束の間の平和【入学と思い出作り編】
主人公の名前変更
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例の"並中生襲撃事件"から数ヶ月が経つ。事件以降しばらくは周りがピリピリとしていた時期もあったが、特に大きな問題が起こることもなくただただ平穏な日々が続いた。
四季も巡り、季節は桜の時期を迎えている。
「ミーちゃん!もう用意できたー?」
「待ってーもう少し!!」
桜の時期と言っても今はもう散り始め。ヒラヒラと桜の花びらが舞うこの日、私は晴れて並盛中学校に入学する。
「ガハハハー!!光奈大慌てだもんね!!」
「ランボ遅くまで起こしてた!!ランボ悪い!!」
「アレは〜光奈がなかなか寝れない〜て言うから〜眠くなるまで!!ランボさんが一緒に遊んであげたんだもんね!!」
「だからなのね、寝坊したのって」
そう、ただいま絶賛入学式への準備中。
式までに余裕はあるものの、ランボくんの言う通り昨晩はなかなか寝付けなくて夜更かしをしてしまった。だから起きる予定だった時間に起きることはできず、やっと起きる気になった頃には予定を30分ほど越していて、当初考えていた用意が全くできないでいた。
今日は、入学式の後に楽しみがあるのに…!!
あーもう!!と心ばかりが焦って、支度が上手くいかずバタバタと苛立ちばかりが募っていく。
「もー朝から騒がしいなぁ」
こちらのバタバタが2階にまで聞こえていたのか、寝起きのツーくんが不機嫌にリビングへやって来た。大きなあくびをしながらお腹を掻きやってくる彼へ「ツーくんおはよう」と尖りのある声にはなったが、朝のお決まりを投げ掛ける。
「おはよ……あ、そっか。ミツ入学式か」
「そーなんだじょ!!光奈いちねんせい!!」
「一年生って言っても中学校のな。もう小学生じゃないんだぞ」
"小学生じゃない"
何気なく言ったであろうこの言葉がやけに胸に響いて、私は勢い良くツーくんの方へ振り返る。「え、なに?」と目を丸くして、振り返った私を見つめる彼に。
「わ、私」
「大きくなったかな?」
新品の制服を纏った姿でふわっと両手を広げ彼に見せる。この言葉、行動の意味が今ひとつ理解できていないツーくんは先程と同様に目を丸くしてキョトンとするだけ。
「な、何か言ってよ!」
「え?!あ、うん、ごめん」
思った反応が返らなかったことに羞恥を感じて言葉が強くなる。八つ当たり気味に投げられたそれに戸惑いながらも、ツーくんは今一度私を下から上まで見て。
優しく笑みを浮かべた。
「うん、ミツは大きくなったよ」
その言葉だけで胸の中がすごく満たされたような感覚を覚える。ふくふくとあたたかくなる気持ちを抱えたまま、私は準備を再開した。
・
・
「お、来たな!!」
「「光奈ちゃん!!ご入学おめでとうございます!!」」
お店の引き戸を開けたと同時に活気よく鳴り響いたクラッカーの音。その音に少しだけビクッとしながらも、奥にいるみんなの姿を目にした瞬間、自然と笑顔が溢れた。
「ありがとう!!」
ここは竹寿司。山本武さんのお父さんである剛さんのお店であり、山本さんのご実家になる。
話は遡ること1か月前ー…私がいよいよ並盛中学校に入学するんだ、とツーくんが山本さんや獄寺さんに話を振ったのがきっかけらしく。話を聞いた山本さんがすぐに「それならお祝いしてやらねーとな!」と段取りをしてくれたのだという。
話は広まりに広まり、京子ちゃんやハルちゃん、京子ちゃんのお兄さんにまで届いて、こうしてみんなで集まって私の入学を祝い、小さなパーティーを開いてくれることになったんだ。
京子ちゃんとハルちゃんに手を引かれ、特等席だという場所へ案内される。案内された席には二人が書いたであろう"ご入学おめでとう"のミニカードと。
「これ、なに?」
「これね、みんなにお祝いのメッセージを書いてもらったの!」
「皆さんの"おめでとう"がいーっぱい詰まった色紙です!光奈ちゃんの新しい門出を祝ってちょっとしたサプライズです!」
「貰っていいの?!」
「うん!!」
「はい!!」
いろんな文字でおめでとうが書かれた色紙。それにはツーくんはもちろん、リボーンくんやママ、ビアンキさんに獄寺さん。京子ちゃんにハルちゃん…と、たくさんの人たちの名前とお祝いメッセージが書かれてあった。
中でも無意識で一番初めに見つけようとしてしまう"山本武"の文字。
"光奈ちゃん入学おめでとう!困った時はすぐに助けてやるからいつでも言ってくれよな!"のメッセージは正直言って誰からのものより一番嬉しいと感じた。
宝物にしなきゃ、と貰った色紙を胸に抱える。それを見ていたツーくんが私と同じくらい嬉しそうな顔をしてて、それだけで今日という日が最高なものに思えた。
「んじゃま、主役も来たことだしパーティーを始めるとしますか!」
「「「おー!!!」」」
乾杯の音頭と共にジュースの入ったコップがいい音を立てて、ぶつかり合う。相手の一人である山本さんの笑顔を受けて私も自然と笑顔を零していた。
-続く-
四季も巡り、季節は桜の時期を迎えている。
「ミーちゃん!もう用意できたー?」
「待ってーもう少し!!」
桜の時期と言っても今はもう散り始め。ヒラヒラと桜の花びらが舞うこの日、私は晴れて並盛中学校に入学する。
「ガハハハー!!光奈大慌てだもんね!!」
「ランボ遅くまで起こしてた!!ランボ悪い!!」
「アレは〜光奈がなかなか寝れない〜て言うから〜眠くなるまで!!ランボさんが一緒に遊んであげたんだもんね!!」
「だからなのね、寝坊したのって」
そう、ただいま絶賛入学式への準備中。
式までに余裕はあるものの、ランボくんの言う通り昨晩はなかなか寝付けなくて夜更かしをしてしまった。だから起きる予定だった時間に起きることはできず、やっと起きる気になった頃には予定を30分ほど越していて、当初考えていた用意が全くできないでいた。
今日は、入学式の後に楽しみがあるのに…!!
