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プロローグ 

高2になって最初の登校日。朝から幸也が話しかけてきた。悩みの種のお出ましだ~。
はぁ~やだやだ。もう辛い。
幸「おっはよ~」
『……おはよ』
幸「ナニどうしたの。
テンションだだ下がりじゃん?
……またお母さんとなんかあったの?」
はぁ。変なところで鋭いのは私の彼氏だからかな?勘が良いのが移っちゃった?ははは~やだな~。気分悪。だから無視した.我ながら酷い。ま,これでもマフィアの一員なんでね。
幸「もしかして、図星?」
こくっと頷く。
だってホントのことだし。
でもそれ以上は何も言わないでおく。
うっかり本音が出ちゃうとヤダから。
幸「何があったの?」
それでも黙ったままの私に幸也はさらに質問をふっかけてくる。なんか変だな?
幸「こっちは心配で聞いてるんだよ?」
……あなたのせいだよ。
幸「答えたくない気持ちは分かるけど、それじゃどうしたら良いのかわかんないよ」
立ち止まって幸也は聞いてくれる。
あっ今日の幸也は優しい?
いつもは気持ち悪いくらい詰め寄ってくるのに。
『……ちょっとけんかしただけだよ。
そんな心配しなくても大丈夫。
平気だって。』
私は微笑んで言ってみた。
アナタと付き合ってることを嫌に思ってて、そのせいでお母さんに怒られて、ちょっとそのことを引きずって今日は遅刻しかけたんでさっきからため息ついてるんです。なーんて、言えないからね。
『それより、学校行こ?
ケンカしたくらいでいちいち顔に出てる私も私だけど、それでいちいち止まってちゃ学校行く前に日が暮れちゃうよ。心配してくれてありがとね。でも、大丈夫だから』エヘ。マフィアなのに顔に出てました。てへ。
幸「そう……か。
お前から言ってこないなら、
帰ってから家でじっくり聞くか。」
!!!?今何つったこいつ?
帰ってから? ダメだったわやっぱ。
普通に怖い幸也だったわ。
こいつ帰ってきてから拷問ばりにそれこそ気持ち悪いくらいに詰め寄ってくるんだから。
それも、私に新しい婚約者の話が出たのかとか、浮気したのかとか全然カンケー無い話だからいやなんだよね。ホント困るんだから。私、こういうのには勝てない事分かってやってるんだと思う。押しに弱いんだよね。
今の間に断り入れとくか。だから憂鬱なんだよな~。あぁぁあやだやだ。
『ぇ~と、ゴメン!
今日は早く帰ってくるように言われてて。
その,お母さん、今日は早く帰ってくるんだって。だから一緒にお昼食べよって。』
コレでどーだ? 効いたかな?
幸「ん。分かった。なんか悩みがあったらすぐ言えよ?お前になんかあったら俺がコマ…いや、心配だからな」
……はぁぁあ?って言うのをやっとこらえて、私は心の中で感情を爆発させる。
今絶対に俺が困るんだからって言おうとしたっしょ!!やっぱりホントにこいつは優しくなんか無いじゃん!!!私と付き合ってることを自慢したいだけの自己中じゃん!! あ~やだやだ。ホント、今日断っといてよかった!さっきの私、ナイッス!このちょーしで別れ話に切り出す雰囲気を……って無理だな。いまやったら明らかに不審がられる。それに、穏和に別れないと学校で会ったときにいろいろ言われて、腹立ってなんか問題起こしちゃったらえらいことだ!  ……でもどうやって別れる?むぅぅ~ん。

こうして私はモヤモヤを抱えたまま学校へ向かった。だから……
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