Chapter-1
「どうしたの? アトレイシア」
「……うん」
ぼくが尋ねると、アトレイシアは消え入りそうな声で答える
すると
ソロンは恐る恐る言った
「アトレイシア、ワシらは……いったいどうなるのかな?」
アトレイシアは
ギュッと手を握りしめていた
そして
ぼく達にはっきりと告げた
「私の家には、もう住まわせられない」
ぼくは
ぼんやりとつぶやく
「……本当、だったんだ」
「要らなくなったのね? 私達は」
アメリアの声は震えている
ぼくまで声が震えそうになったのを
目一杯こらえて
ぼくはアトレイシアに
ちゃんと言わなきゃいけない、と思った
「仕方ないんだよね。アトレイシア」
ぼくはもう
アトレイシアを困らせることはない
アトレイシアの声を聞くことはできない
二度と
望んでいた
笑顔は見られない
ぼくがバカだったから
「ありがとう、アトレイシア。ぼく、忘れないから」
愛するアトレイシア
「さよなら」
永遠に君のことを想うよ