彼らの出会い
レジスタンスのメディック
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ひそひそと交わされる声。唇を噛んで、その人は笑顔を作った。俺は、ただ見ているしかなくて、ただずっと、願っていた。
自由にしてあげたい。
自由になりたい。
だから、今、強く思うんだ。
今を楽しんで生きよう、って。
「おっはよー、マスター!」
俺の挨拶にマスターはちょっとだけびくっとして、そして笑顔を作った。
その笑顔、嫌だなぁ。
「お、おはようございます、マルガリータ様」
「もー!また【様】って呼んだ!」
「す、すみません・・・」
「はい、ちゃんと俺の名前呼んで?」
「マ、マルガリータさん」
「よくできましたー!」
頭を撫でる俺の手に一瞬びくっとして、マスターは少し恥ずかしそうに笑う。うん。この笑顔は好きかな。
「わ、私、長い間使用人だったので、どうしても【様】をつける癖がついてて」
「うんうん。恭遠さんから聞いたよー」
昔はもっともっとご飯が食べられなかったことも、もっともっと男の人が苦手だったことも。
『話しかけるといつも泣きそうな顔をしていた』って苦笑いを浮かべた恭遠さんが『なにか理由があるのだろうが、聞かないことにしている』って言ってた。
「マスターも頑張ってるんだよね」
小さく呟いた俺に「え?」ってマスターが聞き返すから、俺は「なんでもないよー」とおどけて返した。
実は、マスターに嫌われてるのかもしれない。そんなことを、ちょっとだけ考えた時があった。俺は自由になれたのが嬉しくて、初対面のマスターにハグをした。それから、マスターは少しだけ俺に怯えているような気がしたから。けど、俺だけじゃないんだ、って、男の人は皆そうなんだ、って気づいて、恭遠さんにそれとなーく聞いてみたら教えてくれたのが、さっきの話。
マスターは「人見知り」って言い張ってるみたいだけど、なんとなく分かる。男の人と女の人でマスターの反応は違うから。
「ねえねえ、マスター。恋バナしようよ!」
「こ、恋バナ、ですか・・・」
「ふっふっふー。俺、聞いちゃったんだけど、マスターってローレンツと良い感じなの?」
「え!?え!?」
「ねえねえ。どうなの?」
「そ、それは・・・」
マスターは真っ赤な顔でうつむいた。
「わ、私は、その、よくわからない、ので・・・」
「えー!つまんなーい!」
「だ、だって・・・」
なにかを言いかけたマスターは言葉を飲み込んだ。ひょっとして、言いたくないことを聞いちゃったのかな。
「別に良いよ」
気づけば俺はそう言って笑っていた。マスターを安心させるための困った笑顔だ。
「言いたくないなら聞かない」
でも、いつか、教えてくれたら良いな。恋バナも、楽しい話も、悲しい話も。いつか。俺がもっとマスターと仲良くなれたら。そしたら、マスターはきっともっと楽しい笑顔を、俺に見せてくれるかな・・・。
→
自由にしてあげたい。
自由になりたい。
だから、今、強く思うんだ。
今を楽しんで生きよう、って。
「おっはよー、マスター!」
俺の挨拶にマスターはちょっとだけびくっとして、そして笑顔を作った。
その笑顔、嫌だなぁ。
「お、おはようございます、マルガリータ様」
「もー!また【様】って呼んだ!」
「す、すみません・・・」
「はい、ちゃんと俺の名前呼んで?」
「マ、マルガリータさん」
「よくできましたー!」
頭を撫でる俺の手に一瞬びくっとして、マスターは少し恥ずかしそうに笑う。うん。この笑顔は好きかな。
「わ、私、長い間使用人だったので、どうしても【様】をつける癖がついてて」
「うんうん。恭遠さんから聞いたよー」
昔はもっともっとご飯が食べられなかったことも、もっともっと男の人が苦手だったことも。
『話しかけるといつも泣きそうな顔をしていた』って苦笑いを浮かべた恭遠さんが『なにか理由があるのだろうが、聞かないことにしている』って言ってた。
「マスターも頑張ってるんだよね」
小さく呟いた俺に「え?」ってマスターが聞き返すから、俺は「なんでもないよー」とおどけて返した。
実は、マスターに嫌われてるのかもしれない。そんなことを、ちょっとだけ考えた時があった。俺は自由になれたのが嬉しくて、初対面のマスターにハグをした。それから、マスターは少しだけ俺に怯えているような気がしたから。けど、俺だけじゃないんだ、って、男の人は皆そうなんだ、って気づいて、恭遠さんにそれとなーく聞いてみたら教えてくれたのが、さっきの話。
マスターは「人見知り」って言い張ってるみたいだけど、なんとなく分かる。男の人と女の人でマスターの反応は違うから。
「ねえねえ、マスター。恋バナしようよ!」
「こ、恋バナ、ですか・・・」
「ふっふっふー。俺、聞いちゃったんだけど、マスターってローレンツと良い感じなの?」
「え!?え!?」
「ねえねえ。どうなの?」
「そ、それは・・・」
マスターは真っ赤な顔でうつむいた。
「わ、私は、その、よくわからない、ので・・・」
「えー!つまんなーい!」
「だ、だって・・・」
なにかを言いかけたマスターは言葉を飲み込んだ。ひょっとして、言いたくないことを聞いちゃったのかな。
「別に良いよ」
気づけば俺はそう言って笑っていた。マスターを安心させるための困った笑顔だ。
「言いたくないなら聞かない」
でも、いつか、教えてくれたら良いな。恋バナも、楽しい話も、悲しい話も。いつか。俺がもっとマスターと仲良くなれたら。そしたら、マスターはきっともっと楽しい笑顔を、俺に見せてくれるかな・・・。
→