一緒にいる理由
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ある日、買い出し担当だった銀時が帰宅した時。
女物の下駄が2つ、玄関に綺麗に揃えられていた。
(アイツら来てたのか)
銀時の脳裏に浮かんだ「アイツら」とは、よく万事屋を訪れる、よく知った仲の女性たちだった。
部屋の中からはなにやらボソボソと話す声が聞こえる。
誘われるように忍び足で近づいていったところ、神楽の声がする。
「青葉。今日こそハッキリさせるアルヨ」
『?なにを?』
「銀ちゃんとトシ、ぶっちゃけどっちがいいアルか?」
ーーーーーー!!!?!
思いもよらぬ神楽の問いに、銀時は身を固まらせる。
(トシ?トシっつったか?トシってどのトシだ…?いや、あのトシしかいねェだろ!)
神楽の質問相手は、先ほど思い浮かべた女性のうち、自分の大切な彼女である青葉だった。
質問内容は、銀時の動きをとれなくするには十分な内容だった。
(オイ…神楽のやつなんつー質問を…!)
「たしかに、気になるところよねえ」
そこに新八の姉である妙が同意する。
先程から彼女たちの言う「トシ」ーー土方十四郎は銀時とは腐れ縁であり、何かと対立することが多い。
その彼と比べられることは今までにも何度かあったが、こんな風に自分の居ないところで…それも自分の彼女に「男として」比べられる日が来るなんて…いつかはこんな日が来るとは思ってはいたが、正直油断していた。
『なに、いきなり?どっちもなにも…私は銀さんの彼女よ?土方さんもそりゃ素敵な人だけど…私が好きなのは銀さんよ』
(青葉ーッ!)
愛しい彼女の愛の言葉に感動し、扉を開けようとする。
「そんなのはわかってるアル。でも、この先結婚するなら…ほんとにあのチャランポランでいいアルか?」
だが神楽のシビアな言葉にまた動きが止まる。
(まだ続くのこの会話!?)
「そうねえ、確かに将来を考えるなら…よーく考えた方がいいわよねえ」
『お妙ちゃんまでなに言ってるの?私たち付き合ってまだ半年も経ってないし…』
「そんなのは関係ないわよ。男女ってのはタイミングよ?ウカウカしてたら婚期逃すわよ」
『こ、婚期って…』
(オイぃぃぃ!!何を教えてくれちゃってんの!?お妙のやつキャバクラで余計な知識会得してんじゃねーよ!!俺の青葉ちゃんはそんな打算にまみれた考えしてねーの!まだ早いの!つーか、いいんだよそんなもんっ!!んなもんこれからゆっくり考えて…)
神楽「単純に、結婚するならどっちが良いアルか?」
『いやいや、そもそも土方さんに失礼だし…』
お妙「でも土方さんも青葉ちゃんのこと満更でもなさそうじゃない?」
『いやだから、失礼だって…』
神楽&お妙「「そんなもん全部取っ払って!単純に!」」
『ええー…』
(だからあ!なんでそんなこだわるわけ!?そこ掘り下げなくてよくない!?つーか神楽あのヤロー青葉より年下のくせに井戸端会議してんじゃねーっ!!お前はまだ甘酸っぱい恋バナでもしときゃいーの!りぼ○でも読んでりゃいーんだよっ!!)
扉の前から身動きがとれないまま、心の声だけ叫びを上げる。
中に突入しないのは、女子会特有の空気に圧されて「突入しない」ではなく「できない」からなのか、彼女の答えが気になるからなのか…あるいは両方かもしれなかった。
『うーーーん、結婚するならかぁ…』
青葉もふたりの剣幕に圧されて、ついに懸命に答えを探し始めている。
ーードクン、ドクン。
銀時の心臓がうるさく鳴る。
聞きたくないのに、聞きたい。
青葉は自分を選んでくれるという期待ーーというより切実なる願望を抱いて、銀時は無意識に唾をゴクリと飲んでいた。
『まぁ…シンプルに言うなら、土方さんかな』
ピシャーーーーーーン!!!
そして銀時に衝撃の雷が落ちた。
「おお!」 「まあ」
『土方さんは公務員だし仕事に困ること無さそうだしね。結婚というか安定した生活のことを考えるなら…』
後半は最早銀時の耳には入っていなかった。
まだ女子達がお喋りする声に背を向けた彼は、フラフラと力ない足取りで家から出ていったのだった。
→
1/3ページ