パルクール青年と青い日常を
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潜入初日
生徒達が登校する前に学校へ行く為、朝早く事務所に出勤する。
事務所の扉を開くと黒髪の杉浦くんが目に入った。
「おはよう。杉浦くん、その髪凄くいいね!黒髪も似合うんだ」
「名無しちゃんおはよう。ちょっと照れくさいんだけど」
「そんな事ないよ!!とっても素敵」
あまりに新鮮で似合ってたからべた褒めしてしまったけど正直な感想だ。
「おはよう名無し。おー、こう見ると高校生カップルっぽいな」
トイレのドアから八神さんが出てくる。
八神さんは基本事務所で寝泊まりしているから鏡の付いたレストルームで髪をセットして出て来た様だ。
「おはようございます、八神さん。もう出ますか?」
「そうだな。車持ってくるから下で待っててくれ」
「りょーかいっ!行こっ名無しちゃん」
杉浦くんに誘われて八神さんより先に事務所を出た。
今回の依頼は啓光学院の女生徒数人が校内で襲われたとの事で潜入し学校内を探るのが目的。
依頼人は校長先生と後もう1人、信頼のおける先生の2人でくれぐれも内密にとの事だった。
女生徒が襲われたって言うのも服を破かれたり等はあったもののギリギリのところで逃げれていた様だとそれを知って安心した。
強姦にレベルなんて関係ないし心に傷を負ったであろう10歳近くも歳の離れた少女達の事を考えると胸が痛む。
そんな少しだけの情報を頭に入れながら八神さんの運転する車は学院内に入り、駐車する。
生徒はまだ登校していない。
流石、啓光学院。豪華で立派な私立高校だ。
私達3人は足早に校長室に向かう。
八神さんは依頼を受けた時から何度か訪れているらしく勝手が多少は分かる様だった。
校長室の前では1人の女性の先生が立っており私達を見つけるなり急かす様に手招きして校長室の扉を開ける。
とにかく早く中へ入れたいと言った感じだった。
軽く会釈して開けられた扉の中へ入る。
中では1人の老婦人が静かに立っていた。
先程の先生は部屋の外をきょろきょろと見渡し、誰にも見られていない事を確認してそっと扉を閉めた。
「ようこそお越し下さいました。八神探偵事務所の皆様。私が啓光学院の校長です」
中で立っていた老婦人がふわりと柔らかい笑顔でそう言ってくれた。
「おはようございます、校長先生。この度はご依頼下さりありがとうございます。こちら今回の調査を担当します杉浦と名無しです」
八神さんが改めて挨拶をする。
「まぁ、何て可愛らしい学生さんでしょう。大学生の方かしら?」
「あ、いや。2人ともとっくに社会人です。高校生に紛れる為にできる限りの事をしました」
八神さんの言葉に驚く校長先生。
何か…恥ずかしい。とっくに社会人だけど高校生のコスプレなんて……。
「素晴らしいです!完璧な変装ですよ」
傍にいたもう1人の先生がテンション高めに褒めてくれる。
「まぁ、楽しいお話はこの辺りにして…本題をお話してもよろしいかしら」
「はい。お願い致します」
校長先生の言葉に八神さんが返事をした。