天星"てんせい"の守護者【リング争奪戦編】
主人公の名前変更
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指輪を受け取ってから早いもので5日が過ぎようとしていた。ツーくんや獄寺さん、山本先輩はあの日から学校に来て居ない。けれど毎日ボロボロになって家へ帰ってくるツーくんを見掛ける度"何かしている"ということは容易に想像できた。
私は、何も進んでいない。
ツーくんとはあの日から話をするのも気不味くて、互いの存在だけを確認し過ごす日々が続いていた。ツーくんはきっと私のおかしな態度に気付いている。なんとなくだけど、そんな気がする。
今日は休日ー…ツーくんたちは今日も朝からどこかに行っているらしい。ツーくんが不在だから家に獄寺さんや山本先輩が来る口実もない。
京子ちゃんとハルちゃんがフゥ太くんたちを連れてお出掛けに行くんだ、と言うのをぼんやりと聞いた。聞いただけで私は行かない、とお誘いを断った。
何もする気が起きなくて、一日中ベッドの上でゴロゴロと時間を潰す。ふと視線を向けるは勉強机の上に置いてある天星のボンゴレリング。その指輪についてなにか理解しようと悩む度、全く見えない答えに頭が痛くなるのを繰り返した。
ボンゴレ、ってなんだろう。
ヴァリアー、ってなんだろう。
天星の守護者、ってなんだろう。
選ばれた、ってなんだろう。
考えても考えても一向に答えは出なかった。
・
・
どうやら知らない間に私は寝てしまったらしい。目覚めた時には窓の外は日が傾き始めていた。
一階へ降りていくと台所には晩ご飯を作るママ。他に誰かいるかな、と辺りを見回してもそこにはママ以外誰も居ない。
「ママ、フゥ太くんたちは?」
「え?まだ帰ってきてないわよ?あら、おかしいわね…もう帰ってきてもいい時間なのに」
「京子ちゃんたちと一緒なんだよね」
「そのはずなんだけど」
「迎えに行こうか?」
「いいの?ミーちゃん」
今日部屋から出てこなかったから疲れてるんじゃない?と心配するママに、たくさん寝たから大丈夫とだけ告げて玄関へ向かう。
「暗くなってるから気を付けるのよ?」
「うん、すぐ帰ってくるから」
「行ってくるね」とママに手を振り、夕日に染まり出した世界へ私は駆け出した。
*
あれからしばらく探しているけど、フゥ太くんたちはまだ見つからない。随分と日も沈み掛けている。ママにああ言って出てきた手前、フゥ太くんたちを連れずに帰ることはできない。
「どこ行ったんだろ」
気持ちばかりが焦って、歩いていた足がゆっくりと駆け出し始める。京子ちゃんやハルちゃんとも出会わない辺り、結構なすれ違いをしていると考えられた。
これ以上遅くなったらママも心配してしまう。辺りも暗くなるし、不審者が出てくる前に早く見つけ出して帰らないと。
「ランボくん、イーピンちゃん、フゥ太くん…!」
声を張り上げてひた走る。並盛町ではあまり聞かないがニュースでは子供が誘拐されるという事件を目にすることもある。
どうか、無事で居て…!
すると、どこからか「お腹減ったー!!」と聞き覚えのある声が。
「!!!!」
それ声を頼りに方向を変えて駆け出した。
「ランボくん!イーピンちゃん!フゥ太くん!!」
「「「?!」」」
曲がり角を曲がった先、そこにはクタクタの三人が団子になってこちらへと歩いて来るのが目に入った。「ミツ姉ぇ」とフゥ太くんの涙腺が緩んだような気がして、急いで三人の元へと駆け寄る。
「光奈ぁ!!遅いじょコラァ!!」
「ランボ、怒る違う!!」
「よかったぁ!ミツ姉が来てくれて!」
わっと一斉に抱き着いてくる三人を受け止めて「もう大丈夫だよ」と宥める。フゥ太くんに関しては一番年上という責任もあったのか、私にしがみついては声を抑えながら涙を流していた。
「ママが心配してたよ?みんなで帰ろう?」
どうやら日が沈み切る前に帰ることができそう。空を見上げ、そう言った私に頷く三人を立たせてもう少しの辛抱だよ、と歩き始める。
「!!」
瞬間、音もなく目の前に現れた一人の男。
突然の事で何も反応することができず、目の前の男をジッと見つめた。彼の手にあるのは…物騒な剣、みたいなもの。
まさか…!!
そんなはずはない、って思いながらも目の前の現状を否定するには無理がある。よくよく見れば彼の着ている服はあの長髪の人が着ていたものにとても近しい印象を受けた。
「逃げてッ!!」
反射的に叫んでイーピンちゃん、ランボくんを抱き上げ、フゥ太くんの手を引き走り出す。振り返ってる暇なんてない。立ち止まったり、振り返ったりすればそれこそ、殺される!!
ドクドクとうるさく鳴り響く心臓。
血の気が一気に引いて悪寒さえ感じられる。
逃げなきゃ、どこか遠くへ。逃げなきゃ…!!
