短編
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「名無しさんちゃん、次このゲームしよー」
「いいよー!しよしよ!」
遊戯師団の1人である名無しさんちゃん。
僕の数少ない女の子のオトモダチだ。
彼女とはゲームの知識が似通っており、僕のやっているゲームは彼女もプレイ済みなことが多い。
実力も同じくらいで、勝敗は殆ど五分五分だ。
もちろん話も合う。
だからか、師団の中でも話すことが多くて、
気付いたら、目で追っていたんだ。
「んあー!負けそう負けそう!」
ゲームの状況が怪しくなって焦るとまず声が出ること。
「次はここかなー」
余裕が出てくると鼻歌を歌いながらプレイに遊びが出てくること。
「リードくん、そこ危ないからやめた方がいいよ」
騙そうとすると瞬きが増えること。
「あー、負けちゃったー」
負けると口を少し尖らせること。
どれもどれも、段々と可愛く見えてきて。
ついつい意識をしてしまう。
「リードくんこのゲーム得意だよねえ」
「名無しさんちゃんが分かりやすいからねえ」
「む…くやしい…」
次のゲームを始めようとしていたら、団員の1人が名無しさんちゃんに話しかけてきた。
彼は名無しさんちゃんと同じクラスのやつで、課題のプリントの受け渡しをしている。
自分が問題児クラスでいることに不満は無いけど、名無しさんちゃんのクラスの様子を知らないことは不服だ。
僕だってプリントとか渡したり、授業で同じグループになったり、一緒に移動とかしたい。
お昼一緒に食べたり、授業の愚痴言い合ったり、放課後新しいゲームを一緒に買いに行ったりしたい。
羨ましいなあ…
師団の時間も終わり、家に帰って着替え、鞄の中からあるものを取り出す。
小さな噛み跡のついたストローと、細い髪の毛。
それぞれをジッパー付きの袋に入れ、今日の日付を明記する。
更にそれをアルバムに貼りつけた。
どちらも、名無しさんちゃんのものだ。
「ふふ」
今までの記録を見て、口元が歪む。
お菓子をつまんでいる写真。オリアス先生に勝てなくて頭を抱えてる写真。つまんなそうに教科書を読んでいる写真。
壊れてしまったペン、剥がれてしまった絆創膏、汗を拭いたティッシュ。
どれもこれも、名無しさんちゃんの思い出。
好きだからこそ色々保存しておきたいし、知りたいじゃない。
ただ、欲望は尽きなくて、
もっと、もっと知りたくなってしまう。
自分の知らない名無しさんちゃんを他のやつらが知っているのが気に食わない。
全部全部知りたいんだ。
好きだから、全て知りたい。
感覚強盗で知れる範囲にも限界がある。
僕は机の中から、ある魔具を取りだし、鞄に入れた。
「…リード、お前結構重いのな…」
次の日、ジャジーとたまたま恋愛の話になり、好きな子のことは全部知りたいーって言ったら、そんな反応をされた。
「えー?そう?好きな子だったらどういうことしてるかとか気にならない?」
「んー、多少はあるけど、知らない方がいいこともあるし…あんまりやりすぎるとストーカーじゃん?」
「そんなことないと思うけどなー」
は?意味が分かんない。
好きだから知りたくなるのは当たり前じゃん。
その場は笑って過ごしたけど、イライラする。
匿名で手紙とかプレゼントとかして迷惑かけてるヤツらのことでしょ?ストーカーって。ドラ魔で見たよ。
そんなやつらと一緒にしないでほしい。
僕はただ純粋に名無しさんちゃんのことが好きで知りたいだけなの。
遊戯師団で今日も名無しさんちゃんとゲームをした。
帰り際、名無しさんちゃんが席を離れた瞬間、彼女の鞄に魔具を仕込む。
これは遠い距離でも盗聴ができる魔具だ。
この魔具を付けていれば、一緒に居なくても名無しさんちゃんを知ることができる。
家での名無しさんちゃんだって。
こっそり聞くのは悪いことかもしれないけど、愛ゆえだから、しょうがないよね…?
