短編
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「おっはよー名無しさん」
「あ、リードくんおはよー」
何事もなく平凡な毎日。
今日はリードくんとの挨拶から始まった。
彼は男の子の中では、一番仲が良いと思う。
おちゃらけ者の彼はクラスの皆と仲がいいから、私が一番仲が良いって思っているなんて知らないだろうな。
…そして、好きだなんて思ってることも。
「あ、そうだ。今日の放課後暇?」
「え?うん、暇だけど…どうかしたの?」
「ちょっと話があるんだ、けど…」
重々しい雰囲気で言うリードくん。
そんな重大な話なのか…相談事とか?
リードくんにとって悪い事だったとしても、不謹慎だけど、私に相談をしてくれるかもしれないという事実が嬉しかった。
「分かった。教室にいればいい?」
「うん!ありがとう!じゃあまた放課後にね」
手を振る彼の姿にさえときめいた私は、相当重症だと思った。
待ちに待った放課後。
この時間になるまで何回時計を見たのだろうか。
本当に時間が進むのが遅かった。
夕日が差す教室の窓から、運動場で師団活動をする生徒達を見ていると、扉が勢い良く開いた。
「ごめん!先生に捕まって…」
「いいよ。そんな待ってないし。で、話って何?」
急いで来たのだろうリードくんは息を切らしていた。
そして私の目の前に立つ。
「あの、名無しさん、ってさ、好きなヒト、いる?」
「え、いきなりどうしたの?それより何か飲む?あ、私飲み物持ってるよ」
いきなりの質問に驚いたが、それよりも息を切らしている彼が心配だった。
私が水を取ろうと机の方に向かおうとすると、腕を掴まれ、それを引かれてしまった。
その為、先程よりも近い、いつもよりも近い距離に彼がいる。
爪先がぶつかるかぶつからないか、そんな距離。
心臓が大きく跳ねた
「…水はいい。それより、質問に答えて」
「えっと、好きなヒト、だよね…うん。いるよ」
「そっか…どんな、ヒト?」
「え…そ、それは…」
本人を目の前にして、言えるわけがない。
言える、わけがない。
「クラスの中にいる…?」
「う、ん…」
目を伏せるリードくんに、心が締め付けられて、
口が勝手に動いた。
「リードくんは好きなヒトいる?」
「う、うん」
ああ、何でこんなこと聞いちゃったんだろう。
こんなの、失恋決定じゃないか。
夕日のせいなのか顔が赤く見えるリードくん。
好きなヒトを思い出してか慈んだ目をするリードくん。
そんな彼を見て、痛がる私の胸は見ないフリをした。
「あ、もしかして恋愛相談?リードくんの為だったら相談乗るよ?」
アハハと笑い、言う。
大声で泣き出したい喉を無視して。
「あり、がとー…」
「ん。ってかリードくん誰が好きなの?あぁ、もしかしてエリザさん?綺麗だし。それか…ケロリさんとか?」
こんなときだからなのか、私の口はまわるまわる。
苦しい気持ちは押さえつけて。
「あの、さ…名無しさん、えっと…」
リードくんは一度、ゆっくりと深呼吸をして、言葉を出す。
「名無しさんさん、好きです。僕と付き合ってください」
「え…」
私の見開いた目が、リードくんの真剣な目とぶつかる。
「本当、に?」
「うん。名無しさんが好き」
好き。
口の中で反復する。
それを喜びで噛み締める。
痛い胸も苦しい気持ちも、一瞬で全て消え去った。
ただ、
泣きそうな喉は変わらない。
「わ、私も、リードくんが好きです…」
一つ二つと、目から涙が溢れてきた。
「え、本当?」
「嘘だったら、こんな、泣いてないよ…バカ」
「…っ」
リードくんは制服の袖で私の涙を拭く。
「泣かないでよ…バカ。可愛んだよ…」
「ごめん…でも、」
「名無しさん、もう一回言う。好きです。付き合ってください」
「私も、好きです。こちらこそお願いします」
両手で私の頬を包んだ彼は、顔を近付けてきて、
唇が触れた。
―その瞬間、教室の扉が勢い良く開いた。
「リード!おめでとー!」
「なっジャジー!?」
「俺も居ル」
「拙者も居たり…」
「アロケルにガープまで…もう!何なの君達っ!」
「きゃー!逃げろー!」
バタバタと廊下へ逃げていった彼らを追いかけて、扉まで行ったリードくんは、こちらを振り向いて手を差し出した。
「行こっ!名無しさん!」
「う、うん!」
私は迷わずその手を取った。
放課後の甘い告白
苦いものはなくなった
「あ、リードくんおはよー」
何事もなく平凡な毎日。
今日はリードくんとの挨拶から始まった。
彼は男の子の中では、一番仲が良いと思う。
おちゃらけ者の彼はクラスの皆と仲がいいから、私が一番仲が良いって思っているなんて知らないだろうな。
…そして、好きだなんて思ってることも。
「あ、そうだ。今日の放課後暇?」
「え?うん、暇だけど…どうかしたの?」
「ちょっと話があるんだ、けど…」
重々しい雰囲気で言うリードくん。
そんな重大な話なのか…相談事とか?
