思いつきのネタ帳

ディをママがシルパパに渡さなかったら…⑨

2025/02/02 21:50
唇を離すとバハムートの身体がガクガクと痙攣した。
「ディオン!!」
痙攣する身体を抱き締めてその場に蹲る。窓から飛び出しただけなので、娼館はまだ近い。いつ見つかるかも分からない。
「ディオン!ディオン…起きて…お願いだ。ここへ戻ってきてくれ…ディオン」
頬を撫で、何度も名を呼び懇願する。
「……ㇲ」
「!!」
ディオンの口が動いた。
「…ンス…」
ゆっくりと瞼を持ち上げたディオンの額に、あの瞳は消えていた。
「……おはようディオン」
「…ふふっ…いま…なんじだとおもっているんだ」
柔らかく微笑んで小さく呟き、再び瞼を閉じた。
(今はここから離れなければ)
テランスは眠りに落ちた愛しい竜を抱き、飛び上がりそのまま屋根伝いに自分の家へと走った。

『ねぇ…お前はどうして私の中にいるの?』
《…我は…お前の半身。お前が押し殺しているもう一人のディオンなのだ》
『??もう一人の私?』
《そう…本当のお前はあの男に愛される資格などない汚れた存在》
『あの…おとこ?汚れてるって…』
顔を上げると見えたのは、もう一人の自分が全裸で誰かのに上に跨っている。見たこともないような顔をして。
『!!ヤメテ!そんなことしないで!』
《なぜ?本当はこうして乱れてこの男を自分だけのものにしたいのだろ?》
もう一人の自分が誰かの首に手をかける。
『ヤメテ!』
(ディオン…)
誰かの声が聞こえた。懐かしいような寂しいような声。

コメント

[ ログインして送信 ]

名前
コメント内容
削除用パスワード ※空欄可
  • ぐりまる2025/02/02 21:52

    ひさびさの続きだ!

    名前
    コメント内容
    削除用パスワード ※空欄可
    • アヤトロ2025/02/02 22:13

      風邪が落ち着いてきて、長風呂できたから…(風呂で書いてるwww)

      名前
      コメント内容
      削除用パスワード ※空欄可