転生したレジスタンスのメディック
彼らの再会
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聞いたことがあるメロディに思わず手が止まった。テレビから流れる綺麗なメロディ。緩やかに流れるそれは、あの日カフェで聞いた音楽だ。
「ローレンツさんが好きな曲だ・・・」
小さく呟いたら、奥様が首を傾げた。
図書館に向かう。その足は少しだけ小走りになって、私は軽く息を弾ませる。急がないと図書館が閉まっちゃう。仕事が終わって、夕暮れもだいぶ濃くなって、本当ならまっすぐ帰ったほうが良いのはわかってるけど、今日はどうしてもローレンツさんに会いたかった。
ローレンツさんは不思議だ。
初めて会ったときからちっとも緊張しなかった。まるで、昔から知ってるみたいな感じ。優しくて、物識りで、私なんかじゃ全然読めないくらい難しい本を読んでいる。楽しそうに歴史の話をするきらきらした瞳や、少しだけシャイな表情がかわいくて、いつも引き込まれる。お兄ちゃんみたいな、弟みたいな。男の子のお友達は初めてだけど、全然怖くない。
男の子はちょっと苦手だった。大きな声で騒いだり、はしゃいだり。なんだか幼稚な感じがする、って思ってたのに、だんだん「異性」になって、私たち女の子とは違う生き物になっていく。それなのに、ローレンツさんは一緒にいても楽しいし、もっともっと一緒にいたいと思う。不思議だ。男の人なのに。
「ローレンツさん!」
閉館間際の図書館。声をかけた私に驚いて、ローレンツさんが私に「どうしたんですか?」って聞いてくる。
「ど、ど、どうしたんですか?こんな時間に」
「えっと・・・」
会いたかったから、とは言えなくて、私は口ごもる。
「あ、あの、もう少しで退勤なんで、待ってて、くれますか?」
「え?」
「暗くなってきましたから、家まで送らせてください」
「・・・!」
どうしよう。特別な台詞じゃないのに、すごく嬉しい。まるで私、お姫様みたいな気分だ。
ローレンツさんのお仕事が終わって、図書館を出る。私の家に向かう途中、私は思いきって少しだけ寄り道をお願いした。誰もいない公園。街頭に照らされたベンチと砂場とブランコ。
「どうしたんですか?」ってベンチに座りながら再度聞かれて、私はついに白状した。
「今日、奥様が見てたテレビからローレンツさんの好きな曲が流れて、それでなんだか会いたくなって」
見上げたローレンツさんは目をまん丸にしてる。それはそうだろう。今の私の台詞、まるでローレンツさんに恋をしてるみたい。
「あ、あの曲、ダンスがあるんですね!テレビのなかで男の人と女の人がくるくる踊って」
綺麗なドレスを着て、綺麗な音楽にあわせて踊る。お話に出てくる「舞踏会」みたい。
「ろ、ローレンツさんも踊れますか?」
「え!?あ、あの・・・あんまり得意じゃなくて・・・」
「でも、知ってる?」
「ま、まあ・・・」
困ったようにうなずいたローレンツさんがかわいくて、私はふいにちょっと悪戯な気持ちになった。
「ローレンツさん、踊りましょう!」
「え!?」
「教えてください!」
そう言ったときは全然平気だったのに。
思ったよりもローレンツさんが近い。私より全然背が高いローレンツさんの手は大きくて、間近で見たローレンツさんの顔がびっくりするくらい綺麗で。心のなかで思わず「ずるい」と呟いた。
それにしてもなんだろう。ローレンツさんと踊る、この光景には記憶がある。そんなはずないのに。
思わず見上げた先にあるローレンツさんがなんだか痛みをこらえる顔をするから、なんだか私の胸が痛んだ。
→
「ローレンツさんが好きな曲だ・・・」
小さく呟いたら、奥様が首を傾げた。
図書館に向かう。その足は少しだけ小走りになって、私は軽く息を弾ませる。急がないと図書館が閉まっちゃう。仕事が終わって、夕暮れもだいぶ濃くなって、本当ならまっすぐ帰ったほうが良いのはわかってるけど、今日はどうしてもローレンツさんに会いたかった。
ローレンツさんは不思議だ。
初めて会ったときからちっとも緊張しなかった。まるで、昔から知ってるみたいな感じ。優しくて、物識りで、私なんかじゃ全然読めないくらい難しい本を読んでいる。楽しそうに歴史の話をするきらきらした瞳や、少しだけシャイな表情がかわいくて、いつも引き込まれる。お兄ちゃんみたいな、弟みたいな。男の子のお友達は初めてだけど、全然怖くない。
男の子はちょっと苦手だった。大きな声で騒いだり、はしゃいだり。なんだか幼稚な感じがする、って思ってたのに、だんだん「異性」になって、私たち女の子とは違う生き物になっていく。それなのに、ローレンツさんは一緒にいても楽しいし、もっともっと一緒にいたいと思う。不思議だ。男の人なのに。
「ローレンツさん!」
閉館間際の図書館。声をかけた私に驚いて、ローレンツさんが私に「どうしたんですか?」って聞いてくる。
「ど、ど、どうしたんですか?こんな時間に」
「えっと・・・」
会いたかったから、とは言えなくて、私は口ごもる。
「あ、あの、もう少しで退勤なんで、待ってて、くれますか?」
「え?」
「暗くなってきましたから、家まで送らせてください」
「・・・!」
どうしよう。特別な台詞じゃないのに、すごく嬉しい。まるで私、お姫様みたいな気分だ。
ローレンツさんのお仕事が終わって、図書館を出る。私の家に向かう途中、私は思いきって少しだけ寄り道をお願いした。誰もいない公園。街頭に照らされたベンチと砂場とブランコ。
「どうしたんですか?」ってベンチに座りながら再度聞かれて、私はついに白状した。
「今日、奥様が見てたテレビからローレンツさんの好きな曲が流れて、それでなんだか会いたくなって」
見上げたローレンツさんは目をまん丸にしてる。それはそうだろう。今の私の台詞、まるでローレンツさんに恋をしてるみたい。
「あ、あの曲、ダンスがあるんですね!テレビのなかで男の人と女の人がくるくる踊って」
綺麗なドレスを着て、綺麗な音楽にあわせて踊る。お話に出てくる「舞踏会」みたい。
「ろ、ローレンツさんも踊れますか?」
「え!?あ、あの・・・あんまり得意じゃなくて・・・」
「でも、知ってる?」
「ま、まあ・・・」
困ったようにうなずいたローレンツさんがかわいくて、私はふいにちょっと悪戯な気持ちになった。
「ローレンツさん、踊りましょう!」
「え!?」
「教えてください!」
そう言ったときは全然平気だったのに。
思ったよりもローレンツさんが近い。私より全然背が高いローレンツさんの手は大きくて、間近で見たローレンツさんの顔がびっくりするくらい綺麗で。心のなかで思わず「ずるい」と呟いた。
それにしてもなんだろう。ローレンツさんと踊る、この光景には記憶がある。そんなはずないのに。
思わず見上げた先にあるローレンツさんがなんだか痛みをこらえる顔をするから、なんだか私の胸が痛んだ。
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