彼らの出会い
レジスタンスのメディック
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食堂の裏。小さな鳴き声が聞こえる。その鳴き声に応える舌打ち。
「しょうがねえな!」
そう言いながら、ゲベールさんは猫にご飯をあげる。そんな姿を眺めていたら、後ろからクスクス笑う声が聞こえた。
「フルサトさん」
ゲベールさんを見て楽しそうに笑うフルサトさんは悪戯っぽく唇に指をあてて「しー」って囁く。
「ゲベールちゃん、すっかりなつかれちゃってるワね」
「はい。最初は猫のこと嫌いなのかな、って思ってたけど、ゲベールさんって、本当は猫が大好きなんですね」
ゲベールさんはまだ怖い。でも、猫にご飯をあげるときの目が優しくて、最近はちょっとだけ平気になった。
「んだよ、もうねえ、つってるじゃねえか!」
自分の足にすり寄る猫に困ったように言いながら、ゲベールさんは周りを見渡す。ふいに私と目があって、「なんだよ?」と睨まれた。
「俺が猫に餌やってんのがそんなに珍しいのかよ!?」
「・・・い、いえ・・・」
ビクッとなって、ゴニョゴニョ呟いていると、肩に重み。フルサトさんが私の肩に触ったんだ。
「もう!イジワルしたらダメ!エリカはゲベールちゃんと仲良くしたいのヨ?」
「え?」
ち、違う、けど、違わない、のかな・・・?
「わ、私はただ、ゲベールさんと猫が仲良しだなぁ、って」
私も猫と仲良くなりたいなぁ、って。
小さく呟く私に「ふふふ」と笑って、フルサトさんが歩き出す。猫を抱っこして、私に向けた。
「はい」
そう言って渡された猫を恐々抱っこする。子どもの頃に抱っこしたことはあるけど、これで良かったかな?猫はもぞもぞと動いて、私の腕から飛び出した。「あ!」って思ってる間にゲベールさんの方に戻る。
「あらら。よっぽどゲベールちゃんがスキなのネ」
困ったように笑うフルサトさんと、猫にすり寄られて困ったように頭を掻くゲベールさん。そんな光景を見ながら、私はふと悲しくなった。
猫だって体いっぱいで「大好き」を伝えるのに、私は何を怖がっているんだろう。
「やっぱり、ちゃんと伝えなきゃいけないんだ・・・」
大好き、って。言葉だけじゃなくて、全身で。
そう思って駆け出した私を止めるフルサトさんの声が聞こえたけど、私に立ち止まる余裕はない。多分、今行かなくちゃまた怖くなっちゃうから。
今なら、ローレンツさんに全身で「大好き」を伝えられる気がした。
→
「しょうがねえな!」
そう言いながら、ゲベールさんは猫にご飯をあげる。そんな姿を眺めていたら、後ろからクスクス笑う声が聞こえた。
「フルサトさん」
ゲベールさんを見て楽しそうに笑うフルサトさんは悪戯っぽく唇に指をあてて「しー」って囁く。
「ゲベールちゃん、すっかりなつかれちゃってるワね」
「はい。最初は猫のこと嫌いなのかな、って思ってたけど、ゲベールさんって、本当は猫が大好きなんですね」
ゲベールさんはまだ怖い。でも、猫にご飯をあげるときの目が優しくて、最近はちょっとだけ平気になった。
「んだよ、もうねえ、つってるじゃねえか!」
自分の足にすり寄る猫に困ったように言いながら、ゲベールさんは周りを見渡す。ふいに私と目があって、「なんだよ?」と睨まれた。
「俺が猫に餌やってんのがそんなに珍しいのかよ!?」
「・・・い、いえ・・・」
ビクッとなって、ゴニョゴニョ呟いていると、肩に重み。フルサトさんが私の肩に触ったんだ。
「もう!イジワルしたらダメ!エリカはゲベールちゃんと仲良くしたいのヨ?」
「え?」
ち、違う、けど、違わない、のかな・・・?
「わ、私はただ、ゲベールさんと猫が仲良しだなぁ、って」
私も猫と仲良くなりたいなぁ、って。
小さく呟く私に「ふふふ」と笑って、フルサトさんが歩き出す。猫を抱っこして、私に向けた。
「はい」
そう言って渡された猫を恐々抱っこする。子どもの頃に抱っこしたことはあるけど、これで良かったかな?猫はもぞもぞと動いて、私の腕から飛び出した。「あ!」って思ってる間にゲベールさんの方に戻る。
「あらら。よっぽどゲベールちゃんがスキなのネ」
困ったように笑うフルサトさんと、猫にすり寄られて困ったように頭を掻くゲベールさん。そんな光景を見ながら、私はふと悲しくなった。
猫だって体いっぱいで「大好き」を伝えるのに、私は何を怖がっているんだろう。
「やっぱり、ちゃんと伝えなきゃいけないんだ・・・」
大好き、って。言葉だけじゃなくて、全身で。
そう思って駆け出した私を止めるフルサトさんの声が聞こえたけど、私に立ち止まる余裕はない。多分、今行かなくちゃまた怖くなっちゃうから。
今なら、ローレンツさんに全身で「大好き」を伝えられる気がした。
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