彼らの出会い
レジスタンスのメディック
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誰かを好きになる、っていうことはなんとなくだけどわかった。ちっとも怖いことじゃない。ちょっとだけ苦しいけど、すごく幸せな気持ちだ。だから、大丈夫だと思った。ローレンツさんが私を好きだと言ってくれて、私は少しだけ自分の身なりに気を遣うようになった。エカチェリーナ様にいただいた綺麗なリボンで髪を結う。たったそれだけでも、おしゃれがちょっと楽しいと思える。もし、私の持ってるお金でお洋服が買えたら、ローレンツさんは誉めてくれるかな?そんなことを考えながら、鏡に向かう。
「エリカさん、俺です」
扉越しにかけられた声。それだけで嬉しくて、そして少しドキドキする。
あわてて開けたドアの向こうには、一冊の本を持ったローレンツさん。今日は一緒に本を読む約束をしていた。イエヤスさんたちの国のおとぎ話。
「えっと・・・むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました・・・」
イエヤスさんたちの国のお話はこの始まりばっかりだ。国によってお話の始まりも違うなんて面白いな。なんて考えて、本から顔をあげたときだった。
「・・・」
間近にあったローレンツさんの顔。なんだか恥ずかしくなって、顔を逸らす。今までだって、こんなことあったはずなのに、なんだか変だ。
「・・・えっと、その・・・」
なんとかごまかさなきゃ、って口を動かしながらローレンツさんを見る。ローレンツさんも真っ赤な顔で下を向いて、でも、ちらりと私を見たローレンツさんが、そっと私の肩に腕を回してきた。
「・・・っ!」
ダメだ。平気なふりしなきゃ。気づかれたくない。あんなみっともない過去なんて。
そう思うのに、気づけば私はカタカタと震えだしていた。
「エリカさん!?」
「あ・・・あの・・・あ・・・あ・・・あ・・・」
言葉にならない。呼吸が乱れて、苦しい。違う。ローレンツさんは私にひどいことなんかしない。私だって、ローレンツさんが好きなんだ。だから、これくらいで取り乱したらダメだ。そう思うのに、思えば思うほど、息ができなくなる。私の異変に慌てたローレンツさんがお医者様を呼びに行く。その姿を最後に、私の意識は遠退いていった。
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「エリカさん、俺です」
扉越しにかけられた声。それだけで嬉しくて、そして少しドキドキする。
あわてて開けたドアの向こうには、一冊の本を持ったローレンツさん。今日は一緒に本を読む約束をしていた。イエヤスさんたちの国のおとぎ話。
「えっと・・・むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました・・・」
イエヤスさんたちの国のお話はこの始まりばっかりだ。国によってお話の始まりも違うなんて面白いな。なんて考えて、本から顔をあげたときだった。
「・・・」
間近にあったローレンツさんの顔。なんだか恥ずかしくなって、顔を逸らす。今までだって、こんなことあったはずなのに、なんだか変だ。
「・・・えっと、その・・・」
なんとかごまかさなきゃ、って口を動かしながらローレンツさんを見る。ローレンツさんも真っ赤な顔で下を向いて、でも、ちらりと私を見たローレンツさんが、そっと私の肩に腕を回してきた。
「・・・っ!」
ダメだ。平気なふりしなきゃ。気づかれたくない。あんなみっともない過去なんて。
そう思うのに、気づけば私はカタカタと震えだしていた。
「エリカさん!?」
「あ・・・あの・・・あ・・・あ・・・あ・・・」
言葉にならない。呼吸が乱れて、苦しい。違う。ローレンツさんは私にひどいことなんかしない。私だって、ローレンツさんが好きなんだ。だから、これくらいで取り乱したらダメだ。そう思うのに、思えば思うほど、息ができなくなる。私の異変に慌てたローレンツさんがお医者様を呼びに行く。その姿を最後に、私の意識は遠退いていった。
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