転生したレジスタンスのメディック
彼らの再会
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マスターエリカはローレンツライフルの貴銃士と恋をする。手を繋ぐのが精一杯の清らかな恋。
「それは、マスターエリカが性被害に遭っていたから」
人身売買の被害者だったマスターエリカは男性恐怖症を隠していた。
「男性に触れられることを極端に恐れていたマスターエリカはローレンツに惹かれながらも、その壁を超えることはできなかった。そして、ローレンツもまた、最愛の人に嫌われることが怖くて、一線を超えることができなかったんです」
「・・・なんですか、それ」
私の知ってるマスターエリカの話じゃない。それに、それが私となんの関係があるって言うんだろう。
「これは、俺しか知らない事実です」
「ローレンツさんしか知らない?」
まだ有名じゃない文献の話?
「これはどんな文献にも伝承にもありません。何故なら」
これを知ってるのは「あのときのローレンツライフルの貴銃士」だけだからです。
「マスターエリカはこのことを恋人であったローレンツライフルにしか話していません。彼女の上官である恭遠・グランバードはじめ、誰も知らない事実です」
「なんでそれをローレンツさんが・・・」
「それは、俺が・・・」
俺があのときのローレンツライフルの記憶を持ってるからです。
「・・・なんて、やっぱり信じられませんよね?」
ローレンツさんは困ったように笑う。ベッドの中。抱き合ったままで告げられた言葉に私はどう反応したら良いんだろう。
「理屈は分かりません。でも、‘物’であった俺たち貴銃士には記憶があって、‘人’であったエリカさんには記憶がない。考えられるのは前世が‘何者であったか’が共通する、ということで」
「待ってください!」
それは、つまり・・・。
「私がマスターエリカ、だと?それに、俺‘たち’って・・・」
「少し前に話しましたよね、俺の‘昔の’恋人の話」
「でも、私は・・・!」
「ひと目で分かりました。あなたはエリカさんであってエリカさんじゃない」
「でも・・・じゃあ、なんであのとき嘘ついたんですか!?」
「信じないでしょう?『あなたは前世マスターで、俺と恋人だった』なんて」
「それは・・・」
「マルガリータ君もそうだったんだと思います。エリカさんに記憶がないことに、あのときすぐに気づいた。何故なら、かつてマスターエリカに召銃された貴銃士マルガリータはマスターに抱きついて、怯えられた。でも、あなたは驚きこそすれ、拒絶はしなかった」
「・・・あのとき・・・。でも、言ってくれたら私だって・・・」
「俺は、エリカさんに記憶がないなら、それでかまわないと思いました。それなら、あのときのマスターさんが負ってしまった心の傷はあなたにはない」
マスターエリカは人身売買で・・・。
「っ!」
暗い、簡素な部屋。そこで怯え、泣き叫ぶ少女は抵抗もむなしく、汚される。抵抗すれば殴られて、逃げたくても押さえつけられて、感じるいろんな痛み。
「・・・やめて・・・」
脳裏に浮かぶ光景が怖くて、私はギュッと目を閉じる。
「・・・やめて・・・」
「エリカさん!」
「怖い・・・怖いの・・・嫌、嫌・・・」
「大丈夫です!大丈夫ですから!」
俺は絶対にあなたを傷つけませんから!
「もう、銃には戻りません!ずっとあなたを守りますから!」
だから、大丈夫ですから!
ローレンツさんの声が聞こえる。それだけを残して、私は意識を手放した。
→
「それは、マスターエリカが性被害に遭っていたから」
人身売買の被害者だったマスターエリカは男性恐怖症を隠していた。
「男性に触れられることを極端に恐れていたマスターエリカはローレンツに惹かれながらも、その壁を超えることはできなかった。そして、ローレンツもまた、最愛の人に嫌われることが怖くて、一線を超えることができなかったんです」
「・・・なんですか、それ」
私の知ってるマスターエリカの話じゃない。それに、それが私となんの関係があるって言うんだろう。
「これは、俺しか知らない事実です」
「ローレンツさんしか知らない?」
まだ有名じゃない文献の話?
「これはどんな文献にも伝承にもありません。何故なら」
これを知ってるのは「あのときのローレンツライフルの貴銃士」だけだからです。
「マスターエリカはこのことを恋人であったローレンツライフルにしか話していません。彼女の上官である恭遠・グランバードはじめ、誰も知らない事実です」
「なんでそれをローレンツさんが・・・」
「それは、俺が・・・」
俺があのときのローレンツライフルの記憶を持ってるからです。
「・・・なんて、やっぱり信じられませんよね?」
ローレンツさんは困ったように笑う。ベッドの中。抱き合ったままで告げられた言葉に私はどう反応したら良いんだろう。
「理屈は分かりません。でも、‘物’であった俺たち貴銃士には記憶があって、‘人’であったエリカさんには記憶がない。考えられるのは前世が‘何者であったか’が共通する、ということで」
「待ってください!」
それは、つまり・・・。
「私がマスターエリカ、だと?それに、俺‘たち’って・・・」
「少し前に話しましたよね、俺の‘昔の’恋人の話」
「でも、私は・・・!」
「ひと目で分かりました。あなたはエリカさんであってエリカさんじゃない」
「でも・・・じゃあ、なんであのとき嘘ついたんですか!?」
「信じないでしょう?『あなたは前世マスターで、俺と恋人だった』なんて」
「それは・・・」
「マルガリータ君もそうだったんだと思います。エリカさんに記憶がないことに、あのときすぐに気づいた。何故なら、かつてマスターエリカに召銃された貴銃士マルガリータはマスターに抱きついて、怯えられた。でも、あなたは驚きこそすれ、拒絶はしなかった」
「・・・あのとき・・・。でも、言ってくれたら私だって・・・」
「俺は、エリカさんに記憶がないなら、それでかまわないと思いました。それなら、あのときのマスターさんが負ってしまった心の傷はあなたにはない」
マスターエリカは人身売買で・・・。
「っ!」
暗い、簡素な部屋。そこで怯え、泣き叫ぶ少女は抵抗もむなしく、汚される。抵抗すれば殴られて、逃げたくても押さえつけられて、感じるいろんな痛み。
「・・・やめて・・・」
脳裏に浮かぶ光景が怖くて、私はギュッと目を閉じる。
「・・・やめて・・・」
「エリカさん!」
「怖い・・・怖いの・・・嫌、嫌・・・」
「大丈夫です!大丈夫ですから!」
俺は絶対にあなたを傷つけませんから!
「もう、銃には戻りません!ずっとあなたを守りますから!」
だから、大丈夫ですから!
ローレンツさんの声が聞こえる。それだけを残して、私は意識を手放した。
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