第十三話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「さっきは助かった」
『?』
アジトまでの道のりを歩きがてら、皇后崎は命に話しかける。
「あんたが爆弾の場所を予測してくれたお陰で、爆発を回避できた。ありがとう」
素直に礼を言う皇后崎。
初めて経験する皇后崎のデレに、命は戸惑いを隠せなかった。
『迅君が素直だ!』
「うるせぇ」
信じられない、と言う様な命の反応に不機嫌になる皇后崎。
いつもならそこで会話を終えるが、彼はどうしても聞きたいことがあった。
「…視力無くすって本当なのか?」
『誰から聞いたの?』
「
『せめて名前で呼んであげなよ』
火事の際に命が電話をしている間、四季が彼に話したらしい。
『目はすごく繊細な器官なんだって、邪眼を使う時は負荷が強いから、もって後2~3年って医者から言われてる』
「使わなきゃいいだろ」
もっともな意見である。
しかし、命はゆっくりとかぶりを振った。
『あの時使っておけば仲間の命が助かった。…そんな後悔したくないの。それに、視力を失う前に死ぬかもしれないでしょ?見えない未来に怯えるよりも、見える範囲の命を私は守りたい』
皇后崎は命の覚悟を聞いて、息を呑んだ。
どうやっても動かすことのできない堅固な決心がそこにあった。
「あんた…」
『?』
「気が強い奴と思ってたけど違った、本当に強いんだな」
『見直した?』
「…ちょっとは」
『嬉しい』
命は皇后崎に認められた気がして、カラリと笑う。
ふと、彼女は打ってしまった皇后崎の頬に視線を向けてそこに優しく触れる。
『…叩いてごめんね』
「いい、俺も悪かった」
互いに腹の内を明かしたことで、本当に分かり合えたような気がした。
その時、命のスマホが鳴った。
相手は無陀野だった。
『はい、命です。…はい……わかりました。すぐ向かいます』
「どうした?」
『四季君が暴走してるかもしれないって…止めに行かなきゃ。迅君、新しいアジトの場所わかるよね?先に戻ってて』
別行動をしていた四季が危険な状態に陥っていると知り、無陀野と助けに行くこととなった命。
無陀野の元に走り出そうとすると、皇后崎に腕を取られる。
驚いた命が振り返ると、不安げに目を細める皇后崎がいた。
『迅君…?』
「…」
『…約束する。私は迅君を置いていったりしないよ』
「!!」
その言葉を聞いた皇后崎は、少しだけ表情を和らげて掴んでいた腕を解放する。
「…気をつけろよ、蝶世」
『…ありがとう』
初めて名字を呼んでくれた皇后崎に微笑むと、命は彼に背を向けて走り出した。
