転生したレジスタンスのメディック
彼らの再会
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
背が低いことは昔からコンプレックスだった。小さい体に子供みたいな顔。未だに中学生に間違えられちゃうときだってある。
「それにしても、なんで一番上・・・」
図書館の一番上の棚にある本は私の手がギリギリ届かない。
「これが読みたいの?」
ふいに声をかけられて振り返ると、口元にほくろのある、綺麗な顔の男の子が私が読みたい本を手に微笑んでいる。
「あ、あの・・・」
まさか「自分が取ったから自分が借りる」なんて意地悪は言わないとは思うけど、恐る恐る男の子を見ると、男の子はにこりと笑って私に本を差し出してくれた。
「あ、ありがとうございます」
「君の助けになれたなら、嬉しいな」
「はあ・・・」
まさか、とは思うけど、これってナンパってやつなのかな・・・?
ドキドキしながら曖昧に返事をすると、男の子は相変わらず綺麗な笑顔で私の手元の本を覗きこんだ。
「お菓子を作るのが好きなの?」
「い、いえ、これは、その・・・」
お菓子作りなんてしたことがない。でも、タバティエールさんはまだまだ教えてくれないみたいだから、独学で作るしかなくて、私は本を探してた、というのが本当のところ。
「作ったことはないんです。でも、やってみたくて」
私の返事に男の子は「そう」と返して、悲しそうな顔をする。
「作ってあげたい奴がいるんだね」
「え、そ、そんなわけじゃ・・・」
本当はローレンツさんに食べて欲しいけど。
「わ、私、本当に上手に作れるかも分からないし、喜んでもらえるかも分からないし・・・」
ああ、段々自信がなくなってきた。よく考えたら、ローレンツさんが甘いものが好きなのかもわからない。
何も知らないんだ。好きな曲以外。
しゅんと俯く私に視線をあわせるように屈みこんで、男の子はにこりと笑った。
「大丈夫だよ。君が心を込めて作ったものならきっと美味しいから。それに、旧式の分際で好き嫌いなんて、生意気だしね」
「旧式?」
首をかしげる私に男の子は少し困った顔をする。「なんでもないよ」と笑った男の子に問い質そうとしたときだった。
「エリカさん?」
棚を覗きこんできたローレンツさんに見つかって、私はなんだか決まりが悪くなる。隠すものでもないのに咄嗟に本を隠して、作り笑いを浮かべる私に首を傾げて、そしてローレンツさんは目を丸くする。
「シャ、シャスポーさん!?」
慌てたようなローレンツさんの声。二人は知り合い?
「な、なんでこんなところに・・・」
「僕が図書館に来たらダメだっていうのか?」
「ち、違います!ただ、び、びっくりしたというか・・・」
「ちょうど良い。フランス文学の棚を探していたんだ。案内しろ」
「は、はいぃ」
さっきまでとは違う男の子の剣幕にびっくりする私に振り返って、男の子はウインクを投げる。私を助けてくれた・・・?
頭に沢山「?」をつけたまま、私は二人を呆然と見送った。
→
「それにしても、なんで一番上・・・」
図書館の一番上の棚にある本は私の手がギリギリ届かない。
「これが読みたいの?」
ふいに声をかけられて振り返ると、口元にほくろのある、綺麗な顔の男の子が私が読みたい本を手に微笑んでいる。
「あ、あの・・・」
まさか「自分が取ったから自分が借りる」なんて意地悪は言わないとは思うけど、恐る恐る男の子を見ると、男の子はにこりと笑って私に本を差し出してくれた。
「あ、ありがとうございます」
「君の助けになれたなら、嬉しいな」
「はあ・・・」
まさか、とは思うけど、これってナンパってやつなのかな・・・?
ドキドキしながら曖昧に返事をすると、男の子は相変わらず綺麗な笑顔で私の手元の本を覗きこんだ。
「お菓子を作るのが好きなの?」
「い、いえ、これは、その・・・」
お菓子作りなんてしたことがない。でも、タバティエールさんはまだまだ教えてくれないみたいだから、独学で作るしかなくて、私は本を探してた、というのが本当のところ。
「作ったことはないんです。でも、やってみたくて」
私の返事に男の子は「そう」と返して、悲しそうな顔をする。
「作ってあげたい奴がいるんだね」
「え、そ、そんなわけじゃ・・・」
本当はローレンツさんに食べて欲しいけど。
「わ、私、本当に上手に作れるかも分からないし、喜んでもらえるかも分からないし・・・」
ああ、段々自信がなくなってきた。よく考えたら、ローレンツさんが甘いものが好きなのかもわからない。
何も知らないんだ。好きな曲以外。
しゅんと俯く私に視線をあわせるように屈みこんで、男の子はにこりと笑った。
「大丈夫だよ。君が心を込めて作ったものならきっと美味しいから。それに、旧式の分際で好き嫌いなんて、生意気だしね」
「旧式?」
首をかしげる私に男の子は少し困った顔をする。「なんでもないよ」と笑った男の子に問い質そうとしたときだった。
「エリカさん?」
棚を覗きこんできたローレンツさんに見つかって、私はなんだか決まりが悪くなる。隠すものでもないのに咄嗟に本を隠して、作り笑いを浮かべる私に首を傾げて、そしてローレンツさんは目を丸くする。
「シャ、シャスポーさん!?」
慌てたようなローレンツさんの声。二人は知り合い?
「な、なんでこんなところに・・・」
「僕が図書館に来たらダメだっていうのか?」
「ち、違います!ただ、び、びっくりしたというか・・・」
「ちょうど良い。フランス文学の棚を探していたんだ。案内しろ」
「は、はいぃ」
さっきまでとは違う男の子の剣幕にびっくりする私に振り返って、男の子はウインクを投げる。私を助けてくれた・・・?
頭に沢山「?」をつけたまま、私は二人を呆然と見送った。
→