あーもう!!と心ばかりが焦って、支度が上手くいかずバタバタと苛立ちばかりが募っていく。
「もー朝から騒がしいなぁ」
こちらのバタバタが2階にまで聞こえていたのか、寝起きのツーくんが不機嫌にリビングへやって来た。大きなあくびをしながらお腹を掻きやってくる彼へ「ツーくんおはよう」と尖りのある声にはなったが、朝のお決まりを投げ掛ける。
「おはよ……あ、そっか。ミツ入学式か」
「そーなんだじょ!!光奈いちねんせい!!」
「一年生って言っても中学校のな。もう小学生じゃないんだぞ」
"小学生じゃない"
何気なく言ったであろうこの言葉がやけに胸に響いて、私は勢い良くツーくんの方へ振り返る。「え、なに?」と目を丸くして、振り返った私を見つめる彼に。
「わ、私」
「大きくなったかな?」
新品の制服を纏った姿でふわっと両手を広げ彼に見せる。この言葉、行動の意味が今ひとつ理解できていないツーくんは先程と同様に目を丸くしてキョトンとするだけ。
「な、何か言ってよ!」
「え?!あ、うん、ごめん」
思った反応が返らなかったことに羞恥を感じて言葉が強くなる。八つ当たり気味に投げられたそれに戸惑いながらも、ツーくんは今一度私を下から上まで見て。
優しく笑みを浮かべた。
「うん、ミツは大きくなったよ」
その言葉だけで胸の中がすごく満たされたような感覚を覚える。ふくふくとあたたかくなる気持ちを抱えたまま、私は準備を再開した。
・
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「お、来たな!!」
「「光奈ちゃん!!ご入学おめでとうございます!!」」
お店の引き戸を開けたと同時に活気よく鳴り響いたクラッカーの音。その音に少しだけビクッとしながらも、奥にいるみんなの姿を目にした瞬間、自然と笑顔が溢れた。
「ありがとう!!」
ここは竹寿司。山本武さんのお父さんである剛さんのお店であり、山本さんのご実家になる。
話は遡ること1か月前ー…私がいよいよ並盛中学校に入学するんだ、とツーくんが山本さんや獄寺さんに話を振ったのがきっかけらしく。話を聞いた山本さんがすぐに「それならお祝いしてやらねーとな!」と段取りをしてくれたのだという。
話は広まりに広まり、京子ちゃんやハルちゃん、京子ちゃんのお兄さんにまで届いて、こうしてみんなで集まって私の入学を祝い、小さなパーティーを開いてくれることになったんだ。
京子ちゃんとハルちゃんに手を引かれ、特等席だという場所へ案内される。案内された席には二人が書いたであろう"ご入学おめでとう"のミニカードと。
「これ、なに?」
「これね、みんなにお祝いのメッセージを書いてもらったの!」
「皆さんの"おめでとう"がいーっぱい詰まった色紙です!光奈ちゃんの新しい門出を祝ってちょっとしたサプライズです!」
「貰っていいの?!」
「うん!!」
「はい!!」
いろんな文字でおめでとうが書かれた色紙。それにはツーくんはもちろん、リボーンくんやママ、ビアンキさんに獄寺さん。京子ちゃんにハルちゃん…と、たくさんの人たちの名前とお祝いメッセージが書かれてあった。
中でも無意識で一番初めに見つけようとしてしまう"山本武"の文字。
"光奈ちゃん入学おめでとう!困った時はすぐに助けてやるからいつでも言ってくれよな!"のメッセージは正直言って誰からのものより一番嬉しいと感じた。
宝物にしなきゃ、と貰った色紙を胸に抱える。それを見ていたツーくんが私と同じくらい嬉しそうな顔をしてて、それだけで今日という日が最高なものに思えた。
「んじゃま、主役も来たことだしパーティーを始めるとしますか!」
「「「おー!!!」」」
乾杯の音頭と共にジュースの入ったコップがいい音を立てて、ぶつかり合う。相手の一人である山本さんの笑顔を受けて私も自然と笑顔を零していた。
-続く-