転生したレジスタンスのメディック
彼らの再会
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むかしむかし、あるところに人間の女の子に恋をした一挺の古銃がありました。古銃は必死に語りかけました。女の子が嬉しいときも、女の子が悲しいときも。けれども、その言葉はどう頑張っても音を発することはありません。だから、必死で願いました。
もしも願いが叶うなら、人間になって、またマスターさんを守りたい。
「って、さすがにロマンチックすぎるか」
わざと呟いて、鼻で笑った。いくらおとぎ話が好きなエリカちゃんでも、こんな甘ったるい話は喜ばないだろう。
下ごしらえを手伝ってくれるあいだローレンツの話ばかりしていたエリカちゃんは愚痴を言ったつもりなんだろうが、可愛いのろけ話でしかないそれに、ついつい頬がゆるむ。
「会える日が減っちゃうの、寂しくないんでしょうか」
「そんなことはないと思うけどねえ」
「でも、ローレンツさんずっとへらへらして、会えなくても大丈夫だ、なんて」
そりゃあ、ローレンツからしたら、互いに気持ちを伝えあえる、ってだけでじゅうぶん幸せだろう。
「タバティエールさんは好きな人と会えなくても平気なんですか?」
「うーん。条件次第、だな」
「条件?」
「ま、大人にはいろいろあるのよ」
相手がふらふら他の男を渡り歩いたり。
なんてことは口には出さないが、俺の返事が気に入らなかったのか、エリカちゃんは唇を尖らせる。
「私だって、大人です!」
「そうかねえ」
どうにもそうは見えない、ってことは内緒にしておいたほうが良いだろう。
「私だって、大人だから、ローレンツさんとたくさんデートしたいです。いろんなところに行って、いろんなことをして・・・」
「いろんなことねえ」
俺の記憶では、貴銃士だったローレンツとマスターだったエリカちゃんは手を繋ぐので精一杯の清らかな関係で、外野の憶測や心配をよそにマイペースな交際をしていた二人はやがて時間切れを迎えた。
「いろんなことって、例えば?」
悪戯心で聞いてみたが、これはセクハラになるのかね?
「例えば、って・・・」
エリカちゃんは困ったように口ごもる。ああ、こりゃあ俺の意図は分かってないな。
「遊園地、行ったり、映画見たり・・・」
「なるほどねえ」
こらえきれずに笑いが漏れる俺にエリカちゃんは首をかしげる。
「タバティエールさん?」
「いや、エリカちゃんは可愛いな、ってな」
笑い混じりな俺の言葉にエリカちゃんは「絶対今の誉めてないですよね!」と抗議をする。そんな姿を眺めながら、案外俺自身、こうやってまたエリカちゃんと言葉を交わせることを楽しんでいるんだな、なんてのんきなことを考えていた。
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もしも願いが叶うなら、人間になって、またマスターさんを守りたい。
「って、さすがにロマンチックすぎるか」
わざと呟いて、鼻で笑った。いくらおとぎ話が好きなエリカちゃんでも、こんな甘ったるい話は喜ばないだろう。
下ごしらえを手伝ってくれるあいだローレンツの話ばかりしていたエリカちゃんは愚痴を言ったつもりなんだろうが、可愛いのろけ話でしかないそれに、ついつい頬がゆるむ。
「会える日が減っちゃうの、寂しくないんでしょうか」
「そんなことはないと思うけどねえ」
「でも、ローレンツさんずっとへらへらして、会えなくても大丈夫だ、なんて」
そりゃあ、ローレンツからしたら、互いに気持ちを伝えあえる、ってだけでじゅうぶん幸せだろう。
「タバティエールさんは好きな人と会えなくても平気なんですか?」
「うーん。条件次第、だな」
「条件?」
「ま、大人にはいろいろあるのよ」
相手がふらふら他の男を渡り歩いたり。
なんてことは口には出さないが、俺の返事が気に入らなかったのか、エリカちゃんは唇を尖らせる。
「私だって、大人です!」
「そうかねえ」
どうにもそうは見えない、ってことは内緒にしておいたほうが良いだろう。
「私だって、大人だから、ローレンツさんとたくさんデートしたいです。いろんなところに行って、いろんなことをして・・・」
「いろんなことねえ」
俺の記憶では、貴銃士だったローレンツとマスターだったエリカちゃんは手を繋ぐので精一杯の清らかな関係で、外野の憶測や心配をよそにマイペースな交際をしていた二人はやがて時間切れを迎えた。
「いろんなことって、例えば?」
悪戯心で聞いてみたが、これはセクハラになるのかね?
「例えば、って・・・」
エリカちゃんは困ったように口ごもる。ああ、こりゃあ俺の意図は分かってないな。
「遊園地、行ったり、映画見たり・・・」
「なるほどねえ」
こらえきれずに笑いが漏れる俺にエリカちゃんは首をかしげる。
「タバティエールさん?」
「いや、エリカちゃんは可愛いな、ってな」
笑い混じりな俺の言葉にエリカちゃんは「絶対今の誉めてないですよね!」と抗議をする。そんな姿を眺めながら、案外俺自身、こうやってまたエリカちゃんと言葉を交わせることを楽しんでいるんだな、なんてのんきなことを考えていた。
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