短編
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俺の前からあんたがいなくなる?
…そんなことあるわけねえだろ。
どこにいても絶対見つけるし。
「いっ…」
「大丈夫?名無しさんちゃん」
「うん、大丈夫…ごめんね?」
「いいって」
今日もクラスの奴らにいじめられてるカワイソーな名無しさんちゃん。
無理やりに笑顔を作って俺に見せる。
彼女は元々からおとなしい子で、そのためか、自分のクラスのいじめの標的となっていた。
以前、たまたま彼女の落としたプリントを拾ってから、少し話すようになった。
前までは俺にも怯えながら話していたのが、今では笑顔さえ見れるようになっていた。
その笑顔が可愛いのなんの。
この可愛い笑顔を独り占めできるって、幸せだよな…
「んでさー、ジャジー聞いてる?」
「聞いてるよ。昨日のカルエゴ先生の話だろ?」
「そうそう!その時の先生がさあ」
昼休み、そんなくだらない話をリードとしていると、名無しさんちゃんはクラスの女子に連れて行かれるところだった。
今日も校舎裏かな?
もう少ししたら行ってみよっと。
「今日は何して欲しいー?ん?」
「トイレに放置…は昨日やったな」
「ネタも尽きて来たよなー」
「んじゃあさ…そろそろこいつの“ハツモノ”、売りにいっちゃう?」
「ぎゃははは!それ名案!よかったなー名無しさん、お前も“女”になれるぞ!」
うわ、こりゃやばいね…
校舎裏に行くと、今日はいつも以上に酷い会話がされていた。
女子三人に囲まれた名無しさんちゃん。
助けに行くかって?いやいや、これが終わってから行くのがいいんじゃん。
今行ったら“この状態”も終わっちゃうかもしんないしね。
「え、え!?ちょ、何してんの!?」
え、リード…?
「あ?げッ…問題児クラスの…」
「遊んでただけだよ、て、てかアンタに関係ねえし」
「冷めた。帰ろ」
リード何してんの?
「君、大丈、夫…?」
「あ、うん…ありが、とう…えと、」
「僕はリード。あの、たまたま通りがかっただけだ、から…」
名無しさんちゃんは、少し脅えつつも笑顔。
リードは、困惑しつつも嬉しそうなのが分かる。
なんで俺じゃねえの。
あの笑顔を向けてもらえるのは俺だけで俺だけに俺だけが俺だけの笑顔なのに。
それから、リードと名無しさんちゃんは度々話すようになった。
俺との時間は、少し減った。
なんで?
あー、イライラする。
俺よりもリードを取る名無しさんちゃん。
俺の前からリードの前に行っちゃう名無しさんちゃん。
俺から離れる、なんてないよな?
「リード君、のこと?」
「そそ、名無しさんちゃんリードのことどう思ってるのかなーって」
名無しさんちゃんは一瞬戸惑って、答える。
「リード君、優しいし、いい人だよ?」
「好きなの?」
「…え?」
「俺よりもリードが好きなの?」
目の前の名無しさんちゃんは途端にオロオロとしだした。
「えと、好きって?あの、私は2人とも、好きだよ?」
「2人ともじゃなくて俺とリードどっちが好きかってこと。やっぱりリードが好きなんだ?ずっとずっとずーっと名無しさんちゃんを見てきた俺よりもリードが?あーあー、振られちゃった」
「じ、ジャズ君…?どうしたの?なんか、変だよ…」
名無しさんちゃん何言ってんだろ。変なわけないし。
あー、てかリードの方が好きなんだよなー、あーあ、あーあ。
ポケットの中の鋭い銀色を出す。
「名無しさんちゃんは、俺のこと嫌い?」
「嫌いじゃないよ、本当に、そんなわけ、ない…」
「じゃあ好き?」
「う、ん…好き、だよ」
「はは、嬉しー」
ぎゅ、と抱き寄せ、耳元で囁く。
「じゃあさ、俺のになってよ」
銀色を、ピタリと頬に当てる。
「っ!?」
それを見た名無しさんちゃんは逃げ出してしまった。
「あー、行っちゃったか…
俺から逃げれるわけ、ねえのに」
俺は銀色を握ったまま、彼女のいるところへ駆け出した。
…そんなことあるわけねえだろ。
どこにいても絶対見つけるし。
「いっ…」
「大丈夫?名無しさんちゃん」
「うん、大丈夫…ごめんね?」
「いいって」
今日もクラスの奴らにいじめられてるカワイソーな名無しさんちゃん。
無理やりに笑顔を作って俺に見せる。
彼女は元々からおとなしい子で、そのためか、自分のクラスのいじめの標的となっていた。
以前、たまたま彼女の落としたプリントを拾ってから、少し話すようになった。
前までは俺にも怯えながら話していたのが、今では笑顔さえ見れるようになっていた。
その笑顔が可愛いのなんの。
この可愛い笑顔を独り占めできるって、幸せだよな…
「んでさー、ジャジー聞いてる?」
「聞いてるよ。昨日のカルエゴ先生の話だろ?」
「そうそう!その時の先生がさあ」
昼休み、そんなくだらない話をリードとしていると、名無しさんちゃんはクラスの女子に連れて行かれるところだった。
今日も校舎裏かな?
