Chapter-1
次の日
ぼく達に絶望的な噂が流れた
アトレイシアのお母さんが
ぬいぐるみを減らせ
そう言ったらしい
それは
ぼく達は捨てられてしまうということ
ぼくでもそれぐらいはわかる
ぬいぐるみ達は誰を捨てるか
相談し始めた
「まずはエルドだ。あいつはお喋りだから」
「昨日もアトレイシアに迷惑をかけた」
「どんくさいしね」
「後は古いヤツだ」
「な、ワシを捨てる気か? 血も涙もないヤツめ!」
「血も涙もあるわけねぇだろ、ジジイ」
「ぬいぐるみですからな」
ぼくはその会話を聞いていたが
話に加わったりしなかった
決めるのはアトレイシアだ
そして
ぼくはアトレイシア含め
みんなに嫌われているのを
知っている