Chapter-1
お散歩は好き
アトレイシアや他のぬいぐるみ達の邪魔にならない
ぼくは思ったことを何でも喋るクマだから
考えが足りないぬいぐるみだから
みんなに嫌われる
それは
ぼくを作ってくれたアトレイシアにも……
そんなことを考えていると
踏み外した
「ぴゃあっ!」
ブチッ!
というすごい音がして
道から転げ落ちた
立ち上がろうとすると
右足が上がらない
「……まさか。骨折?」
右足はぶらぶらと
ぶら下がっている
「何てことっ、ぬいぐるみの身で骨折なんて」
もう泣きそう
涙は出ないけれど
「世界の終わりだ……」