もう少ししたら行ってみよっと。
「今日は何して欲しいー?ん?」
「トイレに放置…は昨日やったな」
「ネタも尽きて来たよなー」
「んじゃあさ…そろそろこいつの“ハツモノ”、売りにいっちゃう?」
「ぎゃははは!それ名案!よかったなー名無しさん、お前も“女”になれるぞ!」
うわ、こりゃやばいね…
校舎裏に行くと、今日はいつも以上に酷い会話がされていた。
女子三人に囲まれた名無しさんちゃん。
助けに行くかって?いやいや、これが終わってから行くのがいいんじゃん。
今行ったら“この状態”も終わっちゃうかもしんないしね。
「え、え!?ちょ、何してんの!?」
え、リード…?
「あ?げッ…問題児クラスの…」
「遊んでただけだよ、て、てかアンタに関係ねえし」
「冷めた。帰ろ」
リード何してんの?
「君、大丈、夫…?」
「あ、うん…ありが、とう…えと、」
「僕はリード。あの、たまたま通りがかっただけだ、から…」
名無しさんちゃんは、少し脅えつつも笑顔。
リードは、困惑しつつも嬉しそうなのが分かる。
なんで俺じゃねえの。
あの笑顔を向けてもらえるのは俺だけで俺だけに俺だけが俺だけの笑顔なのに。
それから、リードと名無しさんちゃんは度々話すようになった。
俺との時間は、少し減った。
なんで?
あー、イライラする。
俺よりもリードを取る名無しさんちゃん。
俺の前からリードの前に行っちゃう名無しさんちゃん。
俺から離れる、なんてないよな?
「リード君、のこと?」
「そそ、名無しさんちゃんリードのことどう思ってるのかなーって」
名無しさんちゃんは一瞬戸惑って、答える。
「リード君、優しいし、いい人だよ?」
「好きなの?」
「…え?」
「俺よりもリードが好きなの?」
目の前の名無しさんちゃんは途端にオロオロとしだした。
「えと、好きって?あの、私は2人とも、好きだよ?」
「2人ともじゃなくて俺とリードどっちが好きかってこと。やっぱりリードが好きなんだ?ずっとずっとずーっと名無しさんちゃんを見てきた俺よりもリードが?あーあー、振られちゃった」
「じ、ジャズ君…?どうしたの?なんか、変だよ…」
名無しさんちゃん何言ってんだろ。変なわけないし。
あー、てかリードの方が好きなんだよなー、あーあ、あーあ。
ポケットの中の鋭い銀色を出す。
「名無しさんちゃんは、俺のこと嫌い?」
「嫌いじゃないよ、本当に、そんなわけ、ない…」
「じゃあ好き?」
「う、ん…好き、だよ」
「はは、嬉しー」
ぎゅ、と抱き寄せ、耳元で囁く。
「じゃあさ、俺のになってよ」
銀色を、ピタリと頬に当てる。
「っ!?」
それを見た名無しさんちゃんは逃げ出してしまった。
「あー、行っちゃったか…
俺から逃げれるわけ、ねえのに」
俺は銀色を握ったまま、彼女のいるところへ駆け出した。