転生したレジスタンスのメディック
彼らの再会
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子供のころ、貴銃士ものの絵本を読むのが好きだった。好きだったけど、なにかが違うと思ってた。なにかが違う。これは俺の物語じゃない。
何故か繰り返すその気持ちはだんだん大きくなって、年齢を重ねるたびにはっきりとしてきた。
俺は昔、ローレンツライフルの貴銃士だった。
だから、残された物語に違和感を抱いていたんだ。今に語り継がれる物語は人々によって脚色されたり、誤謬があったり、それは仕方ないことだ、ってことはわかってる。だから、今に語り継がれる貴銃士の話は「伝説」でしかない。ただでさえ現実味のない存在だ。史実として認められているのは、レジスタンスとして戦った人々と、そんな人々を束ねたリーダーたちだけ。
「しかし、だからといって、貴銃士という存在が、すべて架空、ではない。それに類する存在が、レジスタンスのなかには存在した、と私は考えている・・・」
レポートを打つ俺の部屋のドアをノックする音に気づいて、俺は立ち上がった。
「はーい・・・」
返事をしながら開けたドアの向こうにいる人に俺はびくりと肩を震わせる。ああ、開けなきゃ良かった・・・。
「シャスポーさん・・・」
苛立たしそうに腕を組んで俺を見下ろすのは、隣室のシャスポーさんだ。
よりによって下宿の隣人がシャスポーさんなんて・・・。せめても記憶が無かったら良かったのに・・・なんて、引っ越してから何度思っただろう。
「お、ローレンツじゃないか!」
「タ、タバティエールさん!?」
シャスポーさんの後ろから聞こえた聞き覚えのある声。その姿に驚いていると、シャスポーさんは遠慮なしに俺の部屋に入ってくる。
「ニュースってのはまさかこれか、シャスポー?」
「ニュース?」
「シャスポーからニュースがある、って聞いて来てみたんだが、まさかローレンツがいるとはなぁ」
にこにこと笑うタバティエールさんもいつの間にか俺の部屋に入るから、俺は仕方なく冷蔵庫からお茶を出す。
「こぼすなよー?」と心配してくれるタバティエールさんと当たり前みたいに座るシャスポーさんにお茶を出すと、シャスポーさんが「で?」と口を開いた。
「タバティエールこそ、なにかニュースがあるんだろ?」
タバティエールさんとシャスポーさんの関係って・・・?という俺の疑問を察したのか、タバティエールさんが苦笑混じりに「俺とシャスポーはいとこなんだよ」とこっそり耳打ちしてくれた。
「そうそう、ニュースな。最近、俺は新しい仕事に就いたんだが・・・これがデカイ屋敷でなあ。老婦人が一人で住んでて、家政婦やら料理人やらがいるんだが・・・」
「その料理人になったという話ならこの間連絡してきたじゃないか」
「まあまあ、最後まで聞けって」
苦笑いで制するタバティエールさんはさも重大ニュースというように俺とシャスポーさんを見回す。
「そこで出会ったんだなぁ、エリカちゃんに」
「・・・!」
驚いて身を乗り出すシャスポーさんと「あ、それ、タバティエールさんだったんだ・・・」と呟く俺は多分同時だった。
「それ、って・・・ローレンツは驚かないのか、その・・・」
「はい。エリカさんとは図書館でお会いしたので」
そう答えた俺がそのあと夜通し「なんでそれを僕に話さないんだっ!」ってシャスポーさんに叱られたのは紛れもない事実だ。
何故か繰り返すその気持ちはだんだん大きくなって、年齢を重ねるたびにはっきりとしてきた。
俺は昔、ローレンツライフルの貴銃士だった。
だから、残された物語に違和感を抱いていたんだ。今に語り継がれる物語は人々によって脚色されたり、誤謬があったり、それは仕方ないことだ、ってことはわかってる。だから、今に語り継がれる貴銃士の話は「伝説」でしかない。ただでさえ現実味のない存在だ。史実として認められているのは、レジスタンスとして戦った人々と、そんな人々を束ねたリーダーたちだけ。
「しかし、だからといって、貴銃士という存在が、すべて架空、ではない。それに類する存在が、レジスタンスのなかには存在した、と私は考えている・・・」
レポートを打つ俺の部屋のドアをノックする音に気づいて、俺は立ち上がった。
「はーい・・・」
返事をしながら開けたドアの向こうにいる人に俺はびくりと肩を震わせる。ああ、開けなきゃ良かった・・・。
「シャスポーさん・・・」
苛立たしそうに腕を組んで俺を見下ろすのは、隣室のシャスポーさんだ。
よりによって下宿の隣人がシャスポーさんなんて・・・。せめても記憶が無かったら良かったのに・・・なんて、引っ越してから何度思っただろう。
「お、ローレンツじゃないか!」
「タ、タバティエールさん!?」
シャスポーさんの後ろから聞こえた聞き覚えのある声。その姿に驚いていると、シャスポーさんは遠慮なしに俺の部屋に入ってくる。
「ニュースってのはまさかこれか、シャスポー?」
「ニュース?」
「シャスポーからニュースがある、って聞いて来てみたんだが、まさかローレンツがいるとはなぁ」
にこにこと笑うタバティエールさんもいつの間にか俺の部屋に入るから、俺は仕方なく冷蔵庫からお茶を出す。
「こぼすなよー?」と心配してくれるタバティエールさんと当たり前みたいに座るシャスポーさんにお茶を出すと、シャスポーさんが「で?」と口を開いた。
「タバティエールこそ、なにかニュースがあるんだろ?」
タバティエールさんとシャスポーさんの関係って・・・?という俺の疑問を察したのか、タバティエールさんが苦笑混じりに「俺とシャスポーはいとこなんだよ」とこっそり耳打ちしてくれた。
「そうそう、ニュースな。最近、俺は新しい仕事に就いたんだが・・・これがデカイ屋敷でなあ。老婦人が一人で住んでて、家政婦やら料理人やらがいるんだが・・・」
「その料理人になったという話ならこの間連絡してきたじゃないか」
「まあまあ、最後まで聞けって」
苦笑いで制するタバティエールさんはさも重大ニュースというように俺とシャスポーさんを見回す。
「そこで出会ったんだなぁ、エリカちゃんに」
「・・・!」
驚いて身を乗り出すシャスポーさんと「あ、それ、タバティエールさんだったんだ・・・」と呟く俺は多分同時だった。
「それ、って・・・ローレンツは驚かないのか、その・・・」
「はい。エリカさんとは図書館でお会いしたので」
そう答えた俺がそのあと夜通し「なんでそれを僕に話さないんだっ!」ってシャスポーさんに叱られたのは紛れもない事実だ。