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Chapter-1


「アトレイシア!」


ぼくが帰って叫ぶと
アトレイシアはぼくを見て
飲んでいた紅茶を吹きそうになった


「ど、どうしようっ! 骨折と、それから、お腹からぼくの中身が!」

「出てるわね」

「し、死んじゃうかも。天罰? ……ぼくがぬいぐるみだし、ぬいぐるみなのにお話しできるからっ」

「エルド、落ち着いて。縫えばすぐ治るわ。静かにしなさい」


ぼくは黙る

すると
アトレイシアは針と糸
綿を準備した


ぼくを作った彼女は十歳の女の子だ

彼女は年のわりに
大人っぽい


そして

決して笑わない
 

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