彼らの出会い
レジスタンスのメディック
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一度だけ、お客様の「相手」をしたことがある。私が「商品」になってすぐの頃だ。私は何も知らされないまま、お客様の部屋に行かされた。少しだけ綺麗なお洋服を着せられて、向かった部屋で、私はその綺麗なお洋服を脱がされた。
その行為はただ怖くて、痛くて、もう二度としたくないと思った。たった一度だけ経験した、私の秘密。
結局私は体が小さすぎて、売られていくことはなかった。「痩せすぎて抱き心地が悪い」「感度が鈍い」そう言い捨てたというお客様のせいで、私は暫くご飯を無理矢理食べさせられそうになったけれど、もともと食が細い私は沢山食べては戻していたから、結局「商品」からはずされた。それ以来、私は更にご飯を食べられなくなった。沢山食べたら売られてしまう。体が小さいままなら、私はもうあんな思いをしなくて済むんだ。そう思うようになったから。お屋敷も「商品」の女の子に沢山ご飯を食べさせたがったから、ちょうど良かったのだろう。私は常に空腹で、でも、ご飯を食べられないことに少しだけ安堵していた。
そんな過去があるから、私は男性が苦手だ。レジスタンスに入った頃は恭遠さんにさえ怯えていた。その理由は告げることはできず、ただ「人見知り」で通しているけれど。
レジスタンスに入って、私は少しだけ男性に対する恐怖心を減らすことができた。優しい男性もいるんだ、って分かったから。けれど、私はきっと、「恋」をすることはない。自分を「女」として見られることは今だって嫌だ。「女」として見られるということは、またあの怖いことを求められることだから。
そう、思うんだけど・・・。
ベッドに丸まって、布団をかぶる。私のじゃない匂い。多分、これはローレンツさんのベッド。私はさっき、ローレンツさんに誘われて、二人でレコードを聴いていたから。
「聞いてください、エリカさん!蚤の市で買った蓄音機が直ったんです!」
そう言って楽しそうに笑うローレンツさんの誘いを、私は断れなかった。
ローレンツさんは優しい。私に楽しいお話を教えてくれる。それに、勉強熱心で、銃の鍛練だって一生懸命で、私は少しだけ、一緒にいても安心できる。あんなに真面目で優しい人が私に酷いことをするはずがない、って、どこかで思っているから。勿論、優しい貴銃士の方は沢山いるけど。
ローレンツさんがかけてくれたレコードは、緩やかな音楽だった。ずんちゃっちゃ、ずんちゃっちゃと繰り返される柔らかなメロディが心地よくて、私はいつの間にか眠ってしまったみたいだ。せっかく一緒に聴こう、って誘ってくれたのに、眠ってしまった私をローレンツさんはどう思っただろう。つまらないと思ったかな。そんなことを考えて、私はまたうとうとと瞼を閉じる。この匂いはローレンツさんの匂いなんだろうか。すごく安心して、なんだか眠くなっちゃう。「好き」ってこういうことなのかな・・・。
そんなことを考えるなんて、あり得ないはずなのに、私はなんだか心地よくて、そのまま、気づけばまた眠りに落ちていった。
その行為はただ怖くて、痛くて、もう二度としたくないと思った。たった一度だけ経験した、私の秘密。
結局私は体が小さすぎて、売られていくことはなかった。「痩せすぎて抱き心地が悪い」「感度が鈍い」そう言い捨てたというお客様のせいで、私は暫くご飯を無理矢理食べさせられそうになったけれど、もともと食が細い私は沢山食べては戻していたから、結局「商品」からはずされた。それ以来、私は更にご飯を食べられなくなった。沢山食べたら売られてしまう。体が小さいままなら、私はもうあんな思いをしなくて済むんだ。そう思うようになったから。お屋敷も「商品」の女の子に沢山ご飯を食べさせたがったから、ちょうど良かったのだろう。私は常に空腹で、でも、ご飯を食べられないことに少しだけ安堵していた。
そんな過去があるから、私は男性が苦手だ。レジスタンスに入った頃は恭遠さんにさえ怯えていた。その理由は告げることはできず、ただ「人見知り」で通しているけれど。
レジスタンスに入って、私は少しだけ男性に対する恐怖心を減らすことができた。優しい男性もいるんだ、って分かったから。けれど、私はきっと、「恋」をすることはない。自分を「女」として見られることは今だって嫌だ。「女」として見られるということは、またあの怖いことを求められることだから。
そう、思うんだけど・・・。
ベッドに丸まって、布団をかぶる。私のじゃない匂い。多分、これはローレンツさんのベッド。私はさっき、ローレンツさんに誘われて、二人でレコードを聴いていたから。
「聞いてください、エリカさん!蚤の市で買った蓄音機が直ったんです!」
そう言って楽しそうに笑うローレンツさんの誘いを、私は断れなかった。
ローレンツさんは優しい。私に楽しいお話を教えてくれる。それに、勉強熱心で、銃の鍛練だって一生懸命で、私は少しだけ、一緒にいても安心できる。あんなに真面目で優しい人が私に酷いことをするはずがない、って、どこかで思っているから。勿論、優しい貴銃士の方は沢山いるけど。
ローレンツさんがかけてくれたレコードは、緩やかな音楽だった。ずんちゃっちゃ、ずんちゃっちゃと繰り返される柔らかなメロディが心地よくて、私はいつの間にか眠ってしまったみたいだ。せっかく一緒に聴こう、って誘ってくれたのに、眠ってしまった私をローレンツさんはどう思っただろう。つまらないと思ったかな。そんなことを考えて、私はまたうとうとと瞼を閉じる。この匂いはローレンツさんの匂いなんだろうか。すごく安心して、なんだか眠くなっちゃう。「好き」ってこういうことなのかな・・・。
そんなことを考えるなんて、あり得ないはずなのに、私はなんだか心地よくて、そのまま、気づけばまた眠りに落ちていった。