日以来会っていなかったので、少し気まずくなり軽く目をそらす。
そんな銀時の心中を知ってか知らずか青葉は『うん』とにこりと微笑んだ。
なんだか久し振りに見た気がする青葉の笑顔を見て、先程の気まずさは飛んでいき一気に肩の力が抜ける銀時。
(あー、会いたかったな)
だがそんな台詞は今の自分には言えそうになくて静かに飲み込んだ。
『今日仕事って聞いたから、ご飯作っておいたの』
「マジで?サンキュ」
『いま温めるから、手洗いうがいしてきて』
2人が交際を始めてまだ半年も経っていないが、まるで長年連れ添ったパートナーのごとく当たり前のようにそこにいる彼女。
それだけ彼女の存在が自分の心を占めていることに今さら気付いた。
心地好い幸せを噛み締めながら洗面所に向かう。
手を洗って戻るとキチンと並べられた食事。
ジーンと胸のあたりがあたたかくなるのを感じた。
(仕事終わりに彼女がご飯作って待ってくれてるって…なんだこれ…普通の家庭じゃん…やべ、泣きそ)
『はい、お疲れ様』
そして座った銀時の肩を優しく揉み始めた青葉。
「え…何これ何このご褒美。銀さんチョー幸せかも」
『ふふ、それはなにより』
さらにマッサージまでしてくれる彼女に銀時は心がほどけていくのを感じる。
ちょっと手でも握ってみようかな。
そんな風に考えたとき、ふと青葉が銀時の肩から手を離した。
『はい終わり。じゃ、私、帰るから』
「あり?泊まってかねェのか?」
『うん、私も明日仕事だから。帰るわね』
なんだか良い感じになったところを唐突に現実に引き戻され戸惑う。
青葉はというと平然と帰る支度をしているので銀時は反射的に椅子から立ち上がる。
「送ってく」
『せっかくあたためたんだからごはん食べてよ』
「でもお前、外、もう暗ェぞ」
『大丈夫よ。大人なんだから。…それより』
上着を着た青葉が近づいてきて銀時を椅子に座らせ直す。
そしてそのまま後ろから銀時を抱き締めた。
『大好き』
「!?!」
『あは、照れてる。じゃーね』
パタパタと家を出る青葉。その後ろ姿はどこか楽しげで「ルンルン♪」とでも聞こえてきそうであった。
「…、なんだあいついきなり」
不意打ちの愛情表現を食らい、彼女の出ていった扉をボケーっと見つめる。
全身の熱が顔に集まっているのを自分でも感じて思わず頬をかいた。
(明日からもバイト、気張ってみっか)
「やっぱりもったいないアルナー」
「うお!?!」
殊勝な決意をした次の瞬間、唐突に声がして飛び上がる。
振り返ると居候の少女が眠そうに立っていた。
「なんだよ、神楽か。起きてたのかよ」
神楽「厠に起きただけアル」
寝ぼけ眼を擦って水をコップにつぎながら神楽は言葉を続ける。
どこまで見られていたのかと少し焦るが、大した問題ではなかった。
銀時は貴重なご飯に箸をつけ始めた。
神楽「青葉は銀ちゃんにはもったいないくらいの良い女アルナ」
「あー?んなもんわーってるよ」
神楽「青葉のために働け働け」
水をゴクリと飲み干した神楽は、なぜかふんぞり返りながら銀時にそう言い放った。
その顔がニヤついていたので銀時はピクリと眉を動かす。
「……オメーなんか知ってんだろ」
神楽「さーね」
「お願い酢昆布あげるから」
仕事帰りにお土産に買ってきていた酢昆布を懐からちらつかせると、神楽はひどく葛藤した。
神楽「うーん。これ言ったら銀ちゃんが働かなくなるしなぁー」
「明日も酢昆布買ってくっから。しかも1ダース」
神楽「……ほんと?」
「おう」
神楽「………明日からも働くってことアルな?」
「あたぼーよ」
今度は銀時がふんぞり返り、先程したばかりの決意を神楽に宣言する。
神楽はまだ少し不審がりながらも話し始めた。
「この間女子会したときに青葉言ってたアル」
あの日、銀時が家を出てからの会話の続きを神楽は語る。
ーーー『安定した生活のためなら、土方さんね。でもね、わたし、残念ながら…銀さんと、苦労したいみたい。
生活の安定とかじゃなくて、ただ、一緒にいたいだけなの。甘いかもしれないけれど。
銀さんとなら、苦労してもいいかなって。
苦労してでもこの人の隣に居たいっておもうのは、銀さんなの。
一緒に同じものに笑って、泣いて、ときには怒ったりして…ずっと隣にいたいっておもうのは、銀さんだけなの』
神楽「だとヨ」
「…………」
神楽「もったいないアルナーほんと」
「青葉ちゅわあぁあんーー!!」
感極まった銀時は家を飛び出し彼女を追いかけていた。
愛の雄叫びが、夜のかぶき町に響き渡った。
そのあと、帰ったはずの青葉が銀時に抱き抱えられて戻ってきたお話は、また今度。
ーーそれからしばらくの間、銀時が少しでもサボると、神楽たちの手により万事屋に青葉が召喚されたという。
そのたびに『土方さんとデートしてこようかな』などの痛烈呪文を浴びせられる銀時は馬車馬のように働く日々が続いたそうな。
おしまい。
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