「リードくん!このゲームしたことある?」
「あるある!66レベルまで上げてるよ!明日持ってくるね!」
「ホント?ふふ、本当にリードくんとはゲームの趣味が合うなー」
「僕もそう思う!遊戯師団の中で1番名無しさんちゃんと話すのが楽しいよ!」
こうやって言ってくれるってことは、きっと名無しさんちゃんも僕のことを気になっているのだろう。
もし恋愛感情は無かったとしても、男性悪魔の中では1番と思っていてくれてるだろう。
僕がこんなに純粋に好きだと思っているんだから、伝えれば、この気持ちが拒絶されるはずはないだろう。
拒絶されないってことは、名無しさんちゃんも僕のことが好きなんだろう。
でも、名無しさんちゃん、告白は、もっと君の事を知ってからするから、待っててね。
僕は、帰路につきながら魔具のスイッチを入れた。
「いいよー!しよしよ!」
遊戯師団の1人である名無しさんちゃん。
僕の数少ない女の子のオトモダチだ。
彼女とはゲームの知識が似通っており、僕のやっているゲームは彼女もプレイ済みなことが多い。
実力も同じくらいで、勝敗は殆ど五分五分だ。
もちろん話も合う。
だからか、師団の中でも話すことが多くて、
気付いたら、目で追っていたんだ。
「んあー!負けそう負けそう!」
ゲームの状況が怪しくなって焦るとまず声が出ること。
「次はここかなー」
余裕が出てくると鼻歌を歌いながらプレイに遊びが出てくること。
「リードくん、そこ危ないからやめた方がいいよ」
騙そうとすると瞬きが増えること。
「あー、負けちゃったー」
負けると口を少し尖らせること。
どれもどれも、段々と可愛く見えてきて。
ついつい意識をしてしまう。
「リードくんこのゲーム得意だよねえ」
「名無しさんちゃんが分かりやすいからねえ」
「む…くやしい…」
次のゲームを始めようとしていたら、団員の1人が名無しさんちゃんに話しかけてきた。
彼は名無しさんちゃんと同じクラスのやつで、課題のプリントの受け渡しをしている。
自分が問題児クラスでいることに不満は無いけど、名無しさんちゃんのクラスの様子を知らないことは不服だ。
僕だってプリントとか渡したり、授業で同じグループになったり、一緒に移動とかしたい。
お昼一緒に食べたり、授業の愚痴言い合ったり、放課後新しいゲームを一緒に買いに行ったりしたい。
羨ましいなあ…
師団の時間も終わり、家に帰って着替え、鞄の中からあるものを取り出す。
小さな噛み跡のついたストローと、細い髪の毛。
それぞれをジッパー付きの袋に入れ、今日の日付を明記する。
更にそれをアルバムに貼りつけた。
どちらも、名無しさんちゃんのものだ。
「ふふ」
今までの記録を見て、口元が歪む。
お菓子をつまんでいる写真。オリアス先生に勝てなくて頭を抱えてる写真。つまんなそうに教科書を読んでいる写真。
壊れてしまったペン、剥がれてしまった絆創膏、汗を拭いたティッシュ。
どれもこれも、名無しさんちゃんの思い出。
好きだからこそ色々保存しておきたいし、知りたいじゃない。
ただ、欲望は尽きなくて、
もっと、もっと知りたくなってしまう。
自分の知らない名無しさんちゃんを他のやつらが知っているのが気に食わない。
全部全部知りたいんだ。
好きだから、全て知りたい。
感覚強盗で知れる範囲にも限界がある。
僕は机の中から、ある魔具を取りだし、鞄に入れた。
「…リード、お前結構重いのな…」
次の日、ジャジーとたまたま恋愛の話になり、好きな子のことは全部知りたいーって言ったら、そんな反応をされた。
「えー?そう?好きな子だったらどういうことしてるかとか気にならない?」
「んー、多少はあるけど、知らない方がいいこともあるし…あんまりやりすぎるとストーカーじゃん?」
「そんなことないと思うけどなー」
は?意味が分かんない。
好きだから知りたくなるのは当たり前じゃん。
その場は笑って過ごしたけど、イライラする。
匿名で手紙とかプレゼントとかして迷惑かけてるヤツらのことでしょ?ストーカーって。ドラ魔で見たよ。
そんなやつらと一緒にしないでほしい。
僕はただ純粋に名無しさんちゃんのことが好きで知りたいだけなの。
遊戯師団で今日も名無しさんちゃんとゲームをした。
帰り際、名無しさんちゃんが席を離れた瞬間、彼女の鞄に魔具を仕込む。
これは遠い距離でも盗聴ができる魔具だ。
この魔具を付けていれば、一緒に居なくても名無しさんちゃんを知ることができる。
家での名無しさんちゃんだって。
こっそり聞くのは悪いことかもしれないけど、愛ゆえだから、しょうがないよね…?
「リードくん!このゲームしたことある?」
「あるある!66レベルまで上げてるよ!明日持ってくるね!」
「ホント?ふふ、本当にリードくんとはゲームの趣味が合うなー」
「僕もそう思う!遊戯師団の中で1番名無しさんちゃんと話すのが楽しいよ!」
こうやって言ってくれるってことは、きっと名無しさんちゃんも僕のことを気になっているのだろう。
もし恋愛感情は無かったとしても、男性悪魔の中では1番と思っていてくれてるだろう。
僕がこんなに純粋に好きだと思っているんだから、伝えれば、この気持ちが拒絶されるはずはないだろう。
拒絶されないってことは、名無しさんちゃんも僕のことが好きなんだろう。
でも、名無しさんちゃん、告白は、もっと君の事を知ってからするから、待っててね。
僕は、帰路につきながら魔具のスイッチを入れた。