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プロローグ 

「潤?起きてる?死んでないわよね?今死なれてもこっちが殺したと思われて迷惑なんだけど?おーい!起きなさーい!!!」

はぁ、分かってるって。もう起きてるし着替えてるし髪もセットできてて後は降りるだけなんで、そんなに言われなくても降りますよ!
もう、こっちは彼氏と別れたくって悩んでんだっての!行くのが憂鬱なんだっての!
いつだって自分のことが一番で、子供のことは自慢の種にしかしない親の言うことなんて聞きたくないんだけど。でもまぁ行かなきゃ今度は家に入れてしてくれないし。使用人さんたちに迷惑かけちゃうしね。
さ~てと、降りてこ。はぁ~やだやだ。

私の名前は潤。
このあたりでは一番の総合病院の柴崎医院の3人目の子供。家は所謂裕福ってヤツ。使用人さんは30人くらいはいるかな?いちいち人数なんて覚えてらんないよ。ま、とにかく、みんな親が選んでるんで、性格はサイアクッ!
たまに良い子もいるんだけど、みんなどことなく毒があるって言うか、全然そんなことないコもいるんだけど、そのギャップがすごいの。一回私、暗殺されかけたからね。ソッコーで撃退した。まぁこんなの姉さんや兄さんは慣れっこなんだろうけどさ。帰ってきたとき使用人達の死骸が山になってたことあったし。兄さん返り血浴びてたし?あっケチャップって言ってたかな。うーんどうだっけ?
──でも、前はそんなこと無かった。お母さんたちも、もっと優しかった。なんで変わっちゃったんだろうみんな。元に戻ってよ!
母「潤!邪魔よ。そんなとこにいないでちょーだい!私だって忙しいのよ!全く。ナニ考えてんだか知らないけど、少しは遅刻しない努力をしなさいな!高校二年で一つでも評価4に落としたらご近所に知れ渡っちゃうでしょ!全くアナタってコは…………」
昔はこんなじゃなかったのに。
っておいおいお母さんよ。
子供の目の前でご近所とか言っちゃダメでしょーが?てか階段の踊り場でそんな風に説教してたら学校行けないんですが。遅刻しちゃ困るんでしょ?言ってることとやってることが違いすぎて笑えないんだけど。
『早く学校行かなきゃダメなんでしょ?はぁ。このまま説教聞いてたら遅刻する。お母さんも忙しいんだったら、んなこと言ってる暇無いでしょ?』
……ふっふっふ。言ってやったぜ!!!お母さんも説教忘れて固まってる。 ………あっダメじゃん止まってたら。私がそこ通りたいって言ったばっかだったでしょアナタが!
『お~~~い。
聞いてますかぁ~?
固まってると行けないの!分かる?
早くどいてってば!』
遅刻しても良いのか?こっちはそっちが良いッてんなら休んでやんよ!おお?
「…ぁ…あぁゴメン。
……あっそうだった。お母さん今日も『帰れないんでしょ?分かってる。』……悪いわね。」
別に良いよ。悪いなんて思ってもないのにわざわざ言わなくても。何なら一週間くらい病院で生活して貰ってもこっちとしてはむしろありがたいんだけど。
「いつも通り先ご飯食べて先寝ててくれて構わないから。ちゃんと作んのよ?
それと、あの彼氏とは早く別れなさい。
ご近所で変なこと言いふらしかねないんだから。そうなったらアナタが困るでしょう?」
『あ~はいはい。分かったからさっさとそこどいてくれる?早く学校行きたい』
って最後のは嘘だけど。
行きたくないし。言われなくても別れるし。憂鬱だし。あっさっきも言ったなコレ。私は記憶喪失か?大丈夫か私。


とにもかくにも、私は高校二年生で最初の登校をしました。
これからいろいろあるとも知らないで。
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