転生したレジスタンスのメディック
彼らの再会
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初めて訪れた街の図書館で俺は持てるだけの本を抱えて座る場所を探す。「学生」という立場になった俺が時間をつぶすには、図書館はかっこうの場所だ。
「よいしょ」
思わず呟きながら本を置いたテーブルの先に一人の少女を見つけて、俺の心臓は跳び跳ねた。
エリカ、さん・・・?
亜麻色の髪を2つに結った、小さな少女。俺の記憶にある彼女なら、多分見た目よりはうんと年上のはずだけど。
俺は昔、ローレンツライフルの貴銃士だった。
なんて、人に言ったら頭がおかしいと思われるけど。
世界帝の圧政とそれに立ち向かったレジスタンス。それはこの世界の正史。けど、古銃から召銃された貴銃士の存在は、今や伝説になってて史実として扱われることは少ない。
そんな貴銃士としての記憶がある、なんて、さすがに誰にも言わない秘密だ。
「・・・?」
少女をぼんやりと眺める俺に気づいて、少女は俺を見つめて首を傾げた。
「あ、あの・・・」
あわてて取り繕う俺と俺の傍らの本を見比べて、少女は目を丸くした。
「そんなにたくさん!?」
音を発しないで動いた唇が俺を糾弾している。
「あ、あの・・・」
しどろもどろな俺に少女は笑って、自分の隣の椅子を指差す。
「座りますか?」
また音を発しないまま問いかけられて、俺は緊張しながら頷いた。少女が俺を覚えているはずはない。だから、きっとこれは純粋な好意だ。
少女は俺が抱えた本を再度眺めて、「これ、全部読むんですか?」と小声で尋ねた。
「借りられる本は3冊までですよ?」
「え、ま、まあ・・・」
確かに欲張り過ぎたかな、とは思うし、勿論このなかから吟味して借りるつもりだと答えて本を読み始める。ふいに甘い匂いがして、隣に視線を向けた。テーブルに乗った、小さな包み紙。少女はイタズラがバレたみたいな顔ではにかんで、俺に飴玉を差し出す。
「図書館で物を食べたらダメ、ってわかってるんですけど」
イタズラに微笑んだ少女から渡された飴玉。それが過去を思い出させて、胸が痛む。
『ローレンツさん、飴食べませんか?』
そう言って渡された、甘い味。それは、俺の甘い恋の記憶。かわいらしい包みに入ったそれを掌にのせたまま涙ぐむ俺を、少女は不思議そうに見つめていた。
→
「よいしょ」
思わず呟きながら本を置いたテーブルの先に一人の少女を見つけて、俺の心臓は跳び跳ねた。
エリカ、さん・・・?
亜麻色の髪を2つに結った、小さな少女。俺の記憶にある彼女なら、多分見た目よりはうんと年上のはずだけど。
俺は昔、ローレンツライフルの貴銃士だった。
なんて、人に言ったら頭がおかしいと思われるけど。
世界帝の圧政とそれに立ち向かったレジスタンス。それはこの世界の正史。けど、古銃から召銃された貴銃士の存在は、今や伝説になってて史実として扱われることは少ない。
そんな貴銃士としての記憶がある、なんて、さすがに誰にも言わない秘密だ。
「・・・?」
少女をぼんやりと眺める俺に気づいて、少女は俺を見つめて首を傾げた。
「あ、あの・・・」
あわてて取り繕う俺と俺の傍らの本を見比べて、少女は目を丸くした。
「そんなにたくさん!?」
音を発しないで動いた唇が俺を糾弾している。
「あ、あの・・・」
しどろもどろな俺に少女は笑って、自分の隣の椅子を指差す。
「座りますか?」
また音を発しないまま問いかけられて、俺は緊張しながら頷いた。少女が俺を覚えているはずはない。だから、きっとこれは純粋な好意だ。
少女は俺が抱えた本を再度眺めて、「これ、全部読むんですか?」と小声で尋ねた。
「借りられる本は3冊までですよ?」
「え、ま、まあ・・・」
確かに欲張り過ぎたかな、とは思うし、勿論このなかから吟味して借りるつもりだと答えて本を読み始める。ふいに甘い匂いがして、隣に視線を向けた。テーブルに乗った、小さな包み紙。少女はイタズラがバレたみたいな顔ではにかんで、俺に飴玉を差し出す。
「図書館で物を食べたらダメ、ってわかってるんですけど」
イタズラに微笑んだ少女から渡された飴玉。それが過去を思い出させて、胸が痛む。
『ローレンツさん、飴食べませんか?』
そう言って渡された、甘い味。それは、俺の甘い恋の記憶。かわいらしい包みに入ったそれを掌にのせたまま涙ぐむ俺を、少女は不思議そうに見つめていた。
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