リードくんにとって悪い事だったとしても、不謹慎だけど、私に相談をしてくれるかもしれないという事実が嬉しかった。
「分かった。教室にいればいい?」
「うん!ありがとう!じゃあまた放課後にね」
手を振る彼の姿にさえときめいた私は、相当重症だと思った。
待ちに待った放課後。
この時間になるまで何回時計を見たのだろうか。
本当に時間が進むのが遅かった。
夕日が差す教室の窓から、運動場で師団活動をする生徒達を見ていると、扉が勢い良く開いた。
「ごめん!先生に捕まって…」
「いいよ。そんな待ってないし。で、話って何?」
急いで来たのだろうリードくんは息を切らしていた。
そして私の目の前に立つ。
「あの、名無しさん、ってさ、好きなヒト、いる?」
「え、いきなりどうしたの?それより何か飲む?あ、私飲み物持ってるよ」
いきなりの質問に驚いたが、それよりも息を切らしている彼が心配だった。
私が水を取ろうと机の方に向かおうとすると、腕を掴まれ、それを引かれてしまった。
その為、先程よりも近い、いつもよりも近い距離に彼がいる。
爪先がぶつかるかぶつからないか、そんな距離。
心臓が大きく跳ねた
「…水はいい。それより、質問に答えて」
「えっと、好きなヒト、だよね…うん。いるよ」
「そっか…どんな、ヒト?」
「え…そ、それは…」
本人を目の前にして、言えるわけがない。
言える、わけがない。
「クラスの中にいる…?」
「う、ん…」
目を伏せるリードくんに、心が締め付けられて、
口が勝手に動いた。
「リードくんは好きなヒトいる?」
「う、うん」
ああ、何でこんなこと聞いちゃったんだろう。
こんなの、失恋決定じゃないか。
夕日のせいなのか顔が赤く見えるリードくん。
好きなヒトを思い出してか慈んだ目をするリードくん。
そんな彼を見て、痛がる私の胸は見ないフリをした。
「あ、もしかして恋愛相談?リードくんの為だったら相談乗るよ?」
アハハと笑い、言う。
大声で泣き出したい喉を無視して。
「あり、がとー…」
「ん。ってかリードくん誰が好きなの?あぁ、もしかしてエリザさん?綺麗だし。それか…ケロリさんとか?」
こんなときだからなのか、私の口はまわるまわる。
苦しい気持ちは押さえつけて。
「あの、さ…名無しさん、えっと…」
リードくんは一度、ゆっくりと深呼吸をして、言葉を出す。
「名無しさんさん、好きです。僕と付き合ってください」
「え…」
私の見開いた目が、リードくんの真剣な目とぶつかる。
「本当、に?」
「うん。名無しさんが好き」
好き。
口の中で反復する。
それを喜びで噛み締める。
痛い胸も苦しい気持ちも、一瞬で全て消え去った。
ただ、
泣きそうな喉は変わらない。
「わ、私も、リードくんが好きです…」
一つ二つと、目から涙が溢れてきた。
「え、本当?」
「嘘だったら、こんな、泣いてないよ…バカ」
「…っ」
リードくんは制服の袖で私の涙を拭く。
「泣かないでよ…バカ。可愛んだよ…」
「ごめん…でも、」
「名無しさん、もう一回言う。好きです。付き合ってください」
「私も、好きです。こちらこそお願いします」
両手で私の頬を包んだ彼は、顔を近付けてきて、
唇が触れた。
―その瞬間、教室の扉が勢い良く開いた。
「リード!おめでとー!」
「なっジャジー!?」
「俺も居ル」
「拙者も居たり…」
「アロケルにガープまで…もう!何なの君達っ!」
「きゃー!逃げろー!」
バタバタと廊下へ逃げていった彼らを追いかけて、扉まで行ったリードくんは、こちらを振り向いて手を差し出した。
「行こっ!名無しさん!」
「う、うん!」
私は迷わずその手を取った。
放課後の甘い告白
苦いものはなくなった