短編
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悪魔学校の教師になってから数年。
先輩方に育てられ、順調に自分の仕事もこなせるようになってきている…と思う。
授業の受け持ちもして、生徒達からもとっつきやすい先生になっているつもりだ。
パタパタと廊下を駆けている生徒を見かけて、注意をしようとすると、いた!という声と共に私の目の前でその生徒は立ち止まった。
「名無しさん先生!ロビン先生と付き合っているって本当ですか!?」
「え!?違うよ!?」
突然に、私の後輩でもあるロビン先生の名前を出されて思わず大声が出る。
ロビン先生は確かに、話をしたり、質問されたり、よく懐いてくれていると思うが、付き合ってはいない。
もしかして、そういった様子を見て勘違いをされてしまったのだろうか…若い子だとそう思うこともあるのか…?
その生徒の話を否定し、それで終わるかと思っていた。
が、それからというもの
「名無しさん先生、ロビン先生と付き合ったんだって?」
「ようやく彼氏できたのか〜」
「結婚式には呼んでください!」
「名無しさん先生も隅に置けないね」
いろんな生徒や先生から、そう言われることが多くなった。
その度に否定をしていたが、その噂は止むことがなかった。
暫く経って、ある日の休憩時間、ロビン先生から人気の無い空き教室に呼び出しをされた。
もしかして、あの噂の件だろうか。
だとしたら空き教室なんて場所が選ばれたことも頷ける。
ガラリと扉を開けると、教室の真ん中にロビン先生は立っていた。
「ロビン先生、お待たせしました」
「名無しさん先生!」
ロビン先生に声をかけると、彼はキラキラとした笑顔をこちらに向けた。
「何か用事でしたか?」
そう問いかければ、ロビン先生は笑顔を更に深め、あるものを取り出した。
「僕たち、もう付き合って1ヶ月ですよね。これ、プレゼントを渡したくて!」
頬を染めながら私の目の前に出されたのは、綺麗にラッピングをされた小さな箱。
いや、その箱の前に、彼の言っていた言葉…
付き合って、1ヶ月…?
「なんの、はなしですか…?」
理解が追いつかず、手を震わせながら、冗談、という言葉を期待して、声を出す。
「やだなあ、名無しさん先生忘れちゃったんですか?」
おっちょこちょいだなあもう、なんて言いながら私の手に、小さな箱を握らせた。
その目は、表情は、冗談なんて微塵も感じさせなくて、私は頭が真っ白になった。
「ああ、もうすぐ休憩時間終わっちゃう!」
早く職員室行きましょ!と私の手を握り歩き出すロビン先生にされるがまま、動き出す。
職員室まで辿り着けば、私達の状態を見たダリ先生がアツいねー、なんて揶揄い、それに対してロビン先生がもう1か月なんですよー、と含羞みながら応えた。
話に全然追いつけない。
ようやく回ってきた頭で、ロビン先生を問い詰めようとしたが、授業の時間になってしまい、それは叶わなかった。
早く、今日中にロビン先生と話をしなければ…
そう思うのに、希望の相手には全然会えず、同僚や先輩たちにはいつも以上に囃し立てられた。
終業時間になってもロビン先生は見つからず、連絡もつかず、とぼとぼと帰路についた。
鍵を開け、ドアノブに手をかけた瞬間、強烈な違和感。
電気がついている…それに、知らない靴が玄関にある。
部屋を間違えたのか、と一瞬思ったが、自分の持っている鍵で開いたのだから、私の家だ。
よく耳をすませば、カチャカチャと物音がする。
ひたり、ひたりと足音を立てないように、そっと音のする、リビングの方へ向かう。
「ふんふんふーん」
そこには、鼻歌を歌いながら料理をするロビン先生が居た。
その光景に驚いて、持っている荷物を落としてしまった。
「あ!名無しさん先生おかえりなさい!」
荷物を落とした音に気付いたのか、パタパタとこちらへ駆け寄ってくるロビン先生。
「もう少しでご飯できますから!座って待っててくださいね!」
「ろ、ロビン先生!?あの…」
ロビン先生は落とした荷物を持たせ、私の背中を押し、ソファへ座らせる。
そんな彼へ声をかけるが、彼の一点集中な性格のせいなのか、こちらへは目も向けずキッチンへと戻って行った。