気持ちが焦れば焦るほど余裕がなくなって、ふと脳裏に大切な人たちの顔が走馬灯のように駆け巡っていく。
ツーくん、獄寺さん、京子ちゃん、ハルちゃん、京子ちゃんのお兄さん、ビアンキさん、パパ、ママ、リボーンくん…。
「先輩っ…!!」
じわっと目頭が熱くなるのを感じ、心の中で「助けてッ!!」と大きく叫んだ。
-続く-
私は、何も進んでいない。
ツーくんとはあの日から話をするのも気不味くて、互いの存在だけを確認し過ごす日々が続いていた。ツーくんはきっと私のおかしな態度に気付いている。なんとなくだけど、そんな気がする。
今日は休日ー…ツーくんたちは今日も朝からどこかに行っているらしい。ツーくんが不在だから家に獄寺さんや山本先輩が来る口実もない。
京子ちゃんとハルちゃんがフゥ太くんたちを連れてお出掛けに行くんだ、と言うのをぼんやりと聞いた。聞いただけで私は行かない、とお誘いを断った。
何もする気が起きなくて、一日中ベッドの上でゴロゴロと時間を潰す。ふと視線を向けるは勉強机の上に置いてある天星のボンゴレリング。その指輪についてなにか理解しようと悩む度、全く見えない答えに頭が痛くなるのを繰り返した。
ボンゴレ、ってなんだろう。
ヴァリアー、ってなんだろう。
天星の守護者、ってなんだろう。
選ばれた、ってなんだろう。
考えても考えても一向に答えは出なかった。
・
・
どうやら知らない間に私は寝てしまったらしい。目覚めた時には窓の外は日が傾き始めていた。
一階へ降りていくと台所には晩ご飯を作るママ。他に誰かいるかな、と辺りを見回してもそこにはママ以外誰も居ない。
「ママ、フゥ太くんたちは?」
「え?まだ帰ってきてないわよ?あら、おかしいわね…もう帰ってきてもいい時間なのに」
「京子ちゃんたちと一緒なんだよね」
「そのはずなんだけど」
「迎えに行こうか?」
「いいの?ミーちゃん」
今日部屋から出てこなかったから疲れてるんじゃない?と心配するママに、たくさん寝たから大丈夫とだけ告げて玄関へ向かう。
「暗くなってるから気を付けるのよ?」
「うん、すぐ帰ってくるから」
「行ってくるね」とママに手を振り、夕日に染まり出した世界へ私は駆け出した。
*
あれからしばらく探しているけど、フゥ太くんたちはまだ見つからない。随分と日も沈み掛けている。ママにああ言って出てきた手前、フゥ太くんたちを連れずに帰ることはできない。
「どこ行ったんだろ」
気持ちばかりが焦って、歩いていた足がゆっくりと駆け出し始める。京子ちゃんやハルちゃんとも出会わない辺り、結構なすれ違いをしていると考えられた。
これ以上遅くなったらママも心配してしまう。辺りも暗くなるし、不審者が出てくる前に早く見つけ出して帰らないと。
「ランボくん、イーピンちゃん、フゥ太くん…!」
声を張り上げてひた走る。並盛町ではあまり聞かないがニュースでは子供が誘拐されるという事件を目にすることもある。
どうか、無事で居て…!
すると、どこからか「お腹減ったー!!」と聞き覚えのある声が。
「!!!!」
それ声を頼りに方向を変えて駆け出した。
「ランボくん!イーピンちゃん!フゥ太くん!!」
「「「?!」」」
曲がり角を曲がった先、そこにはクタクタの三人が団子になってこちらへと歩いて来るのが目に入った。「ミツ姉ぇ」とフゥ太くんの涙腺が緩んだような気がして、急いで三人の元へと駆け寄る。
「光奈ぁ!!遅いじょコラァ!!」
「ランボ、怒る違う!!」
「よかったぁ!ミツ姉が来てくれて!」
わっと一斉に抱き着いてくる三人を受け止めて「もう大丈夫だよ」と宥める。フゥ太くんに関しては一番年上という責任もあったのか、私にしがみついては声を抑えながら涙を流していた。
「ママが心配してたよ?みんなで帰ろう?」
どうやら日が沈み切る前に帰ることができそう。空を見上げ、そう言った私に頷く三人を立たせてもう少しの辛抱だよ、と歩き始める。
「!!」
瞬間、音もなく目の前に現れた一人の男。
突然の事で何も反応することができず、目の前の男をジッと見つめた。彼の手にあるのは…物騒な剣、みたいなもの。
まさか…!!
そんなはずはない、って思いながらも目の前の現状を否定するには無理がある。よくよく見れば彼の着ている服はあの長髪の人が着ていたものにとても近しい印象を受けた。
「逃げてッ!!」
反射的に叫んでイーピンちゃん、ランボくんを抱き上げ、フゥ太くんの手を引き走り出す。振り返ってる暇なんてない。立ち止まったり、振り返ったりすればそれこそ、殺される!!
ドクドクとうるさく鳴り響く心臓。
血の気が一気に引いて悪寒さえ感じられる。
逃げなきゃ、どこか遠くへ。逃げなきゃ…!!
気持ちが焦れば焦るほど余裕がなくなって、ふと脳裏に大切な人たちの顔が走馬灯のように駆け巡っていく。
ツーくん、獄寺さん、京子ちゃん、ハルちゃん、京子ちゃんのお兄さん、ビアンキさん、パパ、ママ、リボーンくん…。
「先輩っ…!!」
じわっと目頭が熱くなるのを感じ、心の中で「助けてッ!!」と大きく叫んだ。
-続く-