天星"てんせい"の守護者【リング争奪戦編】
主人公の名前変更
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本日の修行も済ませ一人帰路に立つ。
頭の中をグルグルと巡るのは今日の戦いのこと。
いよいよ山本先輩が戦う日になってしまったんだ。
相手は確かあの長髪の人だったと思う。長髪の人と初めて遭遇したあの日ー…京子ちゃんたちと逃げて、引き返した先で山本先輩がボロボロになって倒れていた。ライフセーバーの悪い先輩たちや、お金を盗んだ泥棒たちを相手にしてた時は何ともなかったのに。
きっとそれほどの実力を持った強い人なんだろう。
大丈夫、かな。
自分が戦う訳でもないのに緊張と不安で心拍数が徐々に上がっていく。ドキドキと鳴り響く心臓は嫌というほど自分の鼓膜を刺激していた。
家へと戻りリビングへ顔を覗かせると、今日もそこには新しい晩御飯がラップして机に置かれてある。ママがまだこうして家に居ないということは、ランボくんの様子は回復の兆しもないのだろう。
「…いただきます」
変に緊張してしまっているこの気持ちをどうにかして鎮めたくて、早々に私は晩御飯へと手を付けた。
この戦いが始まって増えた一人の時間。今まで同じ空間には絶対誰か一人は居たのに…私以外誰もいないこの空間はやけに広くて、寂しさしか残らなかった。
*
自室の向かいにあるツーくんの部屋から物音が無くなる。次いで玄関が閉まる音が聞こえて、私はようやく自室の扉を開けた。
ツーくんは山本先輩の戦いへ行ったんだ。
誰も居ない彼の部屋を勝手に覗いて判断する。窓の外は当然のように真っ暗で、近場の家の灯りがポツポツと付いているだけ。
「………」
外を見つめ思い返す。
ビアンキさんが修行前に私に放った。
"行かない後悔より"
「行った、後悔」
本来は、みんなの力になれる!ようやく同じ土俵に立てる!と思って受け取ったそのリング。
受け取ったはいいものの、いざ目にした世界は私にとってあまりにも過酷なものでー…怖い、見たくないって、すぐに私は目の前の世界から目を背けてしまった。
だけど、ビアンキさんから聞く話から、私が目を背けていた間でも時間は関係なく進んでいて。一人ひとりが"みんなのため"を思って頑張って居るんだと知った。
正直、まだ体は行きたくないって拒んでる。でも、ここで行かなかったらビアンキさんが言うように"後悔"するかも知れない。
そういう世界に足を踏み入れようとしてるのなら、ちゃんと自分の目で見届けなくては。
「…行こうっ」
そう決意して私は一人、並中へと走った。
-続く-
頭の中をグルグルと巡るのは今日の戦いのこと。
いよいよ山本先輩が戦う日になってしまったんだ。
相手は確かあの長髪の人だったと思う。長髪の人と初めて遭遇したあの日ー…京子ちゃんたちと逃げて、引き返した先で山本先輩がボロボロになって倒れていた。ライフセーバーの悪い先輩たちや、お金を盗んだ泥棒たちを相手にしてた時は何ともなかったのに。
きっとそれほどの実力を持った強い人なんだろう。
大丈夫、かな。
自分が戦う訳でもないのに緊張と不安で心拍数が徐々に上がっていく。ドキドキと鳴り響く心臓は嫌というほど自分の鼓膜を刺激していた。
家へと戻りリビングへ顔を覗かせると、今日もそこには新しい晩御飯がラップして机に置かれてある。ママがまだこうして家に居ないということは、ランボくんの様子は回復の兆しもないのだろう。
「…いただきます」
変に緊張してしまっているこの気持ちをどうにかして鎮めたくて、早々に私は晩御飯へと手を付けた。
この戦いが始まって増えた一人の時間。今まで同じ空間には絶対誰か一人は居たのに…私以外誰もいないこの空間はやけに広くて、寂しさしか残らなかった。
*
自室の向かいにあるツーくんの部屋から物音が無くなる。次いで玄関が閉まる音が聞こえて、私はようやく自室の扉を開けた。
ツーくんは山本先輩の戦いへ行ったんだ。
誰も居ない彼の部屋を勝手に覗いて判断する。窓の外は当然のように真っ暗で、近場の家の灯りがポツポツと付いているだけ。
「………」
外を見つめ思い返す。
ビアンキさんが修行前に私に放った。
"行かない後悔より"
「行った、後悔」
本来は、みんなの力になれる!ようやく同じ土俵に立てる!と思って受け取ったそのリング。
受け取ったはいいものの、いざ目にした世界は私にとってあまりにも過酷なものでー…怖い、見たくないって、すぐに私は目の前の世界から目を背けてしまった。
だけど、ビアンキさんから聞く話から、私が目を背けていた間でも時間は関係なく進んでいて。一人ひとりが"みんなのため"を思って頑張って居るんだと知った。
正直、まだ体は行きたくないって拒んでる。でも、ここで行かなかったらビアンキさんが言うように"後悔"するかも知れない。
そういう世界に足を踏み入れようとしてるのなら、ちゃんと自分の目で見届けなくては。
「…行こうっ」
そう決意して私は一人、並中へと走った。
-続く-