意味がわからない…
…家に入っていたことはもちろん、付き合っていることも…
全部、問いたださないと…
「お待たせしました!名無しさん先生の好きなオムライスです!」
数分後、ロビン先生はオムライスを手に戻ってきた。
…オムライスには、ケチャップでしっかりと綺麗なハートが描かれている…
「あの、ロビン先生」
「せっかくの1ヶ月記念なんで、名無しさん先生に僕の料理食べてもらいたくて…」
えへへと照れたように笑うロビン先生。
こんな状況でなければ、いつものように、可愛い後輩だと思うのに。
「あ、そういえばプレゼント見てくれました?ブレスレット、2人でお揃いなんですよ!ほら!」
「ロビン先生!」
袖を捲り、ブレスレットを私に見せつけるロビン先生の腕を掴み、言葉を遮る。
「…名無しさん先生?どうしました?」
「…私達、別に付き合ってませんよね?」
漸くこちらの声に耳を傾けてくれてたロビン先生に恐る恐る伝えたが、彼はこてんと小首を傾げ、不思議そうな表情をする。
「え?何言ってるんですか?」
本当に分からないといった態度に異常なほど恐怖を覚え、それをかき消すように大声を出す。
「ロビン先生おかしいですって!いつ!?なんで私達付き合ってることになってるんですか!?」
「…え、僕、何か名無しさん先生の嫌なことしましたか?もしそうなら、謝るから、だから、わかれないでください…」
私の言葉に、目に涙をうかべ、また意味のわからないことを言ってくる。
別れるも何も、付き合ってないんだってば。
いやだ、いやだと私に縋り付くロビン先生を振り払い、距離をとる。
ぐすぐすと鼻を鳴らしながら、袖で涙を擦りながら、彼は呟いた。
「誰が、誰が名無しさん先生を唆したんですか?」
「僕達、愛し合っているに決まっているのに」
「誰かに誑かされたから、あんなこと言い出したんですよね」
「ねえ、名無しさん先生」
ぽつりぽつりと呟きながら、1歩、また1歩とこちらへ近付いてくるロビン先生。
逃げなければと思うのに、足がすくんで動かない。
いつの間にか目の前に来ていたロビン先生に、腕を掴まれる。
「僕達…付き合ってますもんね?名無しさん先生?」
その歪んだ狩人 の瞳に見つめられ、私は震えながら首を動かした。
先輩方に育てられ、順調に自分の仕事もこなせるようになってきている…と思う。
授業の受け持ちもして、生徒達からもとっつきやすい先生になっているつもりだ。
パタパタと廊下を駆けている生徒を見かけて、注意をしようとすると、いた!という声と共に私の目の前でその生徒は立ち止まった。
「名無しさん先生!ロビン先生と付き合っているって本当ですか!?」
「え!?違うよ!?」
突然に、私の後輩でもあるロビン先生の名前を出されて思わず大声が出る。
ロビン先生は確かに、話をしたり、質問されたり、よく懐いてくれていると思うが、付き合ってはいない。
もしかして、そういった様子を見て勘違いをされてしまったのだろうか…若い子だとそう思うこともあるのか…?
その生徒の話を否定し、それで終わるかと思っていた。
が、それからというもの
「名無しさん先生、ロビン先生と付き合ったんだって?」
「ようやく彼氏できたのか〜」
「結婚式には呼んでください!」
「名無しさん先生も隅に置けないね」
いろんな生徒や先生から、そう言われることが多くなった。
その度に否定をしていたが、その噂は止むことがなかった。
暫く経って、ある日の休憩時間、ロビン先生から人気の無い空き教室に呼び出しをされた。
もしかして、あの噂の件だろうか。
だとしたら空き教室なんて場所が選ばれたことも頷ける。
ガラリと扉を開けると、教室の真ん中にロビン先生は立っていた。
「ロビン先生、お待たせしました」
「名無しさん先生!」
ロビン先生に声をかけると、彼はキラキラとした笑顔をこちらに向けた。
「何か用事でしたか?」
そう問いかければ、ロビン先生は笑顔を更に深め、あるものを取り出した。
「僕たち、もう付き合って1ヶ月ですよね。これ、プレゼントを渡したくて!」
頬を染めながら私の目の前に出されたのは、綺麗にラッピングをされた小さな箱。
いや、その箱の前に、彼の言っていた言葉…
付き合って、1ヶ月…?
