転生したレジスタンスのメディック
彼らの再会
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背中を眺める。小さくなる背中。それが人のなかに消えて、俺は不安になる。追いかけたら拒絶されそうで。何も怒らせるようなことはしてないつもりだけど。
所在なく立ち尽くす俺の視界を横切るカップルは幸せそうに肩を寄せあって、それが少し羨ましい。俺たちだって、きっとそんな風に見えるはず、だけど・・・。
今のエリカさんがあの頃のエリカさんとは違うことは頭では分かっているつもりだけど、やっぱり拒絶されるのが怖くて、まだ手を繋ぐことすらできないでいる。こんなことなら、俺の記憶だってなくて良かったのに。
ため息を吐いた。白い息が吐き出されて消えていく。それを眺めて下を向く俺の頬に熱いものが触れて、俺はびくりとする。
「・・・あ。エリカさん・・・」
振り返った先には2つの紙コップを持って笑うエリカさんの姿。悪戯な笑顔はかわいくて、今すぐに抱きしめたくなる。
「お待たせしました!」と笑いながら中身を確かめて俺にコーヒーを渡すエリカさんの指が俺の指に触れる。たったそれだけで、こんなに緊張するなんて、本当に俺は情けない。エリカさんは一度自分の紙コップを包むように両手で持って、俺に微笑む。その笑顔に見惚れる俺の手を温かな温もりが包んだ。
「・・・!?」
驚いて硬直する俺に悪戯に笑ってエリカさんは「ローレンツさんの手、すっごく冷たいです!」なんて笑う。
「あ、あ、あ、あの・・・」
分かってる。今のエリカさんはあの頃の傷を隠したエリカさんじゃない。でも・・・。
真っ赤になっているだろう俺は小さく俯く。ああ、本当に俺って情けない。
「・・・嫌、ですか?」
「え?」
「手を繋ぐの、好きじゃない?」
「そ、そ、そ、そんなことは!!」
違う。怖かった。振り払われるのが。拒絶されるのが。怯えた瞳を向けられるのが。
「・・・そうじゃ、ないんです、けど・・・びっくりした、というか・・・」
「はしたない、って思いますか?」
怯えた瞳が俺を見る。違う、これはそういう「怯え」じゃなくて・・・。
「そんなことは・・・。むしろ、嬉しいというか、その・・・」
ゴニョゴニョと唇を動かす俺の頬に触れた柔らかい感触。呆然とする俺にエリカさんは唇を尖らせる。
「ずっとずっと待ってるんですよ!」
「え・・・あ、あ、あ、あの・・・」
それは、その、そういうことを待ってる、ってこと、だよな・・・。
ぐるぐるまわる頭。顔が熱い。
「・・・あ、あ、あ、あのエリカ、さん・・・」
心臓が破裂しそうだ。
「キ、キス、しても、良い、ですか・・・?」
上目遣いの情けない俺にエリカさんは可愛らしい笑顔でうなずいた。
→
所在なく立ち尽くす俺の視界を横切るカップルは幸せそうに肩を寄せあって、それが少し羨ましい。俺たちだって、きっとそんな風に見えるはず、だけど・・・。
今のエリカさんがあの頃のエリカさんとは違うことは頭では分かっているつもりだけど、やっぱり拒絶されるのが怖くて、まだ手を繋ぐことすらできないでいる。こんなことなら、俺の記憶だってなくて良かったのに。
ため息を吐いた。白い息が吐き出されて消えていく。それを眺めて下を向く俺の頬に熱いものが触れて、俺はびくりとする。
「・・・あ。エリカさん・・・」
振り返った先には2つの紙コップを持って笑うエリカさんの姿。悪戯な笑顔はかわいくて、今すぐに抱きしめたくなる。
「お待たせしました!」と笑いながら中身を確かめて俺にコーヒーを渡すエリカさんの指が俺の指に触れる。たったそれだけで、こんなに緊張するなんて、本当に俺は情けない。エリカさんは一度自分の紙コップを包むように両手で持って、俺に微笑む。その笑顔に見惚れる俺の手を温かな温もりが包んだ。
「・・・!?」
驚いて硬直する俺に悪戯に笑ってエリカさんは「ローレンツさんの手、すっごく冷たいです!」なんて笑う。
「あ、あ、あ、あの・・・」
分かってる。今のエリカさんはあの頃の傷を隠したエリカさんじゃない。でも・・・。
真っ赤になっているだろう俺は小さく俯く。ああ、本当に俺って情けない。
「・・・嫌、ですか?」
「え?」
「手を繋ぐの、好きじゃない?」
「そ、そ、そ、そんなことは!!」
違う。怖かった。振り払われるのが。拒絶されるのが。怯えた瞳を向けられるのが。
「・・・そうじゃ、ないんです、けど・・・びっくりした、というか・・・」
「はしたない、って思いますか?」
怯えた瞳が俺を見る。違う、これはそういう「怯え」じゃなくて・・・。
「そんなことは・・・。むしろ、嬉しいというか、その・・・」
ゴニョゴニョと唇を動かす俺の頬に触れた柔らかい感触。呆然とする俺にエリカさんは唇を尖らせる。
「ずっとずっと待ってるんですよ!」
「え・・・あ、あ、あ、あの・・・」
それは、その、そういうことを待ってる、ってこと、だよな・・・。
ぐるぐるまわる頭。顔が熱い。
「・・・あ、あ、あ、あのエリカ、さん・・・」
心臓が破裂しそうだ。
「キ、キス、しても、良い、ですか・・・?」
上目遣いの情けない俺にエリカさんは可愛らしい笑顔でうなずいた。
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