桃くんたちがRPGの世界に入っちゃう
ほぼ鴇先生のおかげで、僕の記憶よりも簡単にストーリーは進んで行った。(賢者のディオゲネスは僕を舐めるだけだ。)
しかし、いまだに戻れる気配は無い。もうこの世界に来て2週間経った。僕たちはなぜかたくさん事件に巻き込まれてきたし、一般の飼育員よりはピンチに強い方だろうが、それでもさすがに辛くなってきていた。
「今度はピラミッドね」
僕が昔やったときは結構トラウマだったが、堂々と進んでいく先生の背中は頼もしい。
しかし……
「わっ!」
「七森さん!」
いちばん後ろを歩いていた七森さんが、急に地面に空いた穴に落ちてしまった。
どうしよう。もう穴は閉じて追いかけることも出来ない。七森さんは僧侶だから攻撃手段も少ない。
「桃くん!地下に降りる階段とかあった!?」
「確かでは無いですが、あったと思います……こっちです!」
━━━━━━━━━━━━━━━
「七森さん!」
桃さんと鴇先生の声が遠くなる……穴が閉じて上が見えなくなる。暗い。
「先生!桃さん!」叫んでも届きそうにない。
一瞬涙が溢れそうになったが、何とかこらえた。しっかりしないと。みんなで元の世界に帰るんだから……
少し落ち着くと、状況もわかってきた。そうだ、ポケットに懐中電灯を先生が入れてくれたはず。カチッとスイッチを入れると、
目の前にミイラが現れた。
「きゃーーーーーーっっ」
無理。今度こそ泣く。足も震えて逃げられない。
「うぅ……」ミイラの手が振り上げられ、攻撃を防ぐ気力もなくへたりこんだそのとき、
誰かが目の前に現れて、ミイラを倒してくれた。誰?鴇先生……?
「大丈夫ですか?七森さやさん。」
「わっ、平尾さん!……じゃない、ウージイハオさん?ありがとうございます……」
なんで、彼女(彼?)がここに……
「どういたしまして。平尾でいいですよ。やっぱりあなたもいたんですね、この世界に!」
「な、何か知ってるんですか!?」
「いや、なーんにも知りません」
平尾さんはこんな事態でも気楽だ。
「あの、私、落とし穴から落ちちゃったんです。さっきまで桃さんと先生といっしょで、」
「はい!見てました。道もわかるので、着いてきてください」
平尾さんと話しているうちに、階段に着いた。階段を上がると、向こうに先生たちが見えた。
━━━━━━━━━━━━━━━
2人で地下に降りるための階段へ向かっていると、その階段から七森さんが上がってきた。
「先生!桃さん!」
「七森さん!良かった……」
「良かったわね。ところでそいつはなんでいるの」
気づかなかったが、なんかもう一人いる。そいつは喋った。
「久しぶりですね!鴇先生。相変わらずお美しい!」
僕は無視か。平尾さんは、なんとなくピラミッドを探索していたらしい。
「うるさい。ここを出たら情報だけもらうわ」
鴇先生は厳しい。平尾さんはめげないが。
ピラミッドを攻略して、最寄りの村で休むことになった。行く前は、まさか1人増えるなんて思わなかった。
「では、私が知っている情報をお話しましょう」
平尾さんの言うことには、この世界に来る瞬間のことは覚えていないが、ちょうどセイを尾けていたので(?)セイが消えたところが一瞬見えたらしい。
「だから桃本さんのいとこもこっちに来てるでしょうし、私は服部さんもいると踏んでいます!その犬、服部さんのでしょう」
「えっ!大丈夫でしょうか……」
七森さんの心配ももっともだ。僕らは鴇先生がいたから大丈夫だが、服部くんもセイも肉体的に強くはないだろう。せめて一緒にいたらいいが。
「あなたは起きた時どこにいたの」
「わたしは、起きたらこの村でした。誠一郎さん達はまた別の場所かもしれません」
しかし、いまだに戻れる気配は無い。もうこの世界に来て2週間経った。僕たちはなぜかたくさん事件に巻き込まれてきたし、一般の飼育員よりはピンチに強い方だろうが、それでもさすがに辛くなってきていた。
「今度はピラミッドね」
僕が昔やったときは結構トラウマだったが、堂々と進んでいく先生の背中は頼もしい。
しかし……
「わっ!」
「七森さん!」
いちばん後ろを歩いていた七森さんが、急に地面に空いた穴に落ちてしまった。
どうしよう。もう穴は閉じて追いかけることも出来ない。七森さんは僧侶だから攻撃手段も少ない。
「桃くん!地下に降りる階段とかあった!?」
「確かでは無いですが、あったと思います……こっちです!」
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「七森さん!」
桃さんと鴇先生の声が遠くなる……穴が閉じて上が見えなくなる。暗い。
「先生!桃さん!」叫んでも届きそうにない。
一瞬涙が溢れそうになったが、何とかこらえた。しっかりしないと。みんなで元の世界に帰るんだから……
少し落ち着くと、状況もわかってきた。そうだ、ポケットに懐中電灯を先生が入れてくれたはず。カチッとスイッチを入れると、
目の前にミイラが現れた。
「きゃーーーーーーっっ」
無理。今度こそ泣く。足も震えて逃げられない。
「うぅ……」ミイラの手が振り上げられ、攻撃を防ぐ気力もなくへたりこんだそのとき、
誰かが目の前に現れて、ミイラを倒してくれた。誰?鴇先生……?
「大丈夫ですか?七森さやさん。」
「わっ、平尾さん!……じゃない、ウージイハオさん?ありがとうございます……」
なんで、彼女(彼?)がここに……
「どういたしまして。平尾でいいですよ。やっぱりあなたもいたんですね、この世界に!」
「な、何か知ってるんですか!?」
「いや、なーんにも知りません」
平尾さんはこんな事態でも気楽だ。
「あの、私、落とし穴から落ちちゃったんです。さっきまで桃さんと先生といっしょで、」
「はい!見てました。道もわかるので、着いてきてください」
平尾さんと話しているうちに、階段に着いた。階段を上がると、向こうに先生たちが見えた。
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2人で地下に降りるための階段へ向かっていると、その階段から七森さんが上がってきた。
「先生!桃さん!」
「七森さん!良かった……」
「良かったわね。ところでそいつはなんでいるの」
気づかなかったが、なんかもう一人いる。そいつは喋った。
「久しぶりですね!鴇先生。相変わらずお美しい!」
僕は無視か。平尾さんは、なんとなくピラミッドを探索していたらしい。
「うるさい。ここを出たら情報だけもらうわ」
鴇先生は厳しい。平尾さんはめげないが。
ピラミッドを攻略して、最寄りの村で休むことになった。行く前は、まさか1人増えるなんて思わなかった。
「では、私が知っている情報をお話しましょう」
平尾さんの言うことには、この世界に来る瞬間のことは覚えていないが、ちょうどセイを尾けていたので(?)セイが消えたところが一瞬見えたらしい。
「だから桃本さんのいとこもこっちに来てるでしょうし、私は服部さんもいると踏んでいます!その犬、服部さんのでしょう」
「えっ!大丈夫でしょうか……」
七森さんの心配ももっともだ。僕らは鴇先生がいたから大丈夫だが、服部くんもセイも肉体的に強くはないだろう。せめて一緒にいたらいいが。
「あなたは起きた時どこにいたの」
「わたしは、起きたらこの村でした。誠一郎さん達はまた別の場所かもしれません」