19話
夢小説設定
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手を伸ばしても届かなかった。
目の前で拐われたことが腹立たしく、柳宿は口を引き結ぶと襲いかかってきた狼に拳を振り上げ後方に吹き飛ばした。
男に襲われ怖い思いをさせてしまったのに、またその恐怖を味あわせてしまう。
彼女に手を出した睿俔を締め上げている間に起きた出来事だったが、自分が近くにいながら拐われたのが許せなかった。
また傷ついたのをひた隠しし、ひっそりと泣くかもしれない。
もしかしたら、みすみす逃がしてしまったことで、今度は自分にも心を開いてくれないかもしれない。
誰よりも傷つきやすい少女を思い、柳宿はやりきれなさに更に狼を吹き飛ばした。
「大丈夫か!?美朱!」
「あ、あたしは大丈夫だよ!でも柳宿が!」
「柳宿!」
狼に囲まれていた柳宿を助けようと星宿は、真横にいた狼を斬る。狼は二つに割けた紙へと変わった。
まるで夢でも見たかのように、星宿が切り伏せた狼の群れはすべて紙切れとなって床に散らばっている。
「紙……!?」
「くそっ。なめてやないで!!――――『
同じく狼に群がられていた睿俔が、背中につけていた大型のハリセンを振り上げ叫ぶ。
紅蓮の炎が走り、全ての狼を灰に変えていく。あのハリセンもまた何かの術を発現しるらしい。
単純に山賊だと思われていた輩は、妙な術を使う連中だったようだ。
しかし、今は彼らの事を考えるよりここを抜け出す方が先決。星宿はそれを好機と見て、美朱と柳宿を外に連れ出した。
そんなことなど気づかず、睿俔は青筋を浮かべ声高々に幻狼に打倒宣言をした。