17話
夢小説設定
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さらさらと流れる黒髪を何度も掬いながら、柳宿は自分の足に頭を乗せた浅葱の顔を覗き込んだ。
瞼が赤くなり、頬に幾筋もの涙の跡がついているのを苦々しく思いながら、そっと親指で優しく拭う。
安心しきった顔で眠る浅葱を見下ろしながら、柳宿は自室のベッドの上でため息ついた。
巫女たちが帰ってきたと知らされ、一目散に駆け出し見つけたのは苦痛に歪められた黒曜石の瞳だった。
焦がれた漆黒が濁りコチラを見たとき、言い難い憔悴感と悔しさが沸き起こった。一目散に彼女に駆け寄り、抱き締めたのは間違いではないはずだ。
その証拠に安堵した鬼宿と井宿達がいたし、彼女は散々泣いて…泣きつかれて寝ている。
詳しくは分からない。彼女からぽつぽつと語られた話では、倶東国での出来事はそうとう浅葱を傷つけたようだった。
彼女を物扱いした青龍七星士の心宿や、彼女の親友にあった不幸。
そのどれもが、浅葱の優しい心を傷つけ、でもそれを表に出すことがなかったらしい。鬼宿や井宿を見てれば分かるといものだ。
飛び込んだ浅葱を見た瞬間、安堵の表情を浮かべていたのだから。。
(まったく、不器用なんだから…)
少しでも美朱のような器用さがあったなら、ここまで爆発しなかっただろうに。
柳宿は引き寄せた浅葱の頭をそっと撫で続けた。
頼ってくれたのは素直に嬉しい。
それが純粋な庇護欲からくるものなのか分からない。だが、彼女の心の支えの一人になっているのなら彼女が傷つかないように護ってあげたいと思う。
誰にも弱さを見せない浅葱の支えになっている。胸の奥がジワリと熱くなる感じに柳宿は目を細めた。
いなくなってしまった妹がいたら、こんな感じになるのだろうか。
浅葱を妹の代わりとは思わないが、妹のような存在ではあると思う。
浅葱も姉のように慕ってくれているし。
チクッ……
そう思っていると不意に胸が痛み柳宿は目を瞬かせ、痛んだ自分の胸を押さえた。
訳がわからない。痛んだのは一瞬のことで、どこか悪いわけではない。
なのに浅葱のことを考えると胸が熱くなり、痛くなる。
柳宿はもやもやとした気分のまま抱えていた浅葱の頬を優しく撫で、手に彼女の吐息を感じながら瞳を閉じた。