19話
夢小説設定
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「落ち着いていられるかー!柳宿!ソイツの息の根止めちゃって!!」
「あら?朱雀の巫女の許可も出たし、それじゃあ一思に殺ってしまってもいいわね」
「え…」
後方を振り向けば柳宿が睿俔の首を後ろから腕で締め上げていた。
「柳宿!殺したらダメです!殺るなら『字』のことを聞き出してからにしてください!」
七星士を探すために来ているのに、手がかりを知っているかもしれない人物を殺してしまっては意味がない。
慌てて駆けよってきた浅葱の首筋についている赤い痕に目をとめた柳宿は、食い入るようにそこを見つめ更に腕に力を入れた。
「浅葱、早く服を直しなさい。女の子は身なりをキレイにしてなきゃダメよ」
慌てる浅葱にニッコリと微笑み、彼女の首から視線を反らす。
……反らさなければ、沸き上がる殺意に本気で殺しそうだった。
浅葱は柳宿に言われ今まで服がはだけていたことを思いだし、手早く襟を整え素肌を隠した。
緊急事態だとはいえ、柳宿にみっともない姿を見られたことが恥ずかしくて、僅に耳元を赤らめる。
「さあーて、身体に『字』がある人間――教えなさい!」
「ぐっ……わ、わかった!?『
「たすき……それが5人目の人の名前なのね」
「やったね!浅葱!」
キャッキャッとはしゃぐ美朱に軽く頷き、浅葱はさらに詳しく聞こうと睿俔にに振り向く。ただし、まだ怖いので柳宿の背後に隠れてだが。
「詳しく聞かせてください。その人は今どちらに?」
「それは…」
言葉を濁す睿俔を真剣な目で睨み付けていた浅葱は、突風と同時に身体が浮く感覚に驚き目を丸くした。
気がつけば知らない男の肩に担がれ、視界が上下逆転している。
どこからか
「か、帰ってきたんか。お前……」
「久しぶりやんけ、睿俔!旅に出て帰って来たらお前が頭やて?
ブッサイクなツラしよって『嫁』までもろうたとはけっこうなこっちゃ。コイツはもろとくで!
返して欲しいんやったら、頭の座を賭けてオレと勝負せい!」
(…………嫁。アレの嫁…。私、他人から見てそう見えるの……?)
ガーンとショックを受けた浅葱は、されるがまま何の抵抗もしない。
「……ただしこの女は今夜一晩たっぷりかわいがらせて貰うで!」
「なっ…!」
ビクン、と浅葱が身体が跳ねる。またあの恐怖を味わうのかと浅葱は顔から血の気を引かせた。
「させるか!浅葱を返せ!」
星宿が斬りかかりに走るが、幻狼は余裕の態度を崩さず懐から紙切れを取り出すと無造作に投げ放つ。
数枚の紙は術が仕掛けられていたのか、狼に姿を変え星宿たちを襲い始めた。
「や、やだっ!!柳宿!!」
「浅葱!」
自分を外に連れだそうとしている幻狼から逃れようともがくが、がっちりと抱えられ逃げ出すことができない。
目の前では狼に姿を変えた紙切れが柳宿たちを襲っているのに、逃げ出すことも助けることも出来ず、浅葱はせめてもの抵抗にと手を伸ばした。
「柳宿!」
「浅葱!なによ!?この狼!!」
咬みついてくる狼に自由を奪われ、柳宿は焦りを露に浅葱に手を伸ばす。
しかし物理的な距離の問題に、互いの手が触れることはなかった。
「ほな女はもろとくで」
高笑いをしながら幻狼は窓枠から外に飛び出す。
浅葱は目を見開き、狼と攻防している仲間たちを凝視するしか術はなかった。