「なんの、はなしですか…?」
理解が追いつかず、手を震わせながら、冗談、という言葉を期待して、声を出す。
「やだなあ、名無しさん先生忘れちゃったんですか?」
おっちょこちょいだなあもう、なんて言いながら私の手に、小さな箱を握らせた。
その目は、表情は、冗談なんて微塵も感じさせなくて、私は頭が真っ白になった。
「ああ、もうすぐ休憩時間終わっちゃう!」
早く職員室行きましょ!と私の手を握り歩き出すロビン先生にされるがまま、動き出す。
職員室まで辿り着けば、私達の状態を見たダリ先生がアツいねー、なんて揶揄い、それに対してロビン先生がもう1か月なんですよー、と含羞みながら応えた。
話に全然追いつけない。
ようやく回ってきた頭で、ロビン先生を問い詰めようとしたが、授業の時間になってしまい、それは叶わなかった。
早く、今日中にロビン先生と話をしなければ…
そう思うのに、希望の相手には全然会えず、同僚や先輩たちにはいつも以上に囃し立てられた。
終業時間になってもロビン先生は見つからず、連絡もつかず、とぼとぼと帰路についた。
鍵を開け、ドアノブに手をかけた瞬間、強烈な違和感。
電気がついている…それに、知らない靴が玄関にある。
部屋を間違えたのか、と一瞬思ったが、自分の持っている鍵で開いたのだから、私の家だ。
よく耳をすませば、カチャカチャと物音がする。
ひたり、ひたりと足音を立てないように、そっと音のする、リビングの方へ向かう。
「ふんふんふーん」
そこには、鼻歌を歌いながら料理をするロビン先生が居た。
その光景に驚いて、持っている荷物を落としてしまった。
「あ!名無しさん先生おかえりなさい!」
荷物を落とした音に気付いたのか、パタパタとこちらへ駆け寄ってくるロビン先生。
「もう少しでご飯できますから!座って待っててくださいね!」
「ろ、ロビン先生!?あの…」
ロビン先生は落とした荷物を持たせ、私の背中を押し、ソファへ座らせる。
そんな彼へ声をかけるが、彼の一点集中な性格のせいなのか、こちらへは目も向けずキッチンへと戻って行った。
意味がわからない…
…家に入っていたことはもちろん、付き合っていることも…
全部、問いたださないと…
「お待たせしました!名無しさん先生の好きなオムライスです!」
数分後、ロビン先生はオムライスを手に戻ってきた。
…オムライスには、ケチャップでしっかりと綺麗なハートが描かれている…
「あの、ロビン先生」
「せっかくの1ヶ月記念なんで、名無しさん先生に僕の料理食べてもらいたくて…」
えへへと照れたように笑うロビン先生。
こんな状況でなければ、いつものように、可愛い後輩だと思うのに。
「あ、そういえばプレゼント見てくれました?ブレスレット、2人でお揃いなんですよ!ほら!」
「ロビン先生!」
袖を捲り、ブレスレットを私に見せつけるロビン先生の腕を掴み、言葉を遮る。
「…名無しさん先生?どうしました?」
「…私達、別に付き合ってませんよね?」
漸くこちらの声に耳を傾けてくれてたロビン先生に恐る恐る伝えたが、彼はこてんと小首を傾げ、不思議そうな表情をする。
「え?何言ってるんですか?」
本当に分からないといった態度に異常なほど恐怖を覚え、それをかき消すように大声を出す。
「ロビン先生おかしいですって!いつ!?なんで私達付き合ってることになってるんですか!?」
「…え、僕、何か名無しさん先生の嫌なことしましたか?もしそうなら、謝るから、だから、わかれないでください…」
私の言葉に、目に涙をうかべ、また意味のわからないことを言ってくる。
別れるも何も、付き合ってないんだってば。
いやだ、いやだと私に縋り付くロビン先生を振り払い、距離をとる。
ぐすぐすと鼻を鳴らしながら、袖で涙を擦りながら、彼は呟いた。
「誰が、誰が名無しさん先生を唆したんですか?」
「僕達、愛し合っているに決まっているのに」
「誰かに誑かされたから、あんなこと言い出したんですよね」
「ねえ、名無しさん先生」
ぽつりぽつりと呟きながら、1歩、また1歩とこちらへ近付いてくるロビン先生。
逃げなければと思うのに、足がすくんで動かない。
いつの間にか目の前に来ていたロビン先生に、腕を掴まれる。
「僕達…付き合ってますもんね?名無しさん先生?」
